ドラマ【スノーピアサー】ネタバレと見どころ。本作は2014年に公開されたポン・ジュノ監督による映画【スノーピアサー】をドラマ化したシリーズ作品。戦争等によって地球温暖化が加速し、科学者たちの手により地球を冷やす計画が実行されたものの、その影響により氷河期に入ってしまった世界が舞台。マイナス130度以下にもなる地球で絶滅していく生物たち、僅かな人間が生き残るため世界中を止まることなく走り続ける列車の中の物語です。
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【スノーピアサー】
2019年公開の映画【パラサイト 半地下の家族】で、アカデミー賞作品賞を受賞したポン・ジュノ監督が製作総指揮を務め、2020年5月にアメリカで放送を開始したテレビドラマシリーズ。
アメリカ・中国以外は2020年5月25日からNetflixで配信されました。
原題の【Snowpiercer】は、snowは雪 piercerはさく孔機械で、雪を貫いて走る列車という意味があるのでしょう。
主演は子役の頃からアメリカで愛され続けるの大女優ジェニファー・コネリー。
アカデミー賞、ゴールデングローブ賞等で数多くの賞を受賞しアメリカの有名雑誌ピープル誌では「世界で最も美しい50人」に選ばれています。
そしてもうひとり注目すべき人物は、ラッパーで俳優のダヴィード・ディグス。
ミュージカル映画【ハミルトン】(2020)でトニー賞ベスト助演男優賞受賞を受賞し、各国映画祭などで絶賛された映画【ブラインドスポッティング】(2018)に脚本・出演されるなど多才の持ち主です。
【スノーピアサー】あらすじ
始まりは地球温暖化。
否定論者と戦争によって一気に加速した温暖化の影響で氷が溶けだし、生物が急激に減少します。
そこで科学者たちは地球を冷やす計画を実行しましたが、逆に地球は芯まで氷ついてしまいました。
億万長者のウィルフォード氏は、氷河期の地球に耐える為の1001の車両が連なる巨大列車「スノーピアサー」を開発。
地球が完全に凍り付く前に、富裕層はこの列車の乗車チケットを購入し出発しようとしていました。
一方で、チケットの購入が出来ない一般人は、取り残される寸前にスノーピアサー押し寄せ、銃で攻撃を受けながらも無理やり最後方の車両に乗り込んだのです。
列車は地球を回り続け6年と9ヵ月が経過。
【スノーピアサー】は、列車内で起こる富裕層と一般人の戦い、自然の狂気との戦いを描いています。
【スノーピアサー】見どころ・ネタバレ
富裕層と一般人の戦い
列車の中は、農場に学校・市場など様々な施設が存在する街のようになっており、住居空間は1等から3等クラス(車両)で成り立っています。
高い乗車券を購入した富裕層は厳重な警備の下、豪華な食事と贅沢な環境で豊かに暮らしており、暇を持て余せばイベント等が開催されるなど何不自由なく過ごしていました。
2等車両は車内で仕事をしている中でも優秀な者が住み、3等車両は列車を運行する為に働く一般人が住んでおり、食べるには困らない程度でそれなりに楽しく過ごしています。
後方車両には、一般人にも選ばれずチケットも購入していない、無賃乗車で無理やり乗り込んできた最後尾の人たち(総称「テイリー」)が住んでいます(閉じ込められている)。
そこは窓もなく光もない場所で食事もままならず、最後尾から移動する事は出来ません。
さらに、問題を起こせば殺されたり罰を与えられたりするなど人道的扱いは皆無でした。
閉じ込められたテイリーは、何とか脱出し前の車両へ行こうと暴動を起こすも数度に渡り失敗。
何十人もの人々が殺され、首謀者は利き腕を列車の外に出されて凍り付いたところを割られるという罰を受けました。
そんなある日、テイリーのレイトン・ウェル(ダヴィード・ディグス)が、3等車で起こった連続殺人事件の捜査を依頼され前の車両へ連れて行かれます。
レイトンは捜査中に前の車両の情報を集めてテイリーに伝え、3等車の人々や列車の設計士を味方につけ革命を起こします。
テイリーは、武装した警備員たちをレールの分岐を利用して列車ごと切り離したり、ナイフや槍で戦った末、ようやく富裕層に勝ち列車を手に入れることができました。
自然の驚異の前に崩れる食物連鎖
列車内には様々な家畜・植物・海の魚など食料となるものを育てています。
外はマイナス130度以下にも下がっている日もあり氷漬けの世界で、列車は地球を回り続ける限り稼働するエンジン(エターナル)によって走り続けています。
また、山の近くや麓を走るのは特に危険で、気温が最大に下がると雪崩などに合ってしまうことも。
