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「海外歴史ドラマ」おすすめ10作品。圧倒的スケールで観るほどに釘づけ、あの時何があったのか?

ロマンス

海外の歴史を彩る大作ドラマは多数ありますが、中でも史実に沿ったドラマというのは心惹かれるものがあります。

特に、歴史を追いながらも描かれるロマンスは、女性にとって胸きゅんポイントのひとつ。

観るほどに世界観が変わる、あの時そこで何があったのか。

イギリスやアメリカの歴史に興味がある方には特におすすめの10作品をご紹介します。

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10位:「CAMELOT~禁断の王城~」

「キャメロット~禁断の王城~」出典:www.amazon.co.jp

作品解説

タイトルから「アーサー王伝説」をモチーフとした作品ではあるが、アーサーの側近だった魔術師マーリンを中心とした恋愛模様やマーリンの秘密などが描かれている。

また同じく「アーサー王伝説」をベースに描かれたドラマ【魔術師マーリン】とは違い、本作はマーリンの抱えている闇などダークな描写も多い。

なお、ここでは一般的に認識されている”石に刺さった剣を引きぬく”=聖剣エクスカリバーではない。

石に刺さった剣を抜くシーンはあるが、それはエクスカリバーではないからかシーンは至って簡潔に描かれている。

補足・あらすじ

マーリンは鍛冶屋に剣を作るよう依頼した。

しかし、「直接王に渡す」と手柄を独り占めしようとする鍛冶屋にマーリンが激怒し、その瞬間 魔法が暴走。

マーリンの意図に反して、鍛冶屋に火が降りかかり焼死させてしまう。

それを見た鍛冶屋の娘エクスカリバーが剣を持って船で逃げたが、マーリンは魔術を使って湖を凍らせた。

少しずつ凍り付く湖の上をマーリンはゆっくりとした足取りでエクスカリバーの元へと近づいていく。

しかし、湖はマーリンが想っていた以上の速さと広い範囲で凍り付き始めた。

殺されると思い込んだエクスカリバーは、父の遺作となった剣を手に取ると同時に湖の中に落ちてしまう。

マーリンが助けに駆け付けるも、エクスカリバーは湖が凍りつく直前に剣を水面に突き上げたまま凍ってしまった。

本作では、マーリンが魔術を使うシーンはほとんどない。

その理由は、魔力の暴走とそれによって人を傷つけてしまうことを恐れていたからだ。

エクスカリバーの父の時は、激怒した瞬間 自分の意志に反して魔力が暴走し焼死させた。

エクスカリバーの場合は、船までの水面を凍らせて歩いて近づこうとしたが、ここでもやはり魔力が暴走して湖全体を凍らせてしまったのだ。

なお、これは通常知られている【アーサー王伝説】と言うより、ランスロ=聖杯サイクルの一部にある【メルラン続伝】に明記されている「湖の乙女から与えられたもの」が近いと思われる。

また、15世紀後半、トマス・マロリーによる【アーサー王の死】では「石に刺さっている剣を抜く」「湖の乙女によって授けられる」の双方が聖剣エクスカリバーとされ混乱を招いた。

このため、石から抜いた剣はカリブルヌス、湖の乙女によって与えられた剣がエクスカリバーと説明されることがあるが、トマス・マロリーの記述では見当たらないとのこと。

*アーサー王や聖剣エクスカリバーに関しては諸説あり。

本作は、主人公はアーサーではあるが、マーリンが深く印象に残る作品と言える。

© STARZ

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9位:「アウトランダー」

「アウトランダー」出典:www.amazon.co.jp

作品解説・あらすじ

スコットランド、イギリス、アメリカの歴史を基に、200年前にタイムスリップした女性と”過去に生きる”男性との究極の愛を描いたファンタジーラブロマンス。

主人公クレアは、夫とスコットランドを訪れていた際、ひとりでストーンサークルを訪れた。

ふいに聞こえた音に導かれ石に触れた途端、1743年にタイムスリップしてしまう。

クレアがタイムスリップしたのは、ジャコバイト蜂起(1745-1746)の2年ほど前になる。

シーズン1はスコットランド・イングランドを舞台にストーリーが進み、シーズン2ではフランスを中心としたストーリーになるが、シーズン半ばにはカロデンの戦いのためジェイミーたちと共に祖国に戻る。

