【ドラキュラ伯爵】あらすじネタバレ。
Netflixでの配信後、人気急上昇中のホラードラマ【ドラキュラ伯爵】は、ドラキュラの城から逃げ出した弁護士が風変りな修道女と記憶を辿る物語。
そこで何が起こり、何を見たのか。
リアル感とレトロ感にザワつくスリラードラマ【ドラキュラ伯爵】をお伝えします。
【ドラキュラ伯爵】シーズンのあらすじ
出典元:https://www.netflix.com/title/80997687
物語の舞台は1897年のハンガリー。
修道院の一室にハーカー(ジョン・ヘファーナン)という男がいました。
一見、薄気味悪い彼の話を聞きに来たのはシスター・アガサ(ドリー・ウェルズ)。
アガサは、修道女でありながら魔術やオカルトの専門知識があるという風変りな女性でした。
ハーカーが必死で書いたトランシルヴァニアでの滞在記を読んだというアガサは、ハーカーに「なぜあなたはまだ生きているの?」と突拍子もない質問を投げかけます。
ハーカーは「命からがらに逃げ出したから」と答えましたが、アガサは「なぜ逃げ続けないのか?」と尋ねました。
「神の家だから」
彼は教会を”神の家”だから魔物は近寄らないと思っていたようですが、アガサは隣にいた監視の修道女に「ここについて説明してあげなくちゃね」と笑いながら話します。
・2年前、教会の天井画落ちて祈っていた人々が亡くなった
・唯一生き残ったのは神父だけ
「私の信仰は保たれた」という神父にアガサは、「それなら天井を保って」と言ってやったといい、さらに「神は守らないから他の救いを求めるべき」と伝えます。
アガサは、ドラキュラ伯爵(クレス・バング)との”晩餐”や”交流””会話”など、城であったことのすべてを正直に話せば命は救われると言うと、ハーカーは少し迷った末すべてを話し出したのです。
【ドラキュラ伯爵】シーズン1の見どころ
近年見ないレトロ感にザワつく!
冒頭から、薄気味悪い幕開けで始まります。
ハーカーは、仕事でドラキュラ伯爵の城を訪れるため、地元の方たちに近くまで送ってもらいました。
ただ、住民たちは城の近くまで行くことをかなり恐れていて、ある一定の距離以上は近づかないとしていたようです。
ハーカーが、城まではまだ距離があると不安になるも、「城から迎えが来る」「伯爵にはわかる」と、これから何が起こるかを予測させます。
この時点で、ハーカーがドラキュラの”食事”になると思いきや、実は彼自身の諦めない思いが今後の彼の行方を物語っていました。
城内はとてもリアルで、ドラキュラ曰く城は寡夫のペトロビオという建築家による遺作で、”取り戻せない”最愛の妻と日光への思いを形にしたもの。
この時点で、ペドロビオ自身がドラキュラであったのか?伯爵自身がペドロビオなのではないか?と予感させました。
城は、入り口と出口が同じとは限らない、行きたい場所に向かってもたどり着くとは限らないという迷路状態となっており、城に入った人間が逃げようにも逃げられません。
石造りでライトはなく、頼りはローソクの明かりだけ。
近年見るヴァンパイアの城とは違い、いかにも”ドラキュラ”が潜む石造りの城の不気味さがリアルに描かれています。
修道女の存在がリアル感を加速させる
アガサという修道女は、普通の修道女とはちがう風変わりな女性でハッキリとものを言うタイプです。
「なぜまだ生きているの?」という彼女の質問は、ドラキュラ作品においては当たり前に思える言葉。
ドラキュラと言えば、”吸血されて死ぬ”とか”吸血されてドラキュラになる”といった説がありますが、ハーカーはなぜ逃げることが出来たのか、なぜ彼は生きているのか、なぜ吸血本能がないのか?という疑問が湧きます。
彼女はそんな疑問を次々と投げかけ、ドラキュラという存在を隅々まで知り尽くそうとするのです。
そんな彼女の存在がドラキュラという存在をより実在的に、また本作がヴァンパイアではなくドラキュラと称しているのも、そのリアル感を演出してくれるものではないかと推測します。
予想を覆すヴァンパイア伝説
ここに登場するドラキュラ伯爵は、若さを保つためにハーカーを1か月間滞在させましたが、目に見えて吸血行為を行う訳ではなく、ハーカーの寝ている間に彼の生気を吸い取っていました。
ハーカーはまるで夢を見ているかのような状態で、伯爵に吸血されているとは気づきません。
通常、路地でドラキュラが表れて人を押そうといったシーンが多い中で、知らず知らずのうちに吸血され生気を奪われていたというのは近年では珍しい展開。
日に日に若くなる伯爵と、日に日に老いていくハーカー。
そこで一体何が起こっているのか、彼が理解しら頃にはもう歩く力さえ残っていない状態でした。
また、たまたまハーカーがたどり着いた地下にはいくつもの木箱があり、その中には”ドラキュラに感染”した元人間たちが不死者となって這い出てきます。
彼らはドラキュラになるわけではなく、死者となるわけでもなく体が灰となっても魂だけは生き続けるため、終わりなき苦痛が続くのです。
当時は、墓掘り人が口をつぐむ禁忌と言われ、たとえ埋葬しても永遠に棺の蓋を引っ掻き続けると言われていました。
アガサはこの症状を不死の感染と言い、なによりも恐ろしいものだと説明しています。
ドラキュラに血を吸われる=ドラキュラになる、もしくは死という概念を覆す、新しい感染系ドラマのようにも感じました。
【ドラキュラ伯爵】シーズン1の感想
ヴァンパイアという下りとは違う、あえてドラキュラ伯爵としたのは正解です。
近年、ヴァンパイアとの恋愛や友情といった作品も多い中、本作はドラキュラ作品として正当派ドラマではないかと思います。
不気味さといい、気軽に近寄れない城の雰囲気といい、どこかレトロさもある作品でした。
また、神に仕える身でありながらも「神はいない」、神父に「天井を保て」と言ったり、カルトや魔術の研究をしているという異端の修道女アガサも、本作に必要不可欠な存在であると思います。
本物のドラキュラ作品を見たいという方にはお勧めのドラマです。
【ドラキュラ伯爵】の作品情報
【製作】
2020年 イギリス
【原作】
マーク・ゲイティス、スティーヴン・モファット
【キャスト】
クレス・バング、ドリー・ウェルズ、ジョン・ヘファーナン
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