【トライブス】あらすじ全話と感想。世界滅亡後の覇権争いを描いたドイツ産の秀作!

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【トライブス:明日を拓きし者】あらすじ全話。本作は、世界滅亡後の覇権争いを描いたドイツ産のドラマ。生き別れた3姉弟の視点を軸に展開されるストーリーは、どの物語もそれぞれに面白いものとなっている。また、休みなく出てくる考察要素も見る者を飽きさせない。

製作:2021年 ドイツ

原題:Tribes of Europa

監督:フィリップ・コッホ、フロリアン・バクスマイヤー

放送局Netflix

キャスト:ヘンリエッテ・コンフリウス、エミリオ・ザクラヤ、ダーヴィト・アリ・ラシェット、オリヴァー・マスッチ、メリカ・フォルタン、アナ・ウラル

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あらすじ全話(ネタバレあり)

ネタバレ1話

この記事には【トライブス】のネタバレを含みます

2029年に起きた謎の大停電により国々は消失し、代わりに無数の極小国(トライブ)が出現した。

それから時は流れ2074年。

トライブの1つであるオリジニーでは、リヴ、キアノ、エリヤの3姉弟が森で狩りをしていた。

すると、どこからか飛んできたアトランシャン国のジェット機が墜落。

オリジニーの者たちは普段は外の世界に関与しないのだが、3姉弟の「ジェット機を調べるべきだ」という説得もあり全員で森を捜索することにした。

捜索中に“キューブ“を拾った末っ子のエリヤは、その足で小屋へと向かい、そこで見つけた瀕死のパイロットを運び出して治療を受けさせる。

そこへ、クロウ国の戦闘集団がやって来てオリジニーの村を襲う。

彼らの狙いは、アトランシャン国のパイロットが持っている“キューブ”で、ジェット機を墜落させたのもクロウ族だった。

この欧州を征服するためには、テクノロジーの力が宿った“キューブ”が必要なのだ。

オリジニーの村長は、「パイロットを引き渡すから侵略しないでくれ」と頼むが、クロウ族は問答無用で惨殺を始めた。

オリジニーの村は混乱に陥り、3姉弟も生き別れてしまう。

末っ子のエリヤは、パイロットから「キューブをアークへ運んでほしい」と頼まれ村を離れたが、キューブを持っていることをクロウ族に知られて追われる身となる。

次男のキアノは、父親とともにクロウ族に囚われ「キューブを持った少年はどこだ」と追及される。

そして長女のリヴは、クロウ族との戦闘で気を失っていた。

ネタバレ2話

目覚めたリヴは、村でキューブの捜索を続けていたクロウ族のグリエタに襲いかかり「私の家族はどこだ」と脅す。

グリエタは不敵な笑みを浮かべながらブラトクと答える。

そこに、クリムゾン国のダーヴィット指揮官が兵とともに現れ、リヴとグリエタを連れ去った。

拠点地に戻ったターヴィットは、グリエタだけを監禁する。

クリムゾンとクロウ族は長年敵対しているため、グリエタだけが監禁された。

一方、クリムゾンの拠点地で目覚めたリヴは、ダーヴィット指揮官に「家族のいるブラトクに連れて行ってほしい」と頼みこむ。

長年ブラトクを侵略できずにいるターヴィットは、リヴが行き方を聞き出せるのなら協力すると言う。

リヴはさっそく監禁されたグリエタに会いに行き、取り引きを持ちかけた。

「あなたをここから出してあげる。その代わり、ブラトクに連れて行って」

「……私を信じられるのか?」

「信じるわ。クロウ族は必ず約束を守るから」

一方でエリヤは、クロウ族から逃げている途中でキューブが壊れてしまい、出会った“がらくた売り”のモーゼスに修理を頼む。

モーゼスはキューブをだまし取ろうとしたものの、結局はエリヤに返し「キューブを直せる人物に会わせる」と言う。

そうして2人の旅が始まった。

ネタバレ3話

エリヤは、旧世界が滅んだ原因をモーゼスに訪ねた。

モーゼスは大停電が原因だと話し、それにより世界のテクノロジーが失われたというのにアトランシャンのテクノロジーだけが残ったことから、アトランシャンが画策したことかもしれないと推測を述べる。