シーズン2最終話では、現代に戻ったクレアと、カロデンの戦いが始まる前のクレアとジェイミーの別れなど、少し入り組んだ描写になっている。

シーズン3はカロデンの戦い後に翻弄されながらも生きながらえるジェイミー、そしてクレアのボストンでの暮らしぶりや、愛するジェイミーの元に戻るために奮闘する様子の他、十数年ぶりに再会した2人が描かれている。

シーズン4では、ついに舞台はアメリカに。

仲間を失った上、強盗にすべての財産を奪われたジェイミーとクレアは、叔母ジョカスタを訪ねる。

その一方で、クレアとジェイミーの娘ブリアナは両親に危機を知らせようとタイムスリップしてしまう。

それを知った恋人ロジャーもブリアナの後を追う。

シーズン5では、家族が一緒になりブリアナとロジャーも結婚し、幸せな日々が続くと思われていた。

しかし、穏やかな日々は続くことなく彼らに次々と困難が襲い掛かる。

実際にあったカロデンの戦い、ジャコバイト蜂起、当時のアメリカの様子など歴史に沿って描かれたラブロマンス。

イングランド、スコットランド、フランス、アメリカを舞台にした壮大な歴史ドラマであり、景色はもちろんのこと、忠実に再現された衣装や装飾品、小物まで目を見張る美しさがある。

また、クレアがタイムスリップしたストーンサークルのモデルとなったのは、青銅器時代の墓の一種であるClava Cairns。(Clava:異なる文化で使用される墓、Cairns:人工の石山)

*シーズン5でマータフの墓にも石が高く積まれていたシーンがある。

補足

カロデンの戦いは、1746年にハイランド地方インヴァネス近くにあるカロデン湿原で発生した戦い。

チャールズ・エドワード・ステュアート率いるジャコバイト反乱軍と、イングランド政府軍との戦いで、日本語ではカロデン・ムアの戦いと表記される。

カロデン・バトルフィールドと呼ばれる戦場跡は見渡す限りの原野が広がり、当時 火器や大砲が充実していたイングランド政府軍と違い、槍や剣など装備が貧弱な歩兵ばかりで、接近戦での戦いを強いられたジャコバイト軍には非常に不利となった戦いでもある。

また、カロデン・バトルフィールドの至るところに石塚がある。

これはすべて、カロデンの戦いでジャコバイト反乱軍に参加した犠牲者らの名前が刻まれた墓標だ。

なお、クレアが戦場跡を訪れジェイミーの墓標を訪れているシーンもある。

本作は、歴史×タイムスリップというベースの基、クレアとジェイミーの愛を描いているわけだが、20世紀で生きていたクレアが18世紀でも同じ生き方をしようとするため、様々なトラブルを起こししていく。

