20歳の年に、一生に一度だけ受けられる”プロセス”の試験。脱落すれば一生スラム街で貧困生活、合格すれば”島”で一生を裕福に過ごせる。そんな”プロセス”に参加する者たちが今年も大勢いました。最後まで勝ち残り、”島”に移住できるのは誰なのか!? ラストまで気が抜けない『3%』の見どころとネタバレ感想をお届けします。
『3%』シーズン1のあらすじ
舞台となるブラジルでは、貧困な世界と裕福な世界に二分化されていました。
貧困な世界・スラム街に住む人々は、裕福な“島”に移住したいと誰もが願っています。そんなブラジルでは、今年もいつものように“プロセス”が開催されました。
“プロセス”とは、年に1度開かれる試験で、スラム街の住人が”島”に移住できる唯一の方法です。しかしプロセスを受けることができるのは、20歳の年に1度のみ。
しかも、合格して島に移住できるのは、わずか”3%”の選ばれし者だけなのです。今年度のプロセスに参加するため、多くのスラム住人が試験会場に向かっていました。
その中でも”絶対に合格する”と、ひときわ強い意志を抱くのは主人公のミシェル。ミシェルは、兄が死亡したのは前年度のプロセスのせいだと思っており、プロセスの運営者たちに復讐しようと企んでいるのです。
そのため、プロセスを潰そうと目論むコーダ(組織)の一員となったのちに、プロセスに参加しました。いざ始まった面接は、難なく通過。
しかしミシェルは、プロセスの運営者に呼び出され「コーダの一員ではないか?」と疑われてしまいます。果たして、主人公のミシェルは兄の復讐を成し遂げることができるのでしょうか!?
『3%』シーズン1の見どころ
勝ち残りゲームが面白い
“プロセス”で脱落すれば一生スラム街、合格すれば天国のような“島”で一生裕福な生活が送れます。それゆえに、参加者たちは誰しも命がけで試験に挑むのですが、その場景はまさに勝ち残りゲーム。まずは面接から始まり、人によってはこの段階で失格になってしまうことも。
また、”島”の魅力に取り憑かれるあまり、本来は人生で1度しか受けられないプロセスを不正して受ける人間もいます。
厳しい面接を通過したあと、待ち受けているのはさまざまな関門。立方体ゲームや、通貨ゲーム、推理ゲームといった試験が次々に行われ、勝ち残った者だけが次のステージに進めます。
主要人物であっても、その人がいつまで生き残れるかは視聴者も分かりません。推しキャラが失格にならないことを願いましょう(笑)
各試験(ゲーム)にはハッキリとした”正解”はなく、参加者たちがどうクリアするかは、それぞれの人間性によって異なります。
頭脳だけでクリアするのではなく、判断力や分析力やカリスマ性といった総合的な力が求められるので、見ごたえも十分です。
主人公ミシェルの本当の目的は!?
本作の最大の見どころは”試験”ですが、”プロセス”を運営する人たちの裏側も見逃せません。
プロセスを運営している人たちは、すべて”島”の人間です。
プロセスの総管理人であるエゼキエルは、島を潰そうと目論む“コーダ”という組織の存在を邪魔に思っています。
“コーダ”の本当の狙いはシーズン1では明らかにされていないのですが、注目ポイントは、主人公のミシェルがコーダの一員であるという点。
他の参加者たちが”島”への移住のために合格をもぎ取ろうとしている中、ミシェルだけは別の目的を持って動いているのです。ミシェルが目的のためにどのような行動に出るのか、ハラハラして最後まで目が離せません。
人間の本質が浮き彫りに
プロセス参加者の誰もが”絶対に合格したい”と強く願っており、ゆえに試験を突破するためには手段を問わない人も出てきます。特に4話では、食料も水もない場所に閉じ込められ、人間の本質がこれでもかと言うほど浮き彫りに。
人間は、極限の状況に陥ってこそ本質が見えてくるものです。それまで良心的だったリーダー的な存在・マルコも、4話の試験では暴力で人を支配するようになります。
そんな中、極限に陥っても良心を失わない人、勢力を見極めて誰の下につくかを考える人。さまざまな人がいる中で、もし自分ならどうするかと考えずにはいられない。そんな4話の試験は必見です。
『3%』シーズン1のネタバレ感想
“島”は本当に良いところなのか?
“島”は、誰もが平等で裕福という天国のような場所。しかし島全体の質を保つためには、島の人間は優秀である必要があり、”プロセス”はそんな島の人材を選別するためのものでもあります。
初めは、平等をうたう”島”に良いイメージを抱いていましたが、ドラマが進むにつれて多くの疑念が生まれてきました。
最初に”あれ?”と思ったのは、1話の試験で不正をしたラファエロが合格になったとき。面接官たちは彼の不正を見ていたはずなのに合格させたのです。
「優秀な人材を選別するための試験」だと言っていたけれど、倫理は軽視しているのか?という疑念が頭をよぎりました。もしそうだとするなら、”島”は能力だけがすば抜けた人たちの集まり。
倫理よりも能力が優先される島で、人々は本当に幸せな暮らしを満喫できているのでしょうか?そして最終話で、疑念がさらに深まりました。
すべての試験をクリアし、ついにプロセスに合格した人間たちは、島に移住する前に不妊ワクチンを打つことを強制されます。ワクチンを打つということは、一生子供を持てないということ。
おそらく、島の住人の質を下げないために、子供を作ることは禁止されているのでしょう。(生まれた子供が優秀だとは限らないから)今になって思えば、島の人間たちの腕にはみんな注射を打った痕がありました。
最終話のための伏線だったのだろうと思うと感心しきりです。注射痕の伏線からも、本作が行き当たりばったりの制作ではなく、事前に練られた内容であることが窺えます。
ラファエロの動揺
不妊ワクチンの話を聞いて、激しく動揺するラファエロの姿が印象的でした。というのも、ラファエロがプロセスを受けた動機は”未来の自分の子供“に貧しい思いをさせたくないから。
彼はその動機のために、これまでの試験でさまざまな手を使って他人を蹴落とし、時には残酷なこともして、なりふり構わず”合格”への道へと進んできました。
未来の自分の子供のために。
それなのに、まさか一生子供を作れない規則があるだなんて、ラファエロのやり切れなさはかなり大きいものだったはずです。
このように、良い場所なのか悪い場所なのか、得体の知れない島。実際は一体どんな場所なのでしょう。
おそらくシーズン2では、合格者たちが”島”に移住したあとの話も描かれるはずなので、そのあたりを注視したいと思います。
推しキャラが失格。でもシーズン2で再登場!?
各試験(ゲーム)はどれも楽しく視聴でき、誰が勝ち残るのか分からない緊張感を最後まで保てました。
個人的に推していたキャラが最終話で脱落してしまったときはショックでしたが、どうやらシーズン2では、脱落した人たちがまた登場するとのこと。
- 合格した人たちの”島”での暮らしぶり
- 脱落した人たちの”プロセス廃止運動”の模様
シーズン2では、上記の内容が同時に描かれるようです。ますます面白くなりそうですね!