【CAMELOT/キャメロット】あらすじとキャスト。中世の騎士物語アーサー王伝説には様々な視点から描かれたものも多く、それぞれ脚色の仕方も違います。今回ご紹介する【CAMELOT~禁断の王城~】では、アーサーとグィネヴィアとの禁断の愛や異母姉モーガンの陰謀をベースに伝説とは少し違う形で描かれています。
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【CAMELOT/キャメロット】あらすじ
キャメロットを治めていたウーサー王の元に、尼僧院に送られていた娘モーガンが戻って来た。
ウーサー王は「娘などいない」とモーガンの頬を殴り、彼女を城から追い出したのだ。
その直後、ウーサーは少女に姿を変えたモーガンに毒を盛られ息絶えた。
モーガンは、王位に就くのは唯一の血筋である自分と確信していた。
しかし実は、ウーサーと王妃イグレーヌの間にはアーサーという息子がいた。
それを知ったモーガンは、アーサーから王位を奪う計画を企てたのだ。
アーサーは生まれて間もなく、マーリンによってエクトル卿夫婦に預けられていた。
エクトル卿夫妻はアーサーを実の子のように愛し育て、実子のケイと共にあらゆる知識を学ばせていた。(ケイとアーサーとは乳兄弟)
そして、ウーサー死亡と同時にマーリンはキャメロットの王にするべくアーサーを迎えに行き、アーサーの希望でケイも騎士として同行する。
3人が向かった先は、キャメロットにあるキャメロン城。
そこは断崖絶壁ギリギリに立てられた重厚感ある城だったが、草や蔓が生い茂る「廃墟」と化していた。
マーリンは、戸惑うアーサーとケイに「ここで未来を開く」とニヤリと笑みを浮かべたのだ。
さらにキャメロット城には、アーサーに亡きウーサーと同じ忠誠を誓う騎士たちが待っていたのである。
後に彼らは円卓の騎士と呼ばれるようになる。
【CAMELOT/キャメロット】キャラクター詳細
アーサー・ペンドラゴン役/ジェイミー・キャンベル・バウアー
アーサーは出生直後にエクター夫妻に預けられたが、そのことはウーサー王が逝去するまで伏せられていた。
アーサーがイグレーヌ王妃から引き離されたのは、ウーサーの顔をコーンウォール公に変える代償としてマーリンが求めたもの。
自分の素性を知る前は女性関係がハデだったが、王位に就いた直後グィネヴィアと出会い本気で愛するようになる。
グィネヴィアは円卓の騎士のひとりであるレオンテスの婚約者だった。
グィネヴィアとレオンテスの結婚式の当日、たった1度だけの約束でグィネヴィアを関係をもってしまう。
その後、グィネヴィアに対する思いを押し殺していたものの、いつも彼女の姿を追っていた。
王位に就いたものの、異母姉のモーガンの陰謀に翻弄され国民の信用を失いつつあった。
初めはモーガンを慕っていたが、彼女の本性に気づいた後はモーガンを守ることも、ペンドラゴンの姓を名乗ることも禁じた。
伝説のアーサーとの比較
伝説では、アーサーが「これを引き抜いたら王になれる」と台座に書かれている聖剣エクスカリバーを抜き、キャメロット城を拠点に大国を築いていったが、本作では抜いた剣(カリバーン)とエクスカリバーは別物として描かれている。
剣が刺さっていたのも台座ではなく、豪快に水が流れ落ちる滝の真ん中でケイと力を合わせて剣を手にしたと言ってもいい。
恋愛や功績に関しても様々な【アーサー王伝説】によって描かれ方がまちまちだ。
恋愛に関しては、グィネヴィアがアーサーとの結婚後に円卓の騎士ランスロットに一目惚れをし、密会を重ねたとある。
【魔術師マーリン】では、モーガンの侍女だったグィネヴィアに恋をして王妃に迎え入れた。
マーリン役/ジョセフ・ファインズ
マーリンは、暴力的なウーサーからマーリンを守るため、代償という形でアーサーをエクター夫妻に預けた。
魔術師であり助言者でもあるマーリンは、ウーサー死亡後にアーサーが王になると知っていてのこと。
マーリンは本作では魔術を封印しているが、おそらく魔術の暴走を恐れてのことだと思われる。
本作でいうエクスカリバーは、マーリンがカリバーンという剣職人に作らせたもので、彼の娘エクスカリバーの名が由来。