「郷に入れば郷に従え」は彼女には通用しない。

18世紀ではタブーとされていることもクレアはやってのけ、その度にジェイミーや周りの者がトラブルに巻き込まれながら解決していく。

ただ、ジェイミーはクレアが生きていた時代、つまり未来に目を向けているため彼女の考え方や行動を理解し称賛しているはずだ。

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8位:「風の勇士ポルダーク」

「POLDARK」出典:www.amazon.co.jp

作品解説・あらすじ

ウィンストン・グレアムによる小説「Poldark」を原作に、18世紀のイギリスを舞台に描かれている。

1783年、主人公ロス・ヴェナー・ポルダーク大尉は、アメリカ独立戦争を終えコーンウォール・ナンパラに戻って来た。

しかし、家屋は廃墟と化し、財産が残っているどころか父親は多額の借金を残したまま亡くなっていた。

さらに、結婚の約束をしていた恋人エリザベスは、ロスから3年間音沙汰が無かったため死んだと思い込み、ロスの従兄弟フランシスと婚約していたのだった。

父も財産も恋人さえも失ったロスは、かつての仲間たちや生活困窮者に仕事を与えるため、父が残した鉱山を再開する。

そして、ロスの過酷な人生が幕を開けた。

ロスは、食べるのも厳しい困窮者の味方として様々な策を講じていくが、子供の頃に”カエル”で嫌な思い出を引きずるジョージ・ウォーレガンにことごとく邪魔される。

また、エリザベスと結婚したロスの従兄弟フランシスもまた、ジョージに財産を奪われポルダーク一族の唯一の収入源である鉱山も奪われてしまった。

なお、ジョージは祖父が鍛冶屋だったため貴族ではない。

貴族でないことへの執着心で財を成した”成り上がり”で、ウォーレガン銀行を立ち上げるまでの富裕層に登りつめた。

欲しいものは必ず手に入れる人物で、フランシスが死亡した後は、ずっと恋焦がれていたエリザベスをも手に入れる。

ロスが戦場に向かう前、エリザベスとロスの婚約を祝う場面でジョージやフランシスとも仲が良かったという描写もあったが、3年の月日が彼らの間に亀裂を入れてしまったようだ。

補足

1972年に、古代すず鉱山が発掘されたコーンウォール・ヘルストン近くにウェンドロン・フォージ(後にハペニー・パーク)として開園した観光用のアトラクションがある。

古代すず鉱山の作業場や博物館、コーンウォールの歴史などが展示されているが、1975年BBCでの「Poldark」テレビシリーズ放送後「ポルダーク鉱山」に改名された。

ポルダーク鉱山はドラマの撮影でも使用されている。

なお、ロス・ポルダークはエリザベスを諦めて使用人だったデメルザと結婚したが、エリザベスへの思いを断ち切ったわけではない。

物語は、陰日向となりエリザベスを支えつつ、時にはデメルザよりもエリザベスを優先することもある。

また、エリザベスはフランシスやジョージと結婚したが、その奥底にはロスへの想いが断ち切れずにいた。

ただ、彼女は子供の将来を考え自分の想いや本来の自分を殺しながら生き、最終的には悲しい死を遂げる。

ジョージと結婚後のエリザベスは性格が変わったのか?と思われるほど、嫌な女性になり下がったように見えるが、それは全てを失くした彼女だからこそ同じ思いを子供にさせたくないという親心からだったのかもしれない。

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7位:「ヘンリー8世と6人の妻たち」

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作品解説・あらすじ

テューダー朝第2代目のイングランド王ヘンリー8世は、生涯のうちに6人の妻を娶った。

暴君として知られているヘンリー8世は、1番目の王妃キャサリン・オブ・アラゴンとの離婚問題でローマ教会と対立。

その後、カトリック教会を離脱して国教会を設立させ自らを長とした。

キャサリン妃は、ヘンリー8世の兄アーサーの妻だったが、アーサーが王位を即位しないまま逝去したため、弟であるヘンリー8世の即位と共に妻として娶られる。

何度か子を授かるも流産や死産を繰り返し、2人の間の子はメアリー(後のイングランド女王メアリー)のみだった。

ヘンリー8世は、王妃の女官だったアン・ブーリンと出会い結婚するためにキャサリンとの婚姻無効を主張した。

その理由は、兄の妻を娶ることはカトリックの教えに反するというものだったが、これはキャサリンがアーサーと契を交わしていたのであればという問題。

契を交わしていなければ教えには反しない。

ヘンリー8世は契があったと主張するが、キャサリンはアーサーは体が弱かったため契は無かったと真っ向から反論。

この問題が2人の間の溝を大きくする。

こういったヘンリー8世の行動や主張は、後の妻たちの人生にも大きな影響を与えている。

ヘンリー8世の妻は以下の通り。

  • キャサリン・オブ・アラゴン(婚姻無効)
  • アン・ブーリン(姦通罪により斬首刑)
  • ジェーン・シーモア(後のエドワード6世を出産後、産褥熱により死亡)
  • アン・オブ・クレーヴズ(肖像画と違うのを理由に婚姻無効)
  • キャサリン・ハワード(姦通罪により斬首刑)
  • キャサリン・パー(エドワード(後のエドワード6世)とメアリー、エリザベスの良き継母として養育を任された。)

