『トレース』第5話では、深い親子愛が色濃く描かれ泣かされる回となりました。
今回は誘拐と殺人が絡んだ事件で、被疑者は18年前に誘拐された女性という結果に。
しかし、この裏には母を思う子の深い愛が隠されていたのです。
それではドラマ『トレース』第5話ネタバレ考察をお届けします。
『トレース』第5話あらすじ
捜査一課の虎丸刑事(船越英一郎)は、黒鷹山付近で発見された遺体付近にあった毛髪の鑑定を、科捜研に依頼しました。
被害者はスナックに務めている海東奈津美(滝沢沙織)で、頭部を鈍器で殴られたことによる脳挫傷で死亡。遺体状況からして、死後3日が経過しており、遺体の近くから、海東本人の物とは別の毛髪が発見されていました。
沢口が鑑定すると、犯人は18年前に誘拐された乳児・島本優の物であることが分かります。
18年前、鶴竹町に住む島本彩花(矢田亜希子)が買い物中、ほんの少し目を離した隙に娘の優が誘拐されてしまいました。
彩花と夫(山中聡)は、警察に届けを出さず、犯人から要求された身代金を用意して届けたのです。しかし、指定されたコテージに優ちゃんの姿はなく、その代わりに誘拐犯と思われる神崎(石垣佑磨)の遺体を発見したのです。
このとき、初めて警察に通報したものの、身代金はすでに消えており、優ちゃんも依然として行方不明のまま18年が経過しました。
虎丸刑事は、18年経った今でも優ちゃんの生存を信じ、街中でビラ配りを続けていた夫婦に事情を話し、協力を求めます。
ところが、海東奈津美と優との繋がりを調べていたところ、18年前に海東奈津美も鶴竹町に住んでいたことが判明したのです。
『トレース』第5話の見どころと考察
島本優が自首!恨みによる犯行か?
今回の事件は、遺体が発見されからすぐ島本優が自首をしてきました。島本曰く、自分を誘拐した女への復讐殺人だったと自供します。
島本優は、殺人動機をこのように話していました。しかし、虎丸刑事は島本優に、どうやって誘拐されたことを知ったのかに引っかかりました。
警察の調べによると、殺害された海東はかつて海崎を交際しており、妊娠していたことが判明。しかし、海崎が子供を拒否したため泣く泣く中絶し、それが原因で海東は子供が産めない体になっていたのです。
また、海東がかつて島本家と同じく、鶴竹町に住んでいたことが判明し事件はほんの少し進展を見せます。
自分が誘拐されたことを知って殺害したという動機に、虎丸刑事はどこかに引っかかりを感じていました。
また、真野もまた事件にはまだ何か裏があると感じていたのです。
事件解決のポイント
今回の事件解決のポイントは、
・優がどうやって誘拐されたことを知ったのか。
・施設の経営者は、なぜ優が捨てられた1年後に届けを出したのか。
・18年前、優の母に何があったのか。
施設の経営者は、優を自分の本当の子供のようだと話しており、優自身も母親同然の恩ある存在だと思っていました。
警察は、施設経営者と海東が同級生であったことや、施設内で2人が言い争っている姿が目撃されていたことから、犯人は施設経営者で優が庇っているのではないかと推測したのですが、証拠が見つかりません。
優が、施設経営者に恩を感じているから、との見方をしていましたが、実はそこには全く違う理由があったのです。
どうしても腑に落ちない。事件に隠されたある理由とは?
海東の遺体は、一度埋められてから再び掘り返され、すぐに見つかるように細工してありました。
また、遺体の周辺にあった島本優の毛髪に不自然さも感じていました。通常、自然に抜けた毛髪には、ほとんど毛根はありません。しかし、今回の毛髪には毛根が残っている者ばかりだったのです。
これは、島本優が自分で髪を抜いて遺体のそばに置いたことが考えられました。たとえ、島本優が経営者をかばっているとするならば、なぜ遺体をわざわざ掘り返すようなことをしたのか……。そんな疑問が浮かび上がったのです。
これは、真野が被害者のポケットの中に土が入っていることから気づいたことで、そこには”早く見つけてほしい”というメッセージが込められていたようです。
ついに全貌が明らかに!母を思う子の愛情に涙。
犯人は経営者。島本優に後始末させた?