王の剣が出来上がったものの、職人はあまりの出来に惜しくなって剣を渡すのを拒んだ。
するとマーリンが魔術で男を火の中に吹き飛ばしてしまい死なせてしまう。(マーリンは魔術を支配できず誤って男を死なせてしまった)
それを見ていた娘が剣を持って逃げ、湖に沈めようとしたがマーリンが湖を凍らせ彼女は氷の中に閉じ込められて死亡した。
マーリンは結局、自分の意志とは正反対に人を殺めてしまったが、これは彼にとって自分自身が一番恐れていたことだろう。
その事実を伏せたまま、マーリンはアーサーに王の剣として「エクスカリバー」を渡した。
伝説と比較
アンブローズ・マーリンは、ジェフリー・オブ・モンマス著書の偽史書【ブリタニア列王史】(12世紀)に登場する魔術師で、【アーサー王伝説】には欠かせない主役級の人物。
【ブリタニア列王史】によると、マーリンはサキュバス(夢魔)がウェールズ南西部の王女を誘惑して出来た子供。
夢魔は悪魔として描かれていることが多いが、【ブリタニア列王史】では夢魔を精霊と表現している。(一部は人、一部は天使と表わされている)
しかし、ロベール・ド・ボロン著書の【メルラン】(1200)では対象的に、夢魔は悪魔として表現されている。
ウーサー王の兄オーレアンが毒殺された後、マーリンは夜空に竜の形をした星を見た。
これによりマーリンは、ウーサーが王となること、ウーサー亡き後はアーサーが王になることを予言していた。
さらに、コーンウォール公の妃イグレーヌに恋をしたウーサー王に頼まれて、魔術で彼の顔をコーンウォール公に変えた。
マーリンがウーサーの顔を変えた理由についてはウーサー王で伝えている。
モーガン・ペンドラゴン役/エヴァ・グリーン
モーガン・ペンドラゴンはウーサー王と前妻の間に産まれた娘。
ウーサーが、イグレーヌを妃として迎えた後、尼僧院に預けられたモーガンは父を奪ったイグレーヌ妃を恨んでいた。
大人になったモーガンがキャメロットに戻るも、ウーサーから「娘などいない」と殴られ、姿形を変えて父ウーサーを毒殺。
自分が王位に就くべく唯一の血縁者だと思い、ウーサーの敵ロット王を抱き込んで大国を築こうとしたが、アーサーの存在が状況を変えた。
アーサーを王と崇めながらもそれは建前で、王位を奪う計画を着々と進めている。
姿を変えることが出来るが、誰にでもなれるという訳ではなく、マーリンも危惧する「あの力」に頼り、身を滅ぼしながら闇に落ちて行く。
ウーサー王を毒殺した時は少女の姿に変えられたが、その後は「あの力」によってイグレーヌの姿に変わる術を授けられた。(本人の意思で選べない)
モーガンは、アーサーとマーリンや円卓の騎士、イグレーヌたちを晩餐に招待し、帰り際にイグレーヌを幽閉。
イグレーヌの姿になったモーガンは、キャメロン城に入り込みマーリンと関係を持った。
キャメロン城の内情を探りグィネヴィアからアーサーとの関係を聞きだすと、それをレオンテスに告げ口し王と騎士との信頼関係を崩そうとした。
アーサーに跪いていると思わせておきつつ、裏では他国の奇襲と見せかけて村や峠を襲わせた。
そして、民衆を欺いて味方につけアーサーの信頼度を落とし王位を奪おうとしただけではなく、下僕に命じてアーサーと円卓の騎士の殺害を目論む。
結果的に、すべてを奪われ孤独になるも再び「あの力」の助言でグウィヴィアに姿を変え、アーサーと一夜を共にした。
伝説と比較
モーガンは、【アーサー王伝説】ではアーサーの異母姉、魔女として描かれている。
作中ではモーガン・ペンドラゴンとあるが、実際はモルガン・ル・フェイという名で呼称は妖精モルガンで。
モーガンは、イタリアではファタ・モルガーナと呼ばれ、メッシーナ海峡に作り出した蜃気楼に惑わされた船員が、船を座礁させてしまったという伝説もある。
ジェフリー・オブ・マンモス著書の【マーリンの生涯】では、美しい歌声を持つ歌姫と呼ばれ高い知識を持つ人物とも記されている。
また、病人を治癒する力もあり、カムランの戦いで傷を負いアヴァロン島に運ばれたアーサーを治癒させた。
モーガンは美しくて愛情深い天使のような存在だったが、トマス・マロリー著書の【アーサー王の死】(15世紀)からは邪悪な魔女として描かれるようになった。