ドラマ【ヘンリー8世と6人の妻たち】は、歴史的文書に記されている事実を基に描かれた、6人の王妃を中心とした物語である。

また、ヘンリー8世の青年期はスコット・アーサー、老年期はリチャード・ライディングスが演じるなど、ヘンリー8世の当時の体型や時代背景がリアルに再現されているのも見どころのひとつ。

補足

ヘンリー8世の在位は1509年4月22日~1547年1月28日。

父はテューダー朝の初代イングランド王(ヘンリー7世)で、ボズワースの戦いでリチャード3世を破り王座を勝ち取った。

ヘンリー8世は、無慈悲で利己的な悪名高い王として知られている。

また、跡継ぎである男子を渇望していたため、男子を産まない妃への寵愛はすぐに薄れた。

そのため、ヘンリー8世は世継ぎを出産したジェーン・シーモアだけは、ウィンザー城の王室霊廟で眠ることを許した。

これはヘンリー8世からジェーン・シーモアへの感謝の表れである。

側近だったトマス・ウルジーは、個人で英国一と言われる宮殿(ハンプトン・コート宮殿)を作り上げたが、ヘンリー8世が嫉妬したため進呈したのは有名な話である。

現在、ハンプトン・コート宮殿では、ジェーン・シーモアの幽霊が階段に現れると言われており、他にもヘンリー8世に直訴しようとするキャサリン・ハワードの霊や、斬首されたアン・ブーリン、さらにはヘンリー8世の幽霊も出ると言われている。

キャサリン・ハワードはヘンリー8世に直訴しようとロング・ギャラリーの廊下を走ったと言われているため、廊下から彼女の悲鳴が聞こえるという話も上がっているようだ。

アン・ブーリンに関しては、斬首後の顔が ❞何かを訴えているように見えた❞ との記述もある。

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6位:「女王ヴィクトリア」

「女王ヴィクトリア」出典:www.amazon.co.jp

作品解説・あらすじ

1837年、伯父ウィリアム4世の崩御により、ハノーヴァ朝第6代女王に即位したヴィクトリアの愛と孤独を描いたドラマ。

物語は、ウィリアム4世の崩御が伝えられるところから始まる。

ヴィクトリアは、母のケント公爵夫人とサー・ジョン・コンロイ(アウグスタの経理担当官)によってケンジントン宮殿で閉じ込められた生活を送っており、勉強していく中で次の王位継承者が自分だと気づいていた。

*次の王位継承者であるヴィクトリアを、暗殺を目論むカンバーランド公アーネストから守るため監禁に近い状態で保護していたとされる。

伯父崩御の知らせが届くと共に、周りの者はヴィクトリアに跪く。

ここに女王ヴィクトリアが誕生した。

幼少時代から「幽閉された」ような生活を送っていたヴィクトリアは、母とコンロイから干渉されないようバッキンガム宮殿に移り、一緒に移った母の部屋を自分の部屋から離れた北側に移した。

さらに、母に影響を与えているコンロイとは一切の謁見を拒否した。

コンロイは、ヴィクトリアに母ケント公爵夫人と自分を摂取にするよう申し出ていたが、ヴィクトリアはこれを一切拒否し、母に王太后の地位も与えなかった。

史実では、ウィリアム4世はコンロイをケント公妃の邪悪な相談者と呼び信用せず、ケント公妃がヴィクトリアの摂取のようにふるまっていたことに激怒し、2人をヴィクトリアから引き離したがっていた。

ヴィクトリアが一番頼っていたのは、家庭教師だったレーツェン(作中ではレーゼン)である。

即位後、ヴィクトリアはレーツェンを家庭教師から相談役に昇格させ、側近として部屋も隣にした。

その後、ヴィクトリアはコーブルグのアルバート・オブ・サクス=コバーグ=ゴータ公子と結婚したが、レーツェンはヴィクトリアがアルバートに操られないよう2人を仲違いさせるような行動ばかりを起こす。

幼少期からずっと見ていたヴィクトリアの幸せを何よりも一番に考えていたが、アルバートはヴィクトリアの偏った知識や、子供が熱を出しているのは「ただの風邪だ」と医者に見せなかったことを挙げ、レーツェンを追放させた。

