『ポロス~古代インド英雄伝~』3話と4話。
交易で一波乱があるも、バムニ王が冷静に処理します。
その後、戦が起こってしまうのですが、戦を止めるために下した王の決断が痺れる!
主人公が未登場の段階から面白すぎる『ポロス』のネタバレ感想をお届けします。
『ポロス~古代インド英雄伝~』シーズン1第3話・4話のあらすじ
競売はつつがなく済んだ。
そこへダレイオスが登場し、ある申し出をして皆を驚かせる。
バムニがタクシラ国に意見を求めると、アヌスヤはダレイオスの意見を非現実的であると切り捨て、申し出を断るよう進言する。
爆破の衝撃で隊は全員負傷し、アンビとアヌスヤは意識を失う。
シヴダットは兵を従え、丘の上から様子を眺めつつ回想している。
ダレイオスはシヴダットをそそのかし、彼を取り込もうとしていた。
出典:公式サイト
『ポロス~古代インド英雄伝~』シーズン1第3話・4話のネタバレ
交易の本質とは?
ジェーラム川の商権を手に入れたのはバムニ王でした。
バムニ王が住む宮殿で、さっそく商取引きが行われます。
商取引きが終わったバムニ王は「昨年よりも利を得ることができ喜ばしい」と満足気。
その時、ひとりの男が「それで満足ですか」と声を大きく上げました。
声を上げた男は、怪しげに競技大祭を見ていたダレイオス。
やはり、何かしらの思惑があって競技大祭を見ていたのでしょう。
本来、許可なく商取引きに参加するのは罪になりますが、バムニ王はダレイオスに真意を聞くことにしました。
「陛下は今回の取引きで2000万金貨を得られました。しかし、私ならば5倍の1億金貨で買います」と答えるダレイオス。
つまり、“本来自分には商取引の参加権はないけれど、5倍払うから買わせてくれ”ということですね。
ダレイオスの「5倍」という言葉を聞いて、シヴダット宰相は乗り気な様子。
しかしバムニ王は即決せず、参加者に意見を聞いてみることに。
意見を求められた敵国のアヌスヤ王女は、「私がどう言おうとも、陛下は英断なさるでしょう」と前置きした上で
「5倍の値をつける商人は、愚か者でなければ詐欺師です。どちらであっても破滅をもたらします」と答えました。
アヌスヤ王女の言葉を聞いたバムニ王は、結論を下します。
「ダレイオスとの取引きを拒むのは愚かであろう。
しかしそれ以上に愚かなのは、王女の真意を理解できぬ者。
交易を支えるのは金貨の音ではなく、信頼だ。
富なら十分にある。諸国と交易するのは伝統と文化のため」
そしてバムニ王は、「まずは信頼を得られよ」とダレイオスに言葉を向けるのでした。
おそらくバムニ王は、高額を提示されたからと言って、1つの国とだけ交易することは破滅に繋がると判断したのでしょう。
ちなみに、「伝統と文化のため」というバムニ王の言葉は、1話でアヌスヤ王女が口にした思想と同じ。
王女がハッとしたようにバムニ王の顔を見たのは、同じ考えの人がいたという喜びからかもしれませんね。
バムニ王の判断に納得できないシヴダット宰相は、怒りの表情をアヌスヤ王女に向けるのでした。
戦を止める唯一の方法
商取引が終わり、自国に帰ることになったアンビ王とアヌスヤ王女。
バムニ王は見送りの際、贈り物があると言って蜂蜜を手渡しました。
「甘い蜜で、両国の遺恨を水に流しませんか」
王女はすぐさま賛成するも、アンビ王は断固反対。
競技大会で命を助けたのも企みがあってのことだろうと、バムニ王に強い疑いを向けます。
その後、帰路の途中でも、アンビ王とアヌスヤ王女は意見が食い違うばかり。
「敵国の王に敬意を払うな」と言うアンビ王。
「ですがバムニ王はわが国に敬意を払ってくれました」とアヌスヤ王女。
2人が言い合っていると、地面に仕掛けられていた地雷が爆発を起こしました。
アンビ王と王女は命をとりとめたものの、多くの怪我人が出てしまいます。
そこへシヴダット宰相が現れ「貴様を生きては帰さん!」とアンビ王に吠えました。
シヴダット宰相は、アンビ王から屈辱を受けたことがどうしても許せないのでしょう。
兵士たちに突撃命令を下すシヴダット宰相。始まった戦争。
すると遅れてバムニ王がやってきて、戦いをやめるように言いますが、争いが止む気配はありません。
アヌスヤ王女が「何とか解決できる方法はありませんか?」と聞くと、バムニ王は「ある」と答えました。
バムニ王は「ある。道はひとつ。」と口にしたあと、さらに言葉を続けます。
「敵意の木を切るには、友好の苗木を植えて手を結ぶ。
2つの手が結ばれている間、相手を斬ることはできない。
―― そなたに求婚する。」
『ポロス~古代インド英雄伝~』シーズン1第3話・4話の感想
3話と4話はめちゃくちゃ面白かったです!
前回うっすら怪しかった異邦人のダレイオスは、やはり商人として野心を抱いているようですね。
交易の場で突然、「私なら、1億金貨を払いますよ」と5倍の額を提案したのは驚きました。
そんなに払ってダレイオスは大損しないのか?と思いましたが、自信満々だったのできっと利はあるのでしょう。
バムニ王に利のことを聞かれた際の返答が粋でした。
「“利”とは商いの女王にございます。女王はベールの外に出ません」
つまり、利の仕組みは他者には教えない、見せないという意味なのでしょう。
他にもたくさんの粋な言い回しがあって、それを聞いているだけでも楽しめました。
それにしても、激昂タイプのシヴダット宰相とアンビ王は、今回も相変わらずでした(笑)
顔を合わせればケンカ、ケンカ、そしてついには戦になってしまいます。
戦を止めるために、バムニ王がアヌスヤ王女に求婚したシーンは痺れました!
見つめあう2人の眼差しにドキリ。
この求婚は突然のものではなく、1-2話の段階で2人の似た思想が描かれていたからこそ、とても納得できるんですよね。
思慮深くてお似合いの2人だと思うので、末永く幸せになってもらいたいです。
結婚という決断に対して、1ミリも納得できていないのが、シヴダット宰相とアンビ王。
絶対に認めないという意志がにじみ出ています。
思ったのが、激昂タイプのこの2人、敵国だからこんなに険悪だけれど、もしも同国だったらかなり息の合う仲間になっていたはず。
それほどに、2人は怒るポイントや思考が同じです(笑)
感情的すぎる2人ですが、時おり見せる脆さが人間くさくてキライになれません。
たとえば「願いもガラスも好まん。一瞬で崩れるものだから」というシヴダット宰相のセリフ。
いつもはただ無骨に見えるシヴダット宰相ですが、意外と繊細なところもあるのだと分かるセリフでした。
さて、4話で無事に婚儀をおこなったバムニ王とアヌスヤ王女。
初夜の状景が美しくてうっとりしました。
インド作品は、“愛”を歌やダンスに置き換えて表現することが多く、直接的なキスシーンなどはありませんが、その分情趣に富んでいますね。
次回予告では、バムニ王が何やらアヌスヤに辛らつな言葉を浴びせていました。
波乱が起こりそうではありますが、5-6話も楽しみですね!