【月に咲く花の如く】ネタバレ感想(61話・62話)。
心を失ってしまった周瑩は、亡きあの人の幻を見てさらに抜け殻に……。
心配した奥様は、周瑩に養子をとらせることにするのです。
5人の子どもたちの中、養子に選ばれるのは果たして誰なのでしょうか!?
【月に咲く花の如く】あらすじネタバレ61話
星移の幻
星移の死を知らされてからというもの、周瑩は抜け殻のようになってしまいました。
そんなある日、呉家に京劇の一座を招きますが、周瑩は演目の最中もずっと上の空。
ところが、ある瞬間から演者の顔が星移に見えてきた周瑩は、現実と幻が混合し、そのうえ星移の幻聴まで聞こえ始めます。
“俺の心をお前に差しだす”(45話のセリフ)
しばらく星移の幻を見続けていた周瑩でしたが、ふと現実に戻った瞬間に涙があふれ出してしまったため席を離れました。
同席していた奥様は心配になり、千紅に周瑩を慰めてほしいと頼むのです。
千紅が周瑩を探しにいくと、彼女は雪が降りしきる中、1本の木を眺めながら地面に座りこんでいました。
千紅はいろいろな言葉をかけて周瑩を慰めようとしますが効果なし。
慰めに失敗したと聞いた奥様が困り果てていると、侍女の張が「子供なら周瑩を元気にできるかもしれない」と助言するのです。
呉漪の独白
呉漪が“証拠の封筒”を置いたのは自分だと告白して以来、夫の趙白石の態度は冷たくなるばかりで「今日から離れの書斎で寝る」とまで言われてしまいました。
呉漪は書斎の扉を叩き「話を聞いてほしい」と言いますが、彼の反応はありません。
ならばここで話します。
呉漪はそう言うと、雪が降りしきる中 膝をついて独白を始めました。
自分のしたこと(封筒の件)がいかに愚かで身勝手であったかを思い知った、己が恨めしくて仕方ないと。
「すべては嫉妬深い私が悪いのです」その一言から、話は過去へと遡っていきます。
「周瑩が呉聘にいさんに嫁いだ当初、私は彼女を心から慕い尊敬していました。
そして、私も将来はあの夫婦のようになりたいと羨んでいたのです。
そんな時に出会ったのがあなたでした。
盗賊から助けてくれたあなたを好きになり、自分から想いを伝えてみたりもしたけれど、あなたが振り向いてくれることはなかった。
あなたの心には、ずっと周瑩がいたから……。
彼女が誓いを立てたとき、あなたは血がにじむほど手を握りしめていましたね。
それを見た私も、心の血を流しました。」
呉漪の独白は続き、どうしても趙白石と結婚したいがために酒に媚薬を盛って”既成事実”を作ったことも告白します。
「そうして結婚できたものの、結局あなたの心は周瑩から離れることはなく、あなたは彼女のために師匠と決別までした。だから私は憎しみを抑えきれず……封筒を置いてしまった」
そんな自分を永遠に許せないけれど、あなたを愛したことは後悔していない。
呉漪はそこまで話した後、倒れてしまいます。
独白をずっと聞いていた趙白石は、呉漪が倒れた気配を感じて書斎を出ました。
趙白石は倒れた彼女を抱きかかえ、そして言うのです。
「それほど想ってくれていたとは。すべての原因が私にあるのなら、一緒に償おう」と。
【月に咲く花の如く】あらすじネタバレ62話
養子選び
周瑩は、呉家を出ていくことを奥様に伝えます。
すると「その前に跡継ぎの養子をとってほしい」と言われました。
周瑩は承諾し、呉家の孫の世代から誰かひとりを養子に選ぶことに。
♦養子の候補♦
呉家西院……玉勝、玉同
呉家中院……玉林、玉進、玉成
西院も中院もうちから選ばれてほしいと願うあまり、両院どうしで牽制しあったり、孫たちに厳しい教育をし始めます。
子どもたち当人も東院の養子になりたいと望んでいるようですが、最年少の玉成だけは違いました。
「僕はごめんだ。今でさえ多くの大人に見張られているのに、東院の人まで加わったら生きた心地がしないよ」