作中では、ヴィクトリアの娘(愛称ヴィッキー)が熱っぽいなか「新鮮な空気に触れさせるよう」窓を全部解放したり、「新鮮な空気に触れさえる」と外に連れ出したのが原因で、生死を彷徨う肺炎を起こした。

アルバートはすぐに窓を閉めて温めるようヴィクトリアに忠告したが、彼女はレーツェンの言うことしか聞かなかったため、不機嫌に部屋を出て行くというシーンがある。

補足

ヴィクトリア女王の名前はアレクサンドリナ・ヴィクトリア(ミドルネーム)。

アサクサンドリナはロシア名で、ビクトリアはドイツ名というイギリスでは馴染みの薄い名前となっている。

洗礼式で、父ケント公が女王にふさわしいジョージアナという名前を付けようとしたが、代父を務めた摂政王太子ジョージが拒否してアレクサンドリナと命名した。

さらに、ケント公はミドルネームにエリザベスを付けようとしたが、摂取王太子はまたもや拒否して母と同じ「ヴィクトリア」に命名したと記録されている。

これは、摂取王太子とケント公の仲が悪かったのも理由のひとつかもしれない。

なお、ヴィクトリアは即位する前はドリーナという愛称で呼ばれていた。

洗礼式の代父は摂取王太子と、仲の良かったロシア皇帝アレクサンドル1世、代母はケント公爵夫人の実母アウグスタと、ヴュルテンベルク公妃シャルロッテが務めた。

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5位:「ラストキングダム」

「The Last Kingdom」出典:www.amazon.co.jp

作品解説・あらすじ

9世紀のイングランドを舞台に描かれた、バーナード・コーンウェルの小説「Saxon Stories」を原作にした歴史ドラマ。

サクソン人として生まれデーン人に育てられた主人公ウートレッドの人生を、史実と共に描いている。

幼少時代、ウートレッドはベバンバーグ太守の次男として生まれたが、デーン人のヴァイキングの奇襲により兄と父を殺され、ウートレッドもデーン人に連れ去られてしまう。

そして、ヴァイキングの長に「いつか役に立つ」と、デーン人として生きるようになったウートレッドは数奇な運命を辿ることになる。

補足

作中のウートレッド卿は実在しないが、作者によるとウートレッド・ザ・ボルト(1016年死去)という実在した人物がモデルになっているとのこと。

コーンウェルは、本作でベバンバーグの包囲など実際にウートレッド・ザ・ボルトの人生に基づいたストーリーもいくつか入れている。

時代背景は、イングランド:サクソン人朝・デーン人朝。

このドラマは主に、イングランド七王国のウェセックス王国やマーシャ王国が舞台となっている。

また、本作で登場するウェセックス王国のアルフレッド王(アルフレッド大王)は実在する人物。

史実でもアルフレッドには兄が3人いたが父亡き後、継承権1位の兄が即位した。

しかし、兄たちが次々と死亡し最後の兄エゼルレッド1世の崩御によりアルフレッドが王位に就いたとあり、作中でも同じに書かれている。

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4位:「ベルサイユ」

「ベルサイユ」出典:www.amazon.co.jp

作品解説・あらすじ

フランスを舞台に、宮殿内での愛憎や肉欲、そしてベルサイユ宮殿に憑りつかれた若きルイ14世の姿を描く。

1667年の内戦をきっかけに、貴族たちは君主制に従わなくなってきていた。

ルイ14世は、君主としての威厳を示し貴族らを従わせる方法として、狩猟用として使用していた館をベルサイユ宮殿に建て替えさせた。

ルイ14世は、貴族らをベルサイユ宮殿やその周辺に住まわせ、年金や栄誉などを与えたり豪華な宴会や遊興でもてなしたりして宮殿に駐在するよう仕向けた。

統率を強めるため、序列や礼儀作法を定めて監視下に置いたのだ。

そんな中、ルイ14世の寵愛を受けようと女たちが火花を散らす。