そんな話をしているうちに、キューブを直せるというアミーナの住処に到着した。

2人が車から降りると、アミーナが威嚇射撃をしてきた。

アミーナは、ドライブをしに出かけたきり2年も戻ってこなかったモーゼスに怒り心頭なのだ。

しかし、エリヤがいる手前 一旦怒りを収めた彼女は、頼まれたキューブの修理にとりかかる。

エリヤが直ったかどうか触って確かめてみると、キューブはエリヤの瞳をスキャンして動きだした。

その頃。

長女のリヴは、グリエタを信用させるために彼女の前でターヴィット指揮官を攻撃して拘束し、グリエタを牢から出した。

そして、リヴを完全に信用したグリエタから“ブラトク”への行き方を聞き出すことに成功する。

「奴隷工場に直結する西のルートがある。その地下道は浸水していない」

その瞬間、待機していたクリムゾンの兵士たちが現れてグリエタを再び捕らえた。

すべては、ターヴィットと手を組んだリヴの計画だったのだ。

*

ブラトクに連行された次男キアノは、奴隷が働く工場でヴォルクというものを作らされていた。

ここで働く男の話では、奴隷が解放されるための唯一の方法は、奴隷同士が戦うボッシュで勝つことだという。

ボッシュの勝者は、奴隷の身から解放されてクロウ族になる決まりとなっている。

戦う奴隷を決めるのがヴァルヴァラ総監督だと聞いたキアノは、ヴァルヴァラの歓心を得るために、工場内で見た不正を報告する。

「奴隷の数名が、こっそりヴォルクを盗んで看守長に手渡していた」と。

ところが、ヴァルヴァラはキアノの報告を信じず終身刑を言い渡した。

ネタバレ4話

終身刑になりそうなキアノだったが、ある奴隷の腸の中からヴォルクが見つかったことで、キアノの告発が本当だったと証明された。

処刑を免れたキアノは、ヴァルヴァラ総監督の“お気に入り”たちが暮らすハッカーという場所に連れて行かれる。

お気に入りたちは化粧をして身綺麗にするのが当たり前で、ヴァルヴァラの食事に同席したり、夜のご奉仕も当然のようにある。

お気に入りはお気に入りでも、奴隷であることには変わりないため服従は絶対なのだが、キアノはオリジニーの村を襲われた恨みから生意気な態度を取る。

ヴァルヴァラはそんなキアノを気に入り、高官たちの集いや特別な場所にもキアノを伴うようになった。

ある時、ボッシュの会場に連れて行かれたキアノは、ヴァルヴァラから次回のボッシュの参加権をもらった。

*

エリヤの瞳をスキャンしたキューブは、ホログラムを映し出したかと思うとすぐにまた壊れてしまった。

修理するために必要な部品を手に入れるため、エリヤとモーゼスはブラッカーという男に会いに行くが、ブラッカーにキューブを奪われてしまう。

一方のターヴィットとリヴは、ブラトクに侵略するための作戦会議をしていた。

そこに現れたファーザー(クリムゾンを統治する人物)は、報告もなしに独断で侵略しようとしているターヴィットを反逆罪で捕らえた。

ネタバレ5話

投獄されたターヴィットに食事を運んだリヴは、明日ターヴィットが処刑されると知る。

ターヴィットは、処刑を回避するためにファーザーを殺してくれとリヴに頼んだ。

そのすぐ後、ファーザーに呼び出されたリヴは毒で彼を殺そうとしたが、「グリエタと君の家族を交換するつもりだ」と言われ殺すのをやめた。

*

ヴァルヴァラに連れられて特別な席に同伴したキアノは、そこで同じく奴隷として来ていた父親と再会をする。

トイレへ行くと偽って外の通路に出たキアノは、父親とハグを交わした後、ボッシュに出場して奴隷の身から解放されるつもりだと話す。

*

キューブを奪ったブラッカーは、取り返しにきたエリヤとモーゼスに「キューブを何に使うつもりなのか」と訪ねた。

エリヤは事の顛末をすべて話し、キューブをアーク(アトランシャンの拠点地)に運べば、旧世界が滅亡した本当の理由が分かるはずだと言う。

それを聞いたブラッカーは、終末の真相を知ったら一番に自分に教えるのを条件にキューブを返した。

ネタバレ6話

リヴは、ファーザーや他の兵士たちとブラトクへ向かった。

移動する車には、捕虜のグリエタも乗っている。

国境に到着すると、ファーザーがクロウの警護兵に和睦を結びたい旨を伝えるが、突然銃撃戦が始まりファーザーは死亡した。

リヴは、銃撃戦に巻き込まれて負傷したグリエタを連れて倉庫に身を隠す。

リヴにとって、グリエタはブラトクへ行くための唯一の頼みの綱だったが、倉庫から移動して間もなくグリエタは死んでしまった。

リヴが途方に暮れていると、アリアというフィーメン国の女性が「一緒に逃げよう」と声をかけてきた。

*

ボッシュ当日。

キアノは会場に向かう車内で、かつてはヴァルヴァラも奴隷だったこと、クロウ族になったら新しい名前を与えられるが 昔の名前を口にするのは禁じられていることをヴァルヴァラから聞かされる。

