両親に大切なことを伝えるため、1700年代にタイムトラベルしたブリアナがついにジェイミーと親子の対面を果たしクレアとも再会。
その一方で、ロジャーはすぐ近くに居るにも関わらず、ボネットに脅され強制的に船に乗せられてしまい離ればなれに……。
シーズン4第9話あらすじ
ブリアナは、心に負った深い傷を隠しリジーの前では強く見せていました。
翌朝、ブリアナは宿の主人からロジャーが再び船に乗って行ったことを知らされ、急いで船着き場に向かいましたが、そこにはもロジャーの姿も船もなかったのです。
ロジャーは現代に戻った。そう思うと寂しさと安堵感が彼女の心を埋め尽くします。その時、リジーが近くに居たスコットランド人から「ある劇場で外科医だという女性が手術をした」という情報を入手してきたのです。
また、女医の夫がフレイザーであること、それが昨日のことであることも分かり、ブリアナは目に涙を浮かべます。”フレイザー”が近くに居ると知ったブリアナは、すぐにジェイミーがいる場所に向かったのです。
ジェイミーを前にしたブリアナは、あなたはジェイミー・フレイザーかと尋ねるとジェイミーの足が止まります。自分に何か託でもあるのかというジェイミーにブリアナは答えたのです。
「私はブリアナ。あなたの娘」
ドラマ『アウトランダー』シーズン4第9話から引用
シーズン4第9話の考察と解説
ジェイミーとブリアナの対面シーンは号泣必須!
ブリアナがジェイミーに娘だと告白した時、ジェイミーの時が止まりました。一瞬、間があいたと思いきや、ジェイミーの目には涙が……。
ジェイミーの中でのブリアナはずっと子供のままだったと、立派に成長したブリアナになんとも言えない思いが溢れだしたのでしょう。
「会えるはずのない、俺の娘」
ドラマ『アウトランダー』シーズン4第9話から引用
この言葉は、胸にきゅんときました。違う時代に生きるジェイミーにとって、クレアを現代に戻した時から我が子には会えないと思っていましたから。
ブリアナが来てくれたことは、ジェイミーにとって心の底から嬉しいことであり、その思いはジェイミーの表情から犇々と伝わってきました。
名前を言われたときの険しい顔から、一瞬にして優しく愛情あふれる父親の顔になったジェイミー。このシーンは涙なしには見られません。
また、ブリアナからポロリと流れる涙……。本当の父親に会えた喜びは、フランクとはまた違った感情を抱いたはずです。
ロジャーは一体どこへ?
ボネットは、船員が足りないからとロジャーに言いますが、ロジャーはブリアナと出会えたことですし、目的は達成できたからその場に残ると言います。
ロジャーの目的はウィルミントンですが、ボネットは目的地であるフィラデルフィアの途中にウィルイントンに寄ると言うのです。
簡単に言ってしまえば、ボネットはロジャーを船員として船に乗せたので、目的地のフィラデルフィアまで行けということなのです。
ロジャーは、ウィルミントンでおろしてもらうつもりが、フィラデルフィアまで連れて行かれることになってしまいました。ボネットは、どこまで卑怯な男なのかと思い知らされます。
これで、ジェイミ、クレア、ブリアナ、ロジャーのすべてがボネットと関わり合うことになりました。関わり合いたくない相手ですが、彼はまだ物語に浸食してきそうな予感がします。
ブリアナがボネットという男を知る
フレイザーズリッジに向かう船の上で、ブリアナはヤングイアンの話から自分を辱めた男の名がスティーブン・ボネットであることを知りました。
決定的だったのは、”クレアの結婚指輪を奴が盗んだ”という言葉で、ブリアナ自身ボネットが危険な男だと察したようですね。
母たちも知っている男ボネット。ブリアナは、自分に起きた事をクレアに話す日が来るのか……。
ブリアナがボネットから受けた事をジェイミーが知ったら、ボネットを生かしておくはずがありません。
ジェイミーたちもブリアナもロジャーも、全員がこんなに小さな町にいるのに手が届かないと言うむず痒さ。
ストーリーを楽しむ上での演出だと思っていても、居ても立っても居られない気持ちになります。
フランクはクレアが過去に戻ると知っていた!?
フランクは生前、クレアの元を離れ別の場所で恋人と暮らす選択をしました。
クレアを愛し続けたフランクのイメージから想像できませんでしたが、ただ単に”クレアの心ここにあらず”に耐えられなかったからだと思っていました。
ところが、ブリアナの言葉で彼はずっとクレアを愛し、傷ついていたことが分かります。ブリアナの持ってきた過去の新聞に”ジェイミーとクレアが、フレイザーズリッジの火事により亡くなる”という記事がありました。
その時代は1700年代。この時点でフランクは、クレアが再び過去に戻ると確信していたからでしょう。どんなに愛しても、クレアはあの時代に戻ってしまう……。
いつだってクレアは、フランクを見ていても瞳の奥でジェイミーを追っていた。そして極めつけにその記事とあらば、フランクの絶望感は計り知れません。
ブリアナ、そしてロジャーに新たな悲劇!?
なんと、ブリアナが妊娠していることが発覚しました。しかし、お腹の子がロジャーの子なのか、ボネットの子なのか分からない状態。
ブリアナに言わせると、ロジャーは気を付けていたとのことですが、ほんの少しでもロジャーの子であればという望みを消すことは出来ません。また、ロジャーも船員の務めを終えフレイザーズリッジにやってきました。
ところが、ブリアナに乱暴した男がロジャーだと勘違いしていたリジーは、ジェイミーとイアンに「あの男がブリアナに乱暴した男だ」と言ってしまいます。
ジェイミーは、リジーの話を鵜呑みにしロジャーを滅多打ちにして、イアンに山に捨てるよう指示したりと、かなり危険な状態です。
たったひとつの勘違いで、みんなを巻き込みながら悲劇へと発展していくストーリーに目が釘付けです。
シーズン4第9話を観た感想
ブリアナは”ブリー”という愛称で呼ばれていますが、ブリーというのはゲール語で”大騒動”を意味するようです。それに気づいたのは、ジェイミーとヤングイアンとマータフ。
ゲール語では、ちょっとおかしい呼び名ですが、現代から来たことを思えば”大騒動”に間違いありませんね。しかし、彼女の大騒動はきっとこれで終わりではないでしょう。
頭がよく現代的な女性なので、クレア以上に問題を起こすかもしれませんね。ジェイミーとブリアナの親子の時間が、思いのほか長く描かれています。
出会いの時はもちろん、ふたりで狩りに行った時も、木々に囲まれた静かな時間を共有する親子のシーンは幸せな時を刻んでいました。しかし、嵐の前の静けさという言葉の通り、今回はロジャーを滅多打ちにするという悲劇で幕を下ろします。
ブリアナからしてみれば、ロジャーと再会するチャンスを奪われたと思うはずですし、何より滅多打ちにされたことを許すはずもなく……。
まだまだ”大騒動”が続きそうです。前回といい今回といい、ジェイミーと彼の子供との関わりが描かれました。
まさかロジャーがフレイザーリッジに来ているとはブリアナも予想だにしていなかったことでしょう。しかも、妊娠までしているとなると、まさに予想外の展開ですね。あのまま捨てられてしまったらロジャーの命は……?