【武則天-The Empress-】27話・28話。
陛下は、「皇太子は男色だ」と噂する者たちを黙らせるため、皇太子に称心を殺すよう命じました。
一方で、徐慧は闇落ちして武媚娘の敵になってしまう!?
この記事ではネタバレ感想をお届けします。
【武則天-The Empress-】ネタバレ27話
称心の心づかい
皇太子は、承訓(幼なじみ)の夢を見てうなされていました。
称心が駆けつけると、皇太子は称心のことを「承訓」と呼び錯乱している様子。
正気に戻った皇太子は、気分転換をするために称心を外へ誘いました。
称心は、宮中で飛び交う“皇太子と称心が男色にふけっている”という噂を気にして故郷に帰ると言います。
自分の存在は、敵が皇太子を陥れる絶好のエサになってしまうからと。
称心の去る決意を聞いた皇太子は、数日中に宮中を出られるよう手配すると約束しました。
徐慧の闇落ち
予言を使って皇太子を廃そうと目論んでいた李泰は、予言がうやむやになってしまい腹の虫がおさまりません。
李泰は武媚娘のことも侮れないと気づいたようで、武媚娘と親しい者を懐柔する作戦に出ます。
目をつけられたのは徐慧でした。
李泰は徐慧の前に現れると、「武媚娘がいる限り、あなたの存在は透明なままだ」と言って武媚娘との友情を引き裂こうとします。
冷たくあしらう徐慧。
そんな彼女に、李泰は「もしも力が欲しいときには部下を訪ねるように」と言い残してその場を去りました。
その後。
徐慧は暗い部屋で思いつめていました。
日に日に増していく武媚娘への嫉妬。
これまでは、友情と嫉妬の狭間で苦しみながらも何とか友情が勝っていたけれど、それが今崩れようとしていました。
「私はあなた(武媚娘)の影ではないし身代わりでもない。
あなたの施しなんていらない」
徐慧はそう呟くと、義姉妹の証である武媚娘からもらった腕輪を、たたき割って腕から外したのです。
そうして闇落ちしてしまった徐慧は、李泰と手を組むことを決意し彼の部下を訪ねました。
宮中の噂
陛下は「皇太子が称心と男色にふけっている」と書かれた訴え状を皇太子に見せます。
陛下は訴え状の内容を信じていませんが、宮中で噂する者たちを黙らせるには称心を殺すしかないと皇太子を諭すのでした。
【武則天-The Empress-】ネタバレ28話
称心の最後の願い
陛下に称心を殺すよう命じられた皇太子は、称心と狩りに出かけて背後から弓矢を向けました。
振り返った称心は、すべてを悟ったのか皇太子に微笑みを向けます。
結局その日皇太子は、称心を殺すことができませんでした。
宮殿に戻ると、師の魏徴からも称心を殺すように言われてしまいます。
ある晩、皇太子は(今度こそは殺さなくてはと)意を決して称心の部屋を訪れました。
己の存在が皇太子の足かせになっていると承知の称心は、死を受け入れる心づもりで皇太子と向き合います。
「苦しみは察していますゆえ、私はただ定めに従います」と言う称心。
酒を飲み始めた皇太子を見て、称心はさらに言葉を続けました。
「殿下と酒を飲みかわすのは好きでしたが、最期の別れのときは飲まずにいてほしい」
外に出た2人は、改めて別れの言葉を口にします。
目を閉じて斬られるのを待つ称心。
皇太子が剣を振りかざした直後、称心の持っていた提灯が下に転げ落ちるのです。
翌日。
皇太子は称心の首を持って陛下に献上しました。
陛下は生首を一瞬だけ見て「よくやった」と褒めるのでした。
賊軍との戦い
【北の賊軍と唐の関係】
・北方の賊軍と唐は相容れないため、戦は免れない
・賊軍に勝利して北を得ることが陛下の悲願
・こたびの北への出陣は、陛下が自ら指揮を執る
第9皇子の稚奴は、武媚娘に“孫子兵法”を渡しました。
賊軍と戦う陛下を支えるために兵法書を読んでみたものの、まだ完全には理解できていないから、武媚娘が読んだら気づいたことを色々と教えてほしいと言うのです。
その後。
武媚娘が承慶殿で北の地図を眺めていると、陛下が現れました。
武媚娘は「北方の戦場に連れていってほしい」と陛下に頼むも断られてしまいます。
蕭薔の恐怖
妊娠中の蕭薔は、庭で韋貴妃と侍女が話している内容を聞いてしまいます。
「蕭薔を大量出血で死なせて、赤子を自分の子として育てるわ」
韋貴妃の寝殿から一歩も出てはいけないと言われている蕭薔は、誰にも助けを求めることができず恐怖に陥ります。
そんな中、宴に参加できることになった蕭薔は、同時期に入宮した友人2人に助けを求めることに。
ところが……。
宴の当日、蕭薔は友人たちが自分の悪口を言っているのを聞いてしまい!?
【武則天-The Empress-】感想27話
てっきり、陛下は徐慧のことを気に入ったものだと思っていましたが、どうやら寵愛したフリをしていただけのようです。
武媚娘を守るために。
徐慧は陛下のことを心から慕っているからこそ、陛下の気持ちも敏感に察してしまうのでしょう。
陛下が本気で寵愛しているのは武媚娘だけだと。
「武媚娘さえいなければ陛下と幸せになれる」という考えに憑りつかれてしまった徐慧は、ついに闇落ちをしてしまいました。
話数が進むにつれて徐々に表情が曇っていく様が見事で、1話のときと比べると徐慧は別人のようです。
闇落ちをしてしまいましたが、またいつかは友情を取り戻してほしい……。
一方、皇太子と称心の行く末も気になるところです。
おそらく、皇太子が称心に執着しているのは、夢にでてきた幼なじみと称心を重ねているからではないかと思います。
【武則天-The Empress-】感想28話
今回は皇太子と称心のやり取りに泣かされました!
称心は理解者というだけあって、皇太子の心中をすべて察したうえで己の定め(皇太子のために死ぬこと)を受け入れているようです。
皇太子に矢を向けられたときの、称心の微笑みが印象的でした。
「最後の別れのときには飲まずにいてほしい」という言葉にも涙……。
きっと称心は立場上、これまで皇太子に何かをお願いしたことなんてなかったと思うのです。
そんな彼が最後にお願いしたことが、飲まずにいてほしい。
それは言い換えれば、ありのままの皇太子に最期を見届けてもらいたいという意味にも取れます。
大切な瞬間は相手にシラフでいてほしいという願いは、男女共通のものなのかもしれませんね。
皇太子は称心の首を陛下に献上しましたが、あれは本物なのか……。
あれは偽物の首で、どこかで称心が生きていてほしいと願わずにはいられません。
※次回29話・30話のネタバレ感想はこちらになります。
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