ボッシュが始まった。

キアノの対戦相手は……父親だった。

戦いを拒めば2人とも処刑されて死んでしまうため、父親は、キアノの短剣に自ら刺されにいって死亡した。

そうして勝者となったキアノは、奴隷の身から解放されてクロウ族となり、ターロックという新しい名を与えられる。

父親の死に泣き崩れるキアノのもとに、ヴァルヴァラがやって来る。

彼女は、キアノが過去と決別し弱さを捨てられるようにボッシュの対戦相手を手配したのだと言う。

「本当の憎しみを知れ。憎しみはお前を守ってくれる。悲しみや弱さから」

ヴァルヴァラはそう言葉をかけた後、かつての自分の名前を教えて部屋を去った。

*

クロウ族に追いつかれてしまったエリヤとモーゼスは、再び車に乗り込んで逃亡した。

エリヤがキューブの電源をONにすると、《アークまで南へ184キロです》と目的地への案内が始まった。

ところが、目的地まであと500メートルのところでキューブの電源がOFFになってしまい、車から降りた2人は辺りを見まわすが海と岩の他には何もない。

ヤケになったエリヤがキューブを海に投げ捨てると、海中から巨大なキューブが出現した。

2人は、恐る恐る巨大キューブのに入ってみる。

すると、2人を乗せたキューブは再び海中へと沈んでいった。

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各トライブの解説

オリジニー

主人公の3姉弟が所属しているトライブ。

森を拠点とし、テクノロジーに頼らない生活をしている。

外の世界には関与しない。

アトランシャン

超科学文明を誇るトライブ。

彼らの所有するキューブを巡って、他の種族が争っている。

アークという場所を拠点にしているが、アトランシャン以外は誰もその場所を知らない。

何もかもが謎に包まれているトライブ。

クロウ

欧州の支配を目論む戦闘集団。大国。

欧州征服に必要な“アトランシャンのキューブ”を手に入れるためなら手段を問わない。

侵略奪略を繰り返している残虐な集団だが、約束は必ず守るという律儀な一面も。

クリムゾン

軍営活動をしている大国。

ファーザーと呼ばれる人物が統治している。

クリムゾンでは全トライブが尊重される。

クロウ族とは長年険悪の仲。

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【トライブス】感想

作中に出てくる国(トライブ)がそれぞれに異なる特色を持っているのが面白く、また各国の異なる映像美も楽しめるドラマだった。

特に印象深かったのはクロウ族で、彼らは手段を問わない残虐集団でありながら、約束は必ず守るという意外な一面もありどこか憎めない。

本作は3姉弟を軸にストーリーが展開されていくのだが、その中でも、末っ子エリヤの視点で進む冒険譚はワクワクした。

相棒のモーゼスも最高のキャラで、いい加減なように見えてたまに鋭い考察をしたり、薄情なように見えて情に厚かったりと愛着の持てる人物だ。

次男キアノのストーリーも面白く、奴隷工場からの脱出を試みるという王道展開かと思いきや、まさかヴァルヴァラ閣下に気に入られた上にキアノ自身がクロウになってしまうとは予想外すぎた。

髪を整えて化粧をしたキアノが驚くほど美男子で、ヴァルヴァラが彼の虜になるのも納得だ。

ヴァルヴァラは「ここでは情けは無用。共感したら死ぬ」と言いながら、キアノに対してはどこか共感しているように見えた。

それに、「憎しみがお前を守ってくれる。悲しみや弱さから」というヴァルヴァラの言葉も、奴隷だったかつての自分とキアノを重ねて出てきた言葉なのかもしれない。

そして、全体のストーリーも面白い。

キューブに宿っている力がどんなものなのか、そもそもキューブとは何なのか、旧世界が滅びたのは何者かの仕業なのか、といった謎や考察要素が休みなく出てくるため、最後まで飽きることなく視聴できた。

シーズン1は非常に気になるところで終わり、シーズン2への期待が高まる形で幕を閉じた。

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