アメリカン・マンハント:O・J・シンプソン(Netflix)ネタバレ解説。アメリカの英雄と称されたプロフットボール殿堂入りのアメリカン・フットボール選手O・J・シンプソンの元妻と、見知らぬ男性が死亡しました。
その犯人として逮捕されたのはO・Jでしたが、彼はどんな証拠が出ようとも無罪を主張し続けます。謎多きO・J・シンプソン事件を、当時の警察、検事、弁護団が再調査します。
事件発生
1994年6月12日。アメリカ・カルフォルニア州ブレントウッドの住宅街で、ニコール・ブラウンという女性と、ロン・ゴールドマンという男性の遺体が発見されます。
近隣住民の通報により駆けつけたロサンゼルス市警は、玄関で黒いドレス姿の女性が、そのすぐ近くの茂みに血だらけの男性が倒れているのを発見します。女性の辺り一面は血の海で、首はほぼ切断されていました。
現場にはニット帽と革の手袋が落ちており、犯人と思しき足跡と血痕がありました。ドアの掛金には血がついた手で触ったであろう指紋がありましたが、刑事はメモに記録しただけで指紋を採取しませんでした。
この時点ではまだ被害者2人の関係性はわからなかったものの、刑事は被害者の女性が裸足だったことから家の中にいたと考え、家の中を捜索します。すると、O・J・シンプソンからの手紙が見つかり、被害者の女性はO・Jの元妻ニコールだと判明しました。
家の2階には2人の子供がおり、子供たちは署で保護されます。
O・J・シンプソンは、アメリカを代表するアメリカンフットボール選手で、メディアへの露出も多い有名人でした。アメフト選手としてプロフットボール殿堂入りしており、アメリカの英雄と呼ばれる実力者です。
そのため、ロサンゼルス市警はメディアに嗅ぎつけられて大騒ぎになる前に、O・Jとコンタクトを取ろうと自宅を訪ねます。しかし、O・Jはシカゴにいて家を空けており、同居人から聞いた連絡先にかけて事情を説明します。
O・Jはニコールの死に動揺を隠せず、すぐに戻ることを約束しました。翌朝、家に戻ってきたO・Jは警察署への任意同行を受け入れ、ニコールの殺害事件についての事情聴取を受けます。
そこで刑事はO・Jが指を怪我していることに気づき、事件現場とO・Jの愛車ブロンコに血痕があったことを指摘します。すると、O・Jは自ら血液検査を進み出ました。
血液検査の結果、現場の血痕はO・Jのもの、ブロンコからはO・Jと被害者2人のものだと判明し、O・Jの逮捕状が取られました。翌朝、O・Jは弁護士と共に警察署への出頭する予定でしたが、弁護士の目を盗んでかつてのチームメイトとブロンコで逃走します。
O・Jの弁護士は急遽会見を開き、O・Jが身を寄せていた友人のロバート・ガーダシアンが会見で彼からの手紙を読み上げます。※ロバートは、お騒がせセレブのガーダシアン姉妹の父。
その手紙はまるで遺書のような内容で、自分はニコールの殺人とは無関係であり、子供たちをそっとしておいてほしいと綴られていました。これに同情した人々は、逃走するO・Jの様子が随時テレビで生中継されていたこともあり、O・Jを応援するために大勢の人が彼の元に集まったのです。
その後、O・Jは自宅に戻り、その日の晩1994年6月17日に逮捕されました。