ルイ14世と王妃マリー・テレーズ・ドートリッシュの間には子が6人いたが、彼が王妃を愛することなく、弟オルレアン公の妻アンリエットと密会を重ねていた。

オルレアン公は妻とルイ14世の関係を知っていたが、彼もまた男色であったため夫婦関係は疎遠となっている。

補足

作中では、アンリエットがルイ14世との子を出産し、日も浅いうちにドーヴァー秘密条約の件でルイ14世から協力を求められイングランドの兄王を尋ねた。

アンリエットの努力によって条約は締結したが、彼女はフランスに戻った後 死亡している。

作中では毒を盛られたという描写になっており、オルレアン公のお気に入りの恋人フィリップ・ド・ロレーヌの嫉妬によるものと噂されたが、実際の死因は重い腹膜炎によるものだった。

ルイ14世の女性遍歴は他にも、ルイーズ・ド・ラ・ヴァリエール、ド・ヴォージュール侯爵夫人をはじめとする多数あるが、本作では特にモンテスパン公爵夫人に溺れるルイ14世の姿が強烈だ。

しかし、出産や年齢を重ねるうち王の寵愛が薄れていくと思い込んだモンテスパン公爵夫人は黒ミサに手を出した。

当時、フランスでは毒殺や黒ミサが横行し貴族間にも広がっていた。

その事実を知ったルイ14世は愕然としつつも、モンテスパン公爵夫人の嫉妬やヒステリックな性格にうんざりしていたことも重なり関係に終止符を打つ。

実際には多数の女性と関係があったが、本作ではモンテスパン公爵夫人の描写が多い。

また、モンテスパン公爵夫人を追放した後、ルイ14世はマントノン侯爵夫人を寵愛し貴賤結婚した。

マントノン公爵夫人との結婚は、私人としてのものだったため彼女は王妃として記録されていない。

マントノン公爵夫人は夫亡き後、モンテスパン公爵夫人は庶子を養育する召使のひとりとして宮殿に連れて来られた。

信仰深く慎み深い人物で、自分の子供の様に愛情をもって庶子を育てるなど献身的に尽くす姿がルイ14世の目を惹いた。

作中で、ルイ14世はマントノン夫人と一緒にいる時だけ穏やかな表情をしている。

© Netflix,lnc.

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3位:「ウルフ・ホール」

「ウルフ・ホール」出典:www.amazon.co.jp

作品解説・あらすじ

【ウルフ・ホール】は、ヒラリー・マンテルの同名小説と【罪人を召し出せ】に基づいて製作された歴史ミニドラマ。

低い身分からヘンリー8世の寵臣にまで登りつめたトマス・クロムウェルの目線で描いた歴史ドラマ。

クロムウェルは、鍛冶屋の息子として生まれたが幼少時代から父親に暴力を受けて飛び出し、以降父とは疎遠になっていた。

その後、弁護士になったクロムウェルは愛する妻や息子、娘たちに恵まれる。

ある日、不動産の仕事ばかりに嫌気が差したクロムウェルは、ヘンリー8世の側近で聖職者であるトマス・ウルジー卿に仕えることに。

ところが、ウルジー卿はヘンリー8世の要望である「キャサリン妃との婚姻無効」「アン・ブーリンとの再婚」を進められないのを理由に王から見放されてしまう……。

補足

クロムウェルはウルジー卿が失脚した後、ヘンリー8世の寵臣となりウルジー卿が成し遂げられなかったキャサリン妃との婚姻無効、アン・ブーリンとの再婚を成功させた。

また、クロムウェルはイングランドの宗教改革で重要な役割を果たした人物。

ローマ・カトリック教会から離脱しイングランド以外の君主に支配されないというイングランド国教会を設立させ、ヘンリー8世に国教会の長となるよう進言した。

しかし、これのベースとなっていたのがヘンリー8世の離婚問題である。

ヘンリー8世とクロムウェルはこれに留まらず、修道院の解体を行った。

修道院は、教皇丁の支配下にあるにも関わらずイングランド(=ヘンリー8世)の資産を大量に保有していることを理由に解体し、財産を没収してすべての資産を王室に移管した。

