木村佳乃が主演のドラマ『後妻業』第3話が放送されました。
探偵・本多の手によって、小夜子の過去が次々と明らかに!
そして、同時に明かされる”老人たちの死の真相”は、あまりに衝撃で息を呑んでしまいました。
一体、何が善で何が悪なのか、考えずにはいられない『後妻業』第3話のネタバレ解説をお伝えします。
『後妻業』第3話のあらすじ
耕造が亡くなってまだ日が浅い中、小夜子は次の老人ターゲットと接触を図ります。
5人目のターゲットとなったのは、富樫幹夫。
幹夫は、うどんの有名店の会長で、現在は高級老人ホームで暮らしています。
小夜子は、いつものように幹夫を篭絡しようとしますが、どうやら幹夫は認知症を患っており、そのため小夜子のことをヘルパーだと思い込んでいる様子。
何度も「ヘルパーじゃなくて結婚相手や!」と幹夫に教えますが、一向に意思疎通ができす、さすがのエース小夜子も困ってしまいます。
その頃、探偵の本多は、朋美から依頼を受けて小夜子の過去を探っていました。
すると、小夜子が3度結婚していたことや、いずれの結婚相手も死亡していること、さらに重要な”共通点”が明らかになったのです。本多は、それらの情報を総合し、小夜子を”後妻業”であると断定するが……!?
『後妻業』第3話のネタバレ解説と考察
小夜子の過去
耕造の娘・朋美は知り合いの探偵に依頼をし、小夜子を探ってもらいました。
すると、小夜子は耕造との結婚の前に3度結婚をしており、いずれの相手も高齢男性、かつ結婚してすぐに死亡していることが判明。
1人目の夫/名城
練炭自殺をし、一酸化中毒で死亡。
2人目の夫/津村泰治
自宅の風呂場で溺死。
3人目の夫/武内宗治郎
踏み切りで電車に轢かれて死亡。
4人目の夫/中瀬耕造
つい先日、脳梗塞で死亡。小夜子と籍は入れていない。
いずれの男性も保険金はかけられていないので、そのため警察も「事件性はない」と判断したのでしょうね。保険金は一切かけないところが”後妻業”の巧妙なところです。
遺留分減殺請求とは?
小夜子の過去を調べた探偵の本多は、“遺留分減殺請求”という制度があることを朋美に伝えました。
本作でいうと、耕造は「小夜子に全財産を譲る」旨の遺言を残しました。しかし、娘の朋美たちからすれば“あまりにも不当”な内容といえるので、”遺留分減殺請求”をすることができるというわけです。
ただ、あくまでも”請求できる”というだけで、相手が”遺留分減殺請求”に応じるとは限らないので注意が必要です。しかも、”遺留分減殺請求”ができる期間は、亡くなってから1年間という時効があるため、請求する側はそうのんびりしていられず、場合によっては訴訟する必要も出てきます。
実際のケースでは、”遺留分減殺請求”をしても、1年間のらりくらりとかわし続ける人が多いようです。本作の小夜子もおそらく、巧みに言い逃れるのではないでしょうか。
ドラマでは今後、”遺留分減殺請求”を掲げた朋美が反撃に出る展開となりそうです。それを受けた小夜子がおとなしく応じるとは思えないので、もしかしたら裁判にまで発展するかもしれませんね。
小夜子の告白~尊厳死の手助け~
小夜子の過去を知った朋美は、居ても立ってもいられず、小夜子のマンションを訪れます。
最初はとりとめのない話をしながら探りを入れる朋美でしたが、思い切って「あなた、後妻業よね」と本題を切り出しました。
すると小夜子は「うちは殺してくれって頼まれたんや!」と、驚きの事実を口にするのでした。
小夜子の話はこうです。
耕造は最初の妻・敏恵を心から愛していましたが、15年前に病死。それ以降、寂しくてどうしようもなくなった耕造は、結婚相談所に登録をして出会いを求めました。
出会いといっても、一番の目的は”話し相手を見つける”こと。耕造は、話し相手を求めて2人の妻を娶りましたが、どちらの妻にも先立たれてしまいます。
もう妻に先立たれるのは嫌、けれどひとりは寂しい。そんな複雑な感情を抱いているときに出会ったのが小夜子でした。
ですが結局のところ、耕造は「これ以上生きていても虚しいだけだからもう終わらせたい」という感情のほうが勝ってしまったーーー。
小夜子は、そんな耕造の手助けをしたと、そう告白したのです。そして、今までの夫たちも皆”孤独”を抱えて死にたがっていたと。
朋美は「そんなの嘘よ、でまかせよ」と口では言っていましたが、本当は”小夜子の話が真実”だと気付いているのではないでしょうか。朋美の声や表情からは、”気付いているけど認めたくない”、そんな動揺が見受けられました。
“耕造とずっと疎遠であり続けた”という自責の念、つまり思い当たる節があるからこそ、朋美は小夜子の話に動揺したのでしょう。
『後妻業』第3話の感想
予想通り、小夜子たちは”老人の自殺幇助”を担う後妻業でした。
昨今、少子高齢化が進んでいる中で自分の老後を考えた時、家族に介護を頼んで迷惑をかけるよりは、(可能ならば)安楽死したいと願う人がいても不思議ではありません。少なくとも自分なら、そういう事業があるなら頼みたいです。
なので、小夜子のしていることが善とも悪とも言い切れなくて、とても考えさせられました。小夜子自身も、悪に徹しようとしている(ように見える)けれど、なりきれていないところに人間味を感じます。
ただひとつ言えるのは、老人が”尊厳死”を望んだからと言って、家族に無断で”尊厳死”を手助けするのは問題になってしまうということです。本作でも、娘の朋美は納得いっていない様子でした。
ですが、耕造にしろ他の夫たちにしろ、そもそも”尊厳死”のことを家族に相談できるような間柄ではなかったからあれほどまでに”孤独”だったとも言えます。
本作はとにかく複雑で、感想をひとことでは言い表せませんね。今後どうなるのかも予想がつかず、だからこそ先の展開がとても気になります。
また、原作では徹底的に”悪女”として描かれている小夜子が、ドラマでは善悪どちらの面も持つ女性として描かれているところも面白いですね。