【スタートアップ】シーズン3ではIT企業の情報管理問題に鋭く切り込みます。アラックネットの企業理念・ネットの中立性に国家権力から圧力を受ける事になります。アラックネットはテロリストの温床となり危険な状況が迫っていました。しかし、国家の監視が入ればアラックネットのブランド戦略を傷つけユーザーの信頼を失ってしまいます。企業利益か社会的責任かを問われアラックネットは存続の危機に陥ります。
©2020 Crackle, Inc. All rights reserved.|© 2021 SONY PICTURES ENTERTAINMENT (JAPAN) INC. ALL RIGHTS RESERVED.
【スタートアップ】シーズン3あらすじ
アラックネットはユーザー数6,000万人を超え、表向きは順調に見えますが経営状況は赤字で、資金面ではウエスの資産頼みになっていました。
ウエスは新たな出資者を求め、ヘッジファンドのサギノー兄弟と交渉し「ユーザー数が1億人突破すれば投資を検討する」と合意を取り付けます。
しかし、頭打ちの現状では見通しは暗いものでした。
そんな時、NSA(国家安全保障局)のストラウド特別捜査官(ミラ・ソルヴィノ)がアラックネットを訪れ、ユーザーの情報開示を要請します。
アラックネットは、テロの温床となり武器や化学兵器の原料が売買されていました。
ユーザーの情報を開示すれば信頼を失い、目標の1億人に達する事は不可能になってしまいます。
ニックたち幹部は、ストラウドの要請を拒みますが、ストラウドはニックたちの汚い過去をネタに脅し、マイアミ滞在中に返事をするように警告し去って行きました。
窮地に立たされたウエスが赤字のアラクネットの売却を考え始めるなか、ニックとマーラはイベントが開催される香港へ向かいます。
そこで、ニックに新しいアプリのアイデアが浮かびました。
また、ロナルドはLH7の仲間に暫くアラックネットでの売買を止めるように忠告しますが、彼らは薬だけでなく武器や弾薬の売買にまで手を伸ばしていました。
売買は止められないと在庫を見せ説明します。
ウエスはアラックネット売却を進めようとしていましが、ニックは新しいアプリ“セルフ”の開発を提案。
ライフサービスを提供する“セルフ”ならユーザー数を増やせるとニックは力説しましたが、既に大手IT企業が手掛け始めている事業です。
ニックは「既存の大手IT企業では顧客の信用が薄いが、アラックネットならば可能だ」とウエスを説得し、1ヶ月の期限付きで承諾をもらいました。
しかし、“セルフ”開発に着手し始めた矢先、ストラウドが権力を行使しアラックネットは存続の危機に陥ります。
イジーの行方
ロシアのマフィアを掃討後、世間はアラックネット開発者イジーの動向に注目していましたが、イジーの消息は不明のままでした。
その頃、イジーはキューバで新たな生活をスタートしていましたが、アメリカ人というだけでスパイ容疑が掛けられ、キューバ警察に逮捕され厳しい尋問を受けてしまいます。
そこへNSAのストラウドが現れ、キューバから釈放する代わりにアラクネットへ復職し個人情報のデーターを盗むよう言われたのです。
イジーが返事を渋ると「家族や友人にも危害が及ぶ」と脅されたため、イジーはロナルドに会いに行き、アラックネットへ復職する事になります。
イジーは、アラックネットを裏切ってしまうのか!?
シーズン3でもイジーは、トラブルメーカーとなってしまいます。
新たな敵
NSAの特別捜査官レベッカ・ストラウドの正体はCIAの秘密工作員でした。
CIAは 超法規的措置も可能で殺人も犯す“ヤバい”組織で、強引な手法でアラクネットを追い詰めます。
しかし、犯罪の温床となっていたアラクネットでテロの計画が進行していました。
ストラウドはテロを食い止めようとしていた政府側の人間で、普通の人々から見れば彼女の方が正義の筈です。
キャスト:レベッカ・ストラウド役のミラ・ソルヴィノはアメリカの女優で【誘惑のアフロディーテ】(1995)でアカデミー助演女優賞を受賞しています。また、ハーバード大学の東アジア学科を卒業と学業も優秀でした。
ニックの暴走
シーズン3では、ニックの独断専行によってアラックネットは益々窮地へ追いやられて行きました。
あらゆる事でロナルドと意見が衝突し2人の関係は最悪になっていきます。
・新しいアプリ“セルフ”の失敗。
残された資金を“セルフ”に投資しますが、需要を読み間違え失敗します。
・ワンマン経営
自分の方針に従わない者を次々排除し、ついには警察へ密告してロナルドを逮捕させてしまいます。
CEOの地位に固執したニックはアラックネットを私物化し、仲間やマーラからの信頼を失い孤立していきます。
ロナルドの弱点
ロナルドは、ギャング出身でありながらニックやウエスとは違い、家族や社員、仲間を非常に大切に考えています。
「何がアラクネットだ!人だろニック。大事なのは俺達と家族の身を守る事だ」
このセリフにロナルドの心情が込められています。
故に情に流されてしまい何度もピンチになっています。
・ロナルドはウエスの信頼を得て、誕生日パーティでは出資者獲得のため活躍が期待されていましたが、その期待を裏切り、家族を脅した売人デクランへの報復に向かってしまいます。
・LH7の仲間との関係も続けてしまいギャング間の闘争に巻き込まれて行きます。ギャング同士を話し合いで解決させるなど、仲間を信用するあまり最悪の結果になってしまいます。
デクラン達の殺害容疑で逮捕された後も仲間を裏切る事が出来ず司法取引に応じませんでした。
弁護士の説得により最終的に取引に合意します。
ロナルドはニックの方針に反対し、秘密裡にNSAへ個人情報の開示をしようとしていましたが、ロナルドの逮捕によってテロリスト情報を渡せなくなり、その後最悪のテロ事件が起こってしまいます。
まとめ
シーズン3では、企業利益か社会的責任かを強く問いかけていました。
併せて企業経営の難しさ、CEOの資質のあり方など絡めたヒューマンドラマが描かれています。
また、窮地に堕ちった事で本当に会社のことを考えていたのは、ロナルドとマーラだった事が分かります。
もし、ニックが他者の意見を聞く事が出来ていたら……。
ニックは地位に執着し目的がCEOの地位になってしまいます。
正しい判断が出来ない企業は、間接的にテロリストに協力した事になってしまいました。
彼が柔軟な姿勢を見せられたらテロを未遂に出来たかもしれません。
窮地に陥り人が変わってしまったニック……非常に残念な彼の本性でした。