ところが、この後クロムウェルの誤算により運命は違う方向へと進む。

アン・ブーリンの処刑後、ヘンリー8世はジェーン・シーモアと再婚したが彼女は王子を産んだ数日後に産褥熱により死亡してしまう。

気落ちする王のために、クロムウェルは次なる王妃と結婚するよう勧めた。

その女性というのが4番目の妻となるアン・オブ・クレーヴズだ。

クロムウェルは、隣国をけん制するため同盟国の王女との再婚をヘンリー8世に薦め、ヘンリー8世もまた、ジェーンが産んだ男児の他にも世継ぎを渇望していたため再婚を急いだ。

そこでクロムウェルは、宮廷画家のホルバインを向かわせてアン・オブ・クレーヴズの肖像画を書かせた。

この肖像画がもとでクロムウェルは王の怒りを買う。

記述によると、ヘンリー8世はアンが肖像画と実物があまりにも違うと激怒。結婚半年で、アンは離婚され「王の妹」の称号と年金を与えられてベイナーズ城で余生を送った。

この件で、敵対していたトマス・ハワードから反逆罪で告発され、処刑されてしまった。

なお、クロムウェルは【THE TUDORS〜背徳の王冠〜】にも登場するが、本作はクロムウェルの目線で描かれているため、ポイントを抑えた重厚感を感じられる。

さらに、本作ではウルジー卿から息子のように愛されているように描かれているが、【THE TUDORS〜背徳の王冠〜】では、そこまで深掘りしていない。

© 2021 BBC.

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2位:「REIGN」

「REIGN」出典:www.amazon.co.jp

作品解説・あらすじ

生後6日で即位したスコットランド女王メアリー・ステュアートの生涯を描いたロイヤル・ロマンス。

メアリーは、後のイングランドの女王となるべく人物として幼い頃から命を狙われていた。

身を隠すためにフランスの修道院で幼少時代を過ごしていたが、修道女が毒殺されたのを機に居場所を知られたと判断し、王太子との婚約が取り決められているフランスで生活するようになる。

メアリーとフランシスの結婚は、アンリ2世の承諾が無ければ進まない。

それは、メアリーがイングランドの王位継承権を求めるかどうかに掛かっていた。

アンリ2世は、イングランドも手に入れることに固執し、メアリーを未来のフランス王妃として受け入れたのもスコットランド女王でありイングランドの王位継承権を持っていたからだ。

そしてその後、アンリ2世はモンゴムリ伯(作中ではモンゴメリー伯)との馬上槍試合で右目を貫かれた傷の悪化により崩御し、フランシスが王となりメアリーはフランス王妃となる。

本作では、フランシスがモンゴムリ伯と入れ替わって父王に傷を負わせて死に至らしめた、となっているが歴史上そういった記述はないため脚色と思われる。

この一件は偶然起こった事故でアンリ2世はモンゴムリ伯の罪を免じたが、王の死後拘束され釈放後に宮殿から逃亡しイングランドに渡ってプロテスタントを支持した。

本作は、メアリーがフランス王妃になるまで、そしてイングランドに戻り生涯を終えるまでの物語。

ベースとなっているのはフランスでの出来事で、シーズン3後半でイングランドに帰還する。

また、シーズン3半ばには、イングランドのエリザベス女王や、フランシス崩御後に即位した弟王シャルル9世、その弟アンリ王子が王位を狙うといったメアリー以外のストーリーも増える。

補足

スコットランド女王メアリー・スチュワートと、イングランド女王のエリザベスは、敵対関係にあった。

元々、エリザベスはヘンリー8世とキャサリン・オブ・アラゴンの間に産まれたが、キャサリン妃が婚姻無効とされたことでエリザベスは庶子として扱われた。

一方で、メアリー・スチュワートはヘンリー8世の姉マーガレット・テューダーの息子でスコットランド王ジェームズ5世の娘である。

エリザベスは庶子であるため、直系のメアリーがイングランドの正当な後継者であると言う人々が多かった。

このため、エリザベスはメアリーが王位継承権を求めて来ることに怯えていたのだ。

ちなみに、エリザベスはヘンリー8世とアン・ブーリンの娘でプロテスタントだが、メアリー・スチュアートは敬虔なカトリックである。

エリザベスにもメアリー(イングランド女王メアリー1世)という腹違いの姉がいるが、彼女もまた経験なカトリックで、弟のエドワード6世が15歳で崩御した後、第2王位継承権を持つメアリーが王位を継いだ。