それに耐えながらも約7年近く走ってきましたが、ある山を通り抜ける際に雪崩が列車を襲います。
脱線しそうな程の大揺れに見舞われその時、牛舎で作業員が転倒し窓ガラスが割れてしまいました。
そこから一気に冷気が吹き込み、作業員も牛もすべて一瞬にして凍り付いてしまいます。
牛はその時点で地球から絶滅。
牛によってもたらされていたメタンガスの熱量、たい肥、牛そのものを食べること全てが一瞬にして失われてしまったのです。
ウィルフォードという人物
ウィルフォードは先見の明があり、氷河期を予測して生き残る為の手段として永遠に稼働する列車のエンジンを開発しました。
人類を救った偉大な人物で、列車内のことは全てウィルフォードの指示によって運行されています。
列車内では、客室係メラニー・カヴィル(ジェニファー・コネリー)の朝の放送によって1日が始まります。
メラニーは全ての出来事を把握し、何かあればウィルフォードと乗客の間に立ち、ウィルフォードの言葉を乗客に伝えていました。
なお、何事も全てメラニーを通さなくてはなりません。
しかし、列車が発車してから一度も姿を見せないウィルフォードの存在に疑問をもった一部の富裕層と客室係の同僚、警備主任は、真実を明らかにしようとします。
そして、ウィルフォードは発車直後から列車内には存在しておらず、全てはメラニーと機関士たちにより作り上げられたウィルフォードによって列車は動かされていたことが発覚。
メラニーを吊し上げ、自分たちが列車を支配しようと考える警備主任たちによって、メラニーは死刑にされそうになります。
しかし、メラニーの証言によるとウィルフォードという人物はただのペテン師。
チケットを売さばき、自分が楽しく過ごすことしか考えていない人物で、実際にスノーピアサーを設計したのはメラニーでした。
ウィルフォードはメラニーの功績を奪った挙句、列車を走り続けさせることは何ひとつ考えていなかったため、メラニーにより列車外に放り出されていたのです。
【スノーピアサー】の感想
始めは熱くなりすぎたから冷やそうとしたら氷河期になったとか、永久稼働のエンジン、世界中に張り巡らされた線路など、無理やり過ぎる設定のような気がしました。
しかし、大女優ジェニファー・コネリーの登場で一気に目を引かれ見入ってしまいました。
また、レイトンが約7年ぶりに口にしたトマトースープとパンを見つめながら食べるダヴィードの演技が印象的で感動すら覚えました。
列車の中の食べ物の作られる様子や、維持するための食物連鎖もよく考えられていて面白かったです。
戦闘シーンでは銃攻撃もあるのですが、どちらかというとナイフや槍が中心の殺し合いなので血みどろになります。
そして、何より拷問や罰を与えられた際、腕を凍らされたり指を凍らされたりして目の前で砕くというシーンには恐怖を感じました。
内容的には虐げられた人たちが反乱を起こすという話ですが、チケットも持たず無賃乗車したあげくに列車を強奪するというテイリー側に、正しさは微塵も感じませんでした。
富裕層はそれなりの金銭を投資して列車の製作にもお金を出し、そのうえ高いチケットを購入して乗車しています。
2等車両・3等車両の人々は、チケットの代わりに労働で支払うことで乗車。
確かに選ばれなかった人・お金のない人は死ぬしかないのかと思いましたが、あくまでも個人経営陣が作った列車なので勝手に乗り込んで略奪する側の味方は出来ませんでした。
ただ、メラニーが死刑寸前で助けてくれたレイトンの味方になったので、この先どのような展開になるか楽しみでもあります。
また、メラニーには娘がいましたが列車に乗っていません。
メラニーには娘がいますが、列車に乗っていると思っていたら実際乗っていませんでした。
「亡くなってしまった」と、メラニーは娘を失った悲しみを抱えています。
ところが、最終話で994車両になったスノーピアサーに、スノーピアサーの原型となった列車「ビックアリス」が近づいてきます。
そしてビックアリスはスノーピアサーの後方に接続。
女の子が乗り込こんできて「ウィルフォードさんはこの列車を掌握した、13分以内に平和的降伏に合意しないと寒さで全員凍死することになる」と話します。
その女の子が、亡くなったと思われていたメラニーの娘アレクサンドラ・カヴィルでした。
ウィルフォードの再来を恐れ、切り離しの為に外に放り出されていたメラニー。
止まった列車と共に立ち尽くす姿でシーズン1が終了しました。
シーズン2はコロナ拡大の影響前に撮影が終わっていたので、既に英語版のティーザー予告映像は公開され、新キャストも一部発表済です。
これからスノーピアサー内でのさらなるカースト、生き残りをかけての戦い、映画とはまた少し違うストーリーに期待がかかります。