4~6歳の玉成にとっては親と離れる寂しさもあるようで、ゆえに養子には選ばれたくないと思っているのです。
故人の思いを引き継いで生きるということ
誰を養子にするかは、腕比べをした結果を見て周瑩が決めることになりました。
腕比べの当日。
子どもたちに最初に出されたお題は、“商いの道”について作文を書くことでした。
それぞれが知識をふりしぼって書く中、まだ幼い玉成は、家族と木の絵を書いて提出。
次のお題は、江福祺からの計算問題です。
江が鶏を8両で買い、最終的にいくら儲けたかという問題。
玉成の答えは「江さん、君はおしまいだ」でした。
(鶏に8両も払うなんてありえない。雇い主に知られればクビになるとのこと)
最後のお題は、5人それぞれに銀20両を渡し、どれだけ有効な使い方ができるかをテストします。
商才を発揮する子、損得よりも周瑩を喜ばせようとする子、自分の欲しいおもちゃを買ってくる子。
さまざまな子がいる中で、玉成は手ぶらで帰ってきました。
なぜなら彼は、他の子に5両ずつ渡して、僕の代わりに使ってくれとお願いしていたからです。
周瑩は、この年齢で人を使うという発想を持つ玉成を高く評価し、玉成を養子に選びました。
ところが、選ばれた玉成は泣き出してしまいます。
周瑩が「“懐先“に改名しましょう」と言うと、さらに大泣き……。
その後周瑩は、東院にある関羽像の前に懐先を連れていき、商いとは「信と誠」であると教えます。
かつて、義父の蔚文が周瑩に教えてくれた時のように……。
【月に咲く花の如く】感想61話
周瑩は、今まで見た中で一番元気がありませんでした……。
2度も愛する人を亡くしてしまったのだから、あれほど無気力になってしまうのも無理はありません。
周瑩は、今までずっと星移の気持ちに応えてこなかったために、後悔の念も強いのでしょう。
今回の61話を見ていると、本当に星移は亡くなったのかもしれないという気もしましたが、でもやはり生きていると思います。
なぜなら、2番目にキャスティングされている星移の死が、あんなにあっさり(しかも人伝いに聞いただけ)なはずが無い!
星移の再登場に期待しましょう。
また、呉漪の積年の思いが、独白を通して伝わってくる回でもありました。
“封筒”で周瑩を窮地に追いやったことや、趙白石と結婚するために“既成事実”を作ったことは、決して良いこととは言えません。
けれど、呉漪が自分の行動を心から悔やんでいることは伝わりましたし、当人の趙白石が許すというならそれで良いのではないでしょうか。
きっとこれから2人は、ホンモノの夫婦になっていく気がします。
【月に咲く花の如く】感想62話
53話を過ぎたあたりから、ずっとシリアスだった【月に咲く花の如く】。
気丈な周瑩が完全に生気を失いどうなることかと思いましたが、今回は子供たちのおかげでドラマが明るくなりました。
周瑩も、子供たちを見ているうちに少しだけ心を取り戻したように思えます。
4~6歳であろう玉成が「今でさえ多くの大人たちに見張られているのに、さらに増えるだなんて生きた心地しないよ」と言うのには笑ってしまいました。
小生意気だけどかわいくて、このセリフを聞いた瞬間、きっと玉成が養子に選ばれるだろうと思いました。
玉成の、枠にとらわれない型破りな言動は、かつての周瑩や周老四の姿と重なります。
それから、星移とも……。
だから周瑩は、玉成を養子に選んだのでしょうね。
また、母となった周瑩が、玉成に「信と誠」を教えるシーンは涙腺が緩みました。
これは、商いを学ぶことになった周瑩が、義父の蔚文から最初に教わったことなのです。
周瑩が亡くなった人たちの思いを引き継ぎながら生きているのだということが分かる一幕でした。
※次回63話・64話のネタバレ感想はこちらです。
キャスト相関図はこちら