犯人は、警察そして真野の予想通り、施設経営者でした。彼女は18年前、両親から受け継いだ施設の経営に行き詰っていました。ちょうどその頃、海東が乳児を預かってほしいと訪ねてきます。
経営者は、海東が身代金を持っていることを知り、”誘拐された子”だと知りつつも金を貰って預かったのです。
ところが、今後は海東がそれを逆手に取り”誘拐した子だと知りながら預かった”と、経営者を脅迫してきたのです。
経営者は要求された金を渡すため、海東と待ち合わせした河原で彼女を殺害。足が悪いこともあり、遺体をひとりで処分することができず、島本優に後始末をさせたということだったのです。
島本優も、育てられた恩があることから後始末をせざるを得なかったようでした。しかし、彼女がこの事件に口をつぐんだのは、本当の母である彩花のことを思ってのことだたのです。
彩花の過去を守ろうとしたこの深い愛情。
真野は、事件の真相に気づいていたようですが、優が自首してきたのはすべて母・彩花のためだったのです。
優が自首してきた当初、本人であるかの親子鑑定が行われました。ところが、鑑定結果は優が”島本彩花の子である”というもの。父親との間には親子関係がないということだったのです。
島本優は、自力で両親を探し出しており、街中で今も自分を探すためのビラを配っている後継をみました。しかし、そこにはもうひとりの娘もいて、幸せそうな家族の姿があり、その幸せを崩すわけにはいかないと思ったのです。
彩花は過去、今回殺害された神崎と交際していた時期がありました。彩花は教師である夫と結婚し幸せな家庭を築いていましたが、ある日彩花の前に神崎が現れ、言う通りにしなければ夫の職場に”ふたりでベッドにいる写真”をばら撒くと脅してきたのです。
彩花は仕方なく、神崎の言うがままに何度か体を重ねてしまいました。その結果、長いこと子供が授からなかった彩花が妊娠。夫の子だと信じたいと思いながら出産するも、神崎の子だと分かります。
ところが、出産後に再び神崎が現れ、赤ん坊の父親をネタに口止め料として3千万円を要求しましたが、そんな大金を用意することは出来ません。
それならと、神崎は優が誘拐されたことにして身代金を手に入れようとしたのです。彩花は、指定されたコテージに優を連れて行き、身代金と引き換えに優を返してもらう約束をしてしまったのでした。
優が本当に守りたかったのは、彩花の過去だったのです。自分が父親の子ではないことがバレれば、幸せな家庭が崩れてしまう。自分がいなければ彩花の秘密を守れると考えてのことだったのです。
『トレース』第5話を観た感想
今回は、母を思う子の深い愛情に胸が痛くなる内容でした。家族が一緒だから幸せとは限らないという、真野の言葉も突き刺さります。
優が、自分を犠牲にしてでも家族を守りたいと思った気持ちは、たとえ一緒にいなくても心はひとつにあるという事でしょうね。
もちろん、家族一緒にいるに越したことはありませんし、失ってから大切なものに気づくという事もあります。
夫も、18年間辛かったろうと彩花を責めることはありませんでしたし、自分の子ではないと知っても、優は自分の子だと……。初めての子には優しい子であるように”優”とつけると決めていたという夫は、優が母を思う優しい子であることに誇りを持ったはずです。
前回は兄弟愛、今回は母子愛という家族というテーマは、真野の過去に近づくための伏線のようですね。
次回は、今まで明かされていなかった真野の過去に動きがあるようです。
真野の過去が動く!? 次回6話は25年前の事件と繋がる?
予告によると、真野は25年前に起こった”武蔵野一家殺人事件”の生き残りとのこと。両親を殺害したあと自殺した真野の兄が犯人として処理されたようですが、真野はこの事件について納得していません。
5話の最後で一瞬、真野の兄らしき人物の首に電気コードが巻かれて亡くなっているシーンと、真野に「君のお兄さんのことで話がある」という電話がかかってきて幕を下ろしました。
次回は、18歳から行方不明になっていた新妻というホームレスの変死体が河川敷で発見。5話の最後で真野に電話掛けてきた人物は、新妻の担任だったという早川(萩原聖人)でした。
しかも、早川が言うに彼は「新妻の友人が家族を刺殺して行方不明になったことにショックを受けていた」とのこと。
それこそがまさに、真野に悲劇をもたらした”武蔵野一家殺人事件”のことのようです。新妻というのは、真野の兄の同級生ということなのか、この件に関して海塚(小雪)と言い争うようなシーンもあったので、海塚は何か事情を知っているのかもしれませんね。
『トレース』5話の視聴率は?
『トレース』5話の視聴率は10.0%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)と2週連続で2桁キープ!
見え隠れする真野の過去に興味を持っている方や、錦戸亮演じる真野の心の闇に興味を持たれている方も多いという事でしょうね。
今後はさらに、真野の過去が動き出すようなので、ますます見どころが増えるはず。
そうなれば、視聴率ももう少し伸びがあるかもしれませんね。