エリザベスの王位継承は3番目だったため、メアリー1世が崩御した1558年にイングランド女王に即位している。

*ここではメアリー・スチュワートスコットランド:メアリー1世)メアリー・テューダーイングランド:メアリー1世)の違いに注意

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1位:「THE TUDORS〜背徳の王冠〜」

「チューダーズ」出典:www.amazon.co.jp

作品解説・あらすじ

英国史上最凶の王と呼ばれたテューダー朝時代のイングランド王ヘンリー8世の、波乱に満ちた生涯を描いたドラマ。

ヘンリー8世が主人公ではあるが彼の6人の妻たちの数奇な人生や、そこに至る経緯、末路も記されている。

1509年、ヘンリー7世が崩御し1番目の王位継承権を持つアーサーも若くして死去したため、2番目に王位継承権を持つヘンリー8世が即位した。

ヘンリー8世は、アーサーの妻だったキャサリン・オブ・アラゴンを妻に迎えたが、キャサリン妃は死産や流産を繰り返し、生存していたのはメアリー王女だけだった。

ヘンリー8世は、世継ぎとなる男児の誕生を渇望していたが、キャサリン妃の年齢を考えると厳しい状況にあった。

そこで王は気づいた、兄の妻を娶ったから呪われたのだと。

当時、カトリックでは兄の妻を娶ると子に恵まれないと言われていたが、それはあくまでも前夫と契を交わしていたことが前提となる。

さらに、キャサリン妃の女官だったアン・ブーリンに心を寄せていたヘンリー8世は、ローマ教皇からキャサリン妃との婚姻無効を得るようウルジー卿に命じた。

しかし、事は簡単に進まなかった。

ヘンリー8世とアン・ブーリンは親密になって行くが、もしここで2人が深い関係となればヘンリー8世にとって不利な状況となるため、2人は決して男女の関係を持たなかった。

さらに、アン・ブーリンは愛人の立場ではなく王妃としての立場を求めたため、ヘンリー8世はキャサリン妃との婚姻を無効にするため全力を注いだ。

この一件で、イングランドはカトリックを離脱すると共に国教会を設立。

また、キャサリン妃との婚姻無効を成し得なかったウルジー卿は、彼をよく思わない敵にチャンスを与える形となり失脚に追い込まれた。

補足

ウルジー卿が失脚した後、ヘンリー8世はトマス・クロムウェルの手腕を見込み側近に迎えている。

クロムウェルは、ヘンリー8世にイングランド国教会の設立や長になることを進言した人物ではあるが、本作で描かれているクロムウェル自身プロテスタントの立場として描かれている。

アン・ブーリンとはプロテスタント同士ということから、アンが王妃になるため尽力したかのように描かれているが、トマス・クロムウェルの視点で描いたドラマ【ウルフホール】では、2人の間には最初から溝があるようにも見えた。

また、本作ではヘンリー8世の姉マーガレット王女がポルトガルの老王に嫁ぎ、その後チャールズ・ブランドンと結婚したとあるが、史実では姉ではなく妹のメアリー王女である。

また、嫁ぎ先はポルトガルではなくフランスのルイ12世(老王)で、ルイ12世の崩御後にブランドンと結婚した。

なお、マーガレットの嫁ぎ先はスコットランド王ジェームズ4世である。

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歴史ドラマとは

「歴史ドラマ」は、史実に基づいた作品が多く歴史の流れを感じながら脚色された描写を楽しむことが出来るものが多い。

中には、大幅な脚色により歴史が湾曲されてしまうものもあるが、それはそれで内容としてはまた面白いものがある。

ここで紹介した作品はイングランドをベースにしたものが大半を占めるが、フランスやスペイン、スコットランドやアメリカなどイングランドの歴史と関わりの深いドラマも違う目線から観ることが出来るのでお勧めだ。

ちなみに、ヘンリー8世の治世は日本では戦国時代から安土桃山時代、江戸時代初期あたりでフランスはヴァロワ朝に該当する。