【アメリカン・クライム・ストーリー/ヴェルサーチ暗殺】第5話・6話ネタバレと考察。1995年、クナナンは最初の被害者、ジェフ・トレイルと出会う。クナナンがジェフを殺害した動機とは……?
【ヴェルサーチ暗殺】第5話・6話 あらすじ
1995年6月イタリア、ミラノ。
ジャンニ・ヴェルサーチは、アメリカの雑誌でゲイを公表すると決心した。
ドナテラはビジネスを考え猛反対する。
しかしヴェルサーチは、「病気だったが治り新しい命が与えられた。その奇跡に見合う事をしたい」と答える。
一方、アメリカ海軍中尉のジェフ・トレイルは、袋叩きに遭っていたゲイの兵士を助けた事から、彼もゲイであると疑われた。
彼は仲間から疎んじられ、キャリアも閉ざされる。
自殺未遂まで追い詰められた彼は、初めてゲイバーを訪れクナナンに出会う。
話術巧みなクナナンと意気投合し、2人は友人になる。
【ヴェルサーチ暗殺】第5話ネタバレと考察
1995年11月
ジェフは、ゲイ差別を扱ったテレビ番組の取材を受けた。
ヴェルサーチもゲイである事を公表する取材を受けるのだが、ドラマでは2人の対照的な取材が交差する。
ヴェルサーチは高級ホテルのスイートルームで、美しい服を着て堂々と撮影される。
一方、ジェフは粗末なアパートの一室で顔を隠し、取材源を明かさないようにと念を押す。
これは成功者との違いだけでなく、業界の違いもあるのかもしれない。
ファッション業界ではゲイは珍しくないが、軍では差別が横行しキャリアも閉ざされる。
ヴェルサーチは緊張していたものの胸を張って取材に答え、ジェフは「兵士を助けなければ良かった」と後悔していた。
1997年4月23日
クナナンはカードの支払いを滞っていたが、何とかミネアポリス行きの片道航空券を手に入れる。
空っぽになったクナナンのクローゼットの奧には、ヴェルサーチがゲイを公表した際の雑誌の切り抜きが貼ってあった。
その頃、ジェフは退役してプロパンガス会社で肉体労働をしていた。
そこへクナナンが来ると連絡があり、仕方なく空港に迎えに行く。
デヴィッドもすでに来ていたが、2人はクナナンが嘘で塗り固めた人生を送っている事をすでに知っていた。
クナナンはデヴィッドと2人きりになると、早速プロポーズをするが断られる。
ジェフは姉の家に滞在し、自分の部屋を一泊貸す事で今までの借りをチャラにし、彼との縁を切ろうとしていた。
ジェフの部屋でひとりになったクナナンは、デヴィッドとジェフの仲を邪推していたため、ジェフの家を家探しする。
そしてジェフの軍服とテレビ取材時のビデオ、そして銃を見つけるのだった。
1997年4月27日 ジェフ・トレイル殺害当日
姉の家から戻ってきたジェフは、クナナンが家探しして、勝手に軍服をいじっていたことに激怒する。
クナナンは、「僕があの夜(自殺未遂をしゲイバーに来たジェフを)救った」と言うと、ジェフは「(お前が僕を)破滅させたんだ。あの時出会ったのが全ての間違いだった。」と答えた。
おそらくクナナンは、この時ジェフを殺害しようと決めたのではないだろうか。
自分を全否定したジェフが許せなかったのではないか。
クナナンはジェフの銃をこっそり盗んで去る。
デヴィッドの家に着いた彼は、銃を盗んだことをジェフに知らせ、彼をおびき寄せる。
ジェフが殺された頃、彼の姉が出産したと母から電話がきていた。
ジェフが殺害されたことも知らずに……。
【ヴェルサーチ暗殺】第6話 ネタバレと考察
1996年 カリフォルニア州ラホヤ
クナナンは、年配の実業家ノーマン・ブロックフォードと専属契約し、豪華な家で贅沢な暮らしをしていた。
彼はノーマンとの合同誕生日パーティーを開き、デヴィッドの関心を買うためにジェフや女友達リジーに嘘の口裏合わせの協力を頼んでいた。
しかし、この時初顔合わせのジェフとデヴィッドが意気投合している様子を見て焦るクナナン。
そこに、後に殺される事になるリー・ミグリンもクナナンの誕生日を祝うため駆け付ける。
2人の関係がバレてはまずいと取り繕うクナナン。
その場にいた5人、ノーマン、ミグリン、デヴィッド、ジェフそしてクナナンで写真を撮るのだが、そのうち3人が殺される事になるとは誰も思わなかっただろう。
ノーマンとの決別
クナナンはノーマンに更なる生活費の増額や車、そして遺言書の相続人として自分を指名するよう要求する。
しかし、ノーマンはクナナンのこれまでの嘘を指摘する。
クナナンはノーマンが自分を調査していた事を怒ったが、クナナンがノーマンの事を調べ偶然を装って近づいた事もバレていた。
そんなクナナンに、ノーマンは学費を出すから大学に戻りまじめに働くよう勧める。
しかし、クナナンは受け入れず怒りをぶつけて出て行く。
転落
そんな中、ジェフがクナナンの小さなアパートに怒鳴り込んできた。
クナナンはジェフの父に、ジェフがゲイである事を仄めかすようなハガキを送ったのだった。
もちろんクナナンは誤魔化すが、ジェフがデヴィッドに近づかないための脅しである事は明白だった。
ジェフは否定するが、2人の仲を疑っていたクナナンはデヴィッドを豪華ホテルの旅に誘う。
高価な服、豪華な食事で関心を買おうとするが、デヴィッドは期待に答えられないとはっきり言う。
そして、真実を話すように言うデヴィッドに対し、また嘘をつくのだった。
デヴィッドの心は変わることはなく、クナナンの元には莫大な請求書だけが残る。
ヴェルサーチの夢
にちもさっちもいかなくなったクナナンはドラッグに溺れ、ヴェルサーチに採寸してもらう夢をみる。
彼は、夢の中のヴェルサーチに「自分は人からむしり取られ、空っぽになり何の価値もない」、ヴェルサーチは自分と違い「運が良かっただけ。そして人に愛されている」のだと言う。
これがヴェルサーチを殺した理由のひとつなのかもしれない。
彼はドラッグの金も払えなくなり、母の元を訪れる。
母は貧しいアパートで暮らしていたが、息子がヴェルサーチと仕事で世界を飛び回っていると信じていた。
それが母の誇りだった。
そんな母に、クナナンはミネアポリスに向かうと伝える。
【ヴェルサーチ暗殺】第5話・6話感想
今回もヴェルサーチはほんの少しでクナナンの物語だった。
クナナンには何度かチャンスがあった。
そのひとつはデヴィッドが真実を話すよう促した時である。
そこで真実を話していれば、もしかしたら2人の仲は違ったものになっていたかもしれない。
もうひとつはノーマンが学費の申し出てくれた事。
彼がせっかく今までの仕打ちや嘘を許し再出発するよう助言してくれたのに、彼はその道を選ばなかった。
それどころか怒り狂い、ノーマンの同情すら失う。
ただ、ノーマンはあそこでクナナンと別れて本当に良かったと思う。
ミグリンのように殺されたかもしれなかったのだから。
あの写真の仲で助かったのはノーマンだけである。
次回はヴェルサーチとクナナンの幼少期に遡る。
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