【アメリカン・ガール・ストーリー~メリーエレン1955年最高のクリスマス~】ネタバレと感想。アメリカ・フロリダ州に住む5人兄弟の真ん中のメリーエレン。それぞれ特別な才能を持つ兄弟たちと比べて、メリーエレンはちょっぴり劣等感を持っています。いつも明るく元気なメリーエレンは、自分も周りもハッピーになれる道を見つけていくハートウォーミングストーリー。
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【アメリカン・ガール・ストーリー~メリーエレン1955年最高のクリスマス】あらすじ
1955年。
アメリカフロリダ州デイトナビーチに住むメリーエレンは、母親と4人のきょうだい達と一緒にクリスマスの買い物に出掛けていました。
母親が買い物をする中、男の子の洋服売り場で見つけたズボンに履き替えたメリーエレンは、ショーウィンドウでマネキンの真似をして道行く人たちを笑わせていました。
いつも皆の注目を引くような行動をとっているメリーエレン。
というのも、姉のキャロリンはピアノ、ビバリーはダンス、兄のジョアンは成績優秀な読書家、弟のトムはドラムが得意と、誰もが飛びぬけた才能を持っているのに自分だけはなにもない、家族の誰も自分の話を聞いてくれないと思っていたのです。
そんな中、母の知り合いのコニーの息子ベンジーが、ポリオの後遺症で麻痺した足の手術を受けるため街にやってくることに。
夫を亡くし経済的に苦しいコニーのために、母はベンジーを家に泊めてあげることにしたと子ども達に話します。
そんなある日、メリーエレンは自宅を目立たせようと白いドアを赤いペンキで塗り替えてしまいます。
メリーエレンの行動に手を焼く母は、もっと有意義な方法で注目されるのが良いのでは、とメリーエレンを優しく諭しました。
人を思う心が、素晴らしい行動を起こすと教えてもらったメリーエレンは、まずはコニーとベンジーに対して何ができるか考えることにします。
夜中にドアをキレイに塗りなおそうと思いついたメリーエレンが道具を持って玄関に行くと、そこには眠れずに読書しているベンジーの姿が。
メリーエレンはベンジーと夜中のおしゃべりを楽しむ一方で、ベンジーがリハビリに戻りたいけど、医療費や交通費が工面できずにあきらめていることを知ったのです。
【アメリカン・ガール・ストーリー~メリーエレン1955年最高のクリスマス】見どころ
特技を人のために
メリーエレンは、兄弟と比べて自分には得意なことがないという劣等感を思っています。
しかし、それは本人が思っているだけで、実は気づいていないだけだったことが途中から分かってきます。
ベンジーと同じく、小さい頃ポリオにかかって隔離生活を送っていた経験があるメリーエレンは、姉妹にも会えなかった時間に絵を描いていました。
人から絵を褒められることもありましたが、メリーエレンはそれが自分の飛びぬけた才能だとは思っていなかったのです。
ある日、ベンジーのお見舞いで病院を訪れたメリーエレンは、ポリオの後遺症で入院しているたくさんの子どもたちを目にします。
彼らにクリスマスプレゼントを贈りたいと思ったメリーエレンは、ツリーを飾ったりパーティを開いたりしてはどうかと医者に提案しますが、規則違反だと却下されてしまいました。
その夜、母親に彼らを喜ばせるにはどうしたらいいか相談したメリーエレンは「耳を傾けて、何もせずに相手の声を聞くと、何が一番喜ばれるか分かるはず」と教えてもらったのです。
母のアドバイスを聞きもう一度病院を訪れたメリーエレンは、ベンジーや他の子の話に耳を傾け、クリスマスプレゼントで自分ができることを見つけます。
それは、絵を描くこと。
メリーエレンは、彼らが回復して退院したらやりたいと思う事を1人1人に描いてあげたのです。
他人の幸せが自分の幸せへ
雪を見たことがなかったメリーエレンは、ホワイトクリスマスを夢見ていました。
しかし、フロリダではその夢をかなえることは出来ません。
不憫に思った母親は、メリーエレンだけクリスマスにおじいちゃんとおばあちゃんの住むジョージアに行くことを許可します。
本物の雪を見て、更にひとりっこ気分を味わえるとメリーエレンは大喜び。
しかし、直前になってメリーエレンはジョージアへ行くことを諦めます。
その交通費をベンジーにプレゼントしてリハビリ代に充ててもらう事にしたのです。
自分の願いより、人を思う気持ちを大切にしたメリーエレン。
病院の子どもたちに送ったメリーエレンのプレゼントは大成功。
みんなを笑顔にできたメリーエレンには、最後に最高のプレゼントが待っていました。
事情を聞いたおじいちゃんとおばあちゃんが、メリーエレンに会いにやってきてくれたのです。
クーラーボックスにたくさんの雪を詰めて!
人を思うと自分も幸せになれるという事を知ったメリーエレンのクリスマスは、今までで最高のクリスマスとなったのです。
【ミニ情報】
メリーエレンがお人形に
女の子にとって、お人形遊びは世界共通の定番遊びですね。
日本ではリカちゃん人形やバービー人形が正統派ドールとして人気がありますが、アメリカでは”American Girl”というドール・ブランドが人気なのだとか。
このブランドの人気の理由のひとつは、物語と繋がっているという事です。
子供たちは、物語や歴史などのストーリーを知った上で物語から飛び出してきたかのような人形と出会います。
更に、カスタマイズすることも可能で、病気の子供たちにはその子と同じように松葉づえや車いす、補聴器などといった小道具を揃えることができます。
そんな”American Girl”のBeForeverシリーズに、メリーエレンちゃん人形も2015年に仲間入りしました。
今作は、出身地や年代などが同じことから、このお人形が元になっていると思われます。
笑顔が最高!主役のアリヴィアちゃん
メリーエレンを演じたアリヴィア・アリン・リンドは、2007年カリフォルニア州で生まれたアリヴィアちゃん。
お父さんは映画プロデューター、お母さんは女優(バーバラ・アリン・ウッズ)です。
そして、更に2人の姉(ナタリー・アリン・リンドとエミリー・アリン・リンド)も女優として活動しています。
そんな家族に囲まれ、アリヴィアが女優になるのはきっと自然の流れだったのでしょう。
まだまだ出演作品は多くはありませんが、今後が楽しみな女優の1人です。
【アメリカン・ガール・ストーリー~メリーエレン1955年最高のクリスマス】感想
メリーエレンの家族は本当に素敵な家族でした。
特にお母さんは母としても人としても最高です。
子どもたちに寄り添い、指示ではないアドバイスを送り、子どもたちが自ら気づき行動するきっかけを与えてくれる母親でした。
そして、当時のポップな服装や家具がとてもキュートで、ハッピーな空気をよりハッピーにしてくれていました。
クリスマスの話ですが、舞台がフロリダなので夏に観ても違和感がないように思えます。
ピュアな心を持つ子どもから、大人も教えられることがたくさんあると気づかされるストーリーでした。