【慶余年~麒麟児、現る~】5話と6話。滕梓荊に「ある文書を鑑査院から持ち出してほしい」と頼まれた范閑は、それを聞き入れることにします。鑑査院には、亡き母親の言葉が記された石牌が立てられており……!? この記事では、ネタバレ・感想・考察をお届けします。
【慶余年】5話のネタバレ
滕梓荊の過去
范閑の部屋に侵入した滕梓荊は、「鑑査院から“ある文書”を持ち出してほしい」と頼みます。
その文書には、消えた家族の行方が記されているはずとのことでした。
滕梓荊は ことの成り行きを、以下のように話します。
滕梓荊はかつて、郭保坤の配下に虐げられている夫婦を助けたことがありました。
しかし、それが気に入らなかった郭保坤が、「役人殺しの罪」をでっち上げて滕梓荊に着せたのです。
それを助けてくれたのが鑑査院で、入省するなら家族も助けるといわれて鑑査員になりましたが、ある日 家族が忽然と消えてしまったのだといいます。
家族を探そうにも、死んだことになっている身では限界があるため、家族の行方が記されているであろう文書を持ち出しほしいと范閑に頼みにきたのでした。
それを聞いた范閑は、滕梓荊の頼みを引き受けることにします。
*
林婉児のもとに、親友の葉霊児が会いに来て結婚の話になります。
林婉児は「たとえ皇帝の命令であっても、内庫の権利のためなんかに嫁ぐつもりはない」といいます。
紅楼の流行
范閑、范思轍、范若若、滕梓荊が酒楼に到着すると、店の前で「紅楼」を売りつけられました。
売り子に案内された范閑が元締めに会いにいくと、そこに居たのは以前にインチキ地図を売りつけてきた王啓年でした。
王啓年は一瞬のすきをついて逃げ出します。
范閑が酒楼に戻ると、金儲けに目がない范思轍が「紅楼」を売って儲けようと話を持ちかけてきました。
一方、酒楼の外では、現れた郭保坤(皇太子派)が「紅楼」を発禁にすると宣言します。
金儲けがしたいのに発禁されたら困る范思轍が文句をいいにいくと、郭保坤の配下に投げ飛ばされました。
それを范閑が助け、口八丁で郭保坤らをやり込めようとします。
そこへ、二皇子派の靖王世子(慶帝の弟の息子)が登場。
靖王世子はこの場を丸く収め、郭保坤や范閑を翌日の詩会に誘います。
范閑は参加を了承したあと、滕梓荊に頼まれた文書を探すために鑑査院へと向かいました。
【慶余年】5話の感想
滕梓荊の身に起きたことは気の毒ですが、かと言って嘘の証言をした夫婦も悪人というわけではなく、きっと脅されて逆らえなかっただけなのでしょう。
滕梓荊の言うように、正義感だけではどうにもならないのがこの時代。
でもきっと范閑ならば「どうにかしてくれる」と、そう思わせるだけの大物感がすでにあります。
一方の王啓年は、インチキ地図だけでなく「紅楼」まで売っているとはどれだけお金が好きなのでしょう!(笑)
同じくお金がダイスキな范思轍と気が合いそうな予感。
范思轍は普段はどこか抜けているけれど、金儲けの話になった途端にめちゃくちゃ計算が早くなるのには笑いましたし、お金の話になると生き生きするのがナイスなキャラです。
根は悪い子ではなさそうですし、范閑ともうまくやっていけそうな気がします。
【慶余年】6話のネタバレ
*分かりやすくお伝えすることを最優先にしているため、一部 シーンが前後している部分があります。
亡き母親の志し
林婉児と葉霊児は、范思轍たちの乗る馬車に出くわしました。
ちょうど范閑との結婚を断ろうと思っていた林婉児は、話がしたいから馬車から降りてきてほしいと呼びかけます。
しかし実は、馬車に范閑は乗っておらず、「俺の不在を悟られないようにしてくれ」と范思轍たちに言いつけていました。
范思轍は声だけ范閑に成りすましてこの場をやり過ごそうとしますが、林婉児は引き下がりません。
范思轍はとっさに「馬車に妓女を連れ込んでいるから」などと言ってしまい、范閑の印象を最悪なものにしてしまいます。
一方、鑑査院に到着した范閑は、そこで働く者たちから奇異の目で見られていました。
ところが、以前に師匠からもらった“腰牌”を見せると、その者らは急に低姿勢になり范閑を目的地の書庫に案内します。
書庫にいたのは、インチキ地図や「紅楼」を売っていた王啓年でした。
范閑はここでも腰牌を見せ「とある文書が欲しい」というと、王啓年は文書を探すのには時間がかかるから見つけたら屋敷に届けると約束します。
范閑は鑑査院を出る前に、師匠に見るようにと言われていた石牌を見に行きました。
するとその石牌には、時代を変えようとしているかのような平等思想が、亡き母親の名前とともに刻まれていたのです。
皇太子の策略
范閑が林婉児を娶れば、内庫の管理権は范閑に渡ります。
それを阻止したい皇太子は、2人の結婚を破談にさせるべく「范閑が郭保坤を殴った」という噂を流し 范閑の評判を落とそうとしました。
そうすれば、そんな男に娘を嫁がせたくない宰相(林婉児の父親)が 結婚を破談にするはずだと思ったからです。
その狙いどおり、宰相は慶帝に謁見しに行きます。
慶帝は、宰相が縁談破棄の話をしにきたと察し、宰相が話を切り出してくる前に会話を誘導して破談にはさませんでした。
お金に執着する理由
范思轍は父親の范建に跪かされていました。
それを知った范閑が范建に理由を聞くと……。
「皇太子派と二皇子派の者たちが 立て続けにお前の前に現れたのは、范思轍が情報を流したからではないか」と、酒楼での一件を疑っているようでした。
范閑はそれを否定し、証拠もなく跪かせたことを謝るべきだと言います。
さらに、「范思轍がお金に執着するのは、銭管理の役職についている父親を尊敬しており 無意識のうちに力になりたいと思っているからだろう」と推測を述べました。
現に、范思轍は父親を侮辱されて郭保坤を殴ろうとしたと。
それを聞いた范建は、范思轍に謝りはしなかったものの 1つ望みをかなえてやると范思轍に約束します。
【慶余年】6話の感想と考察
葉軽眉の情報まとめ!
范閑の亡き母親について少しずつ分かってきました。
彼女の言葉が刻まれた石牌を見るに、現代の思想にかなり近いと感じました。(やはり現代人?)
そして、その石牌が鑑査院に置かれているということは、院長の陳萍萍とも深い親交があったのでしょう。
本作には、本当にたくさんの伏線が盛り込まれているようなので、忘れないうちに母親について分かっていることをメモ。
・名前は葉軽眉
・范閑を生んですぐに暗殺された
・その暗殺者たちを始末したのは、鑑査院長と范建
・費介いわく、武術は天下無双だった(1話より)
・真気の奥義書を下僕の五竹に遺している
・形見の入った箱を遺している
・この世界にないであろうはずの品を次々に発明していた
・院長とは旧知の仲(1話より)
・鑑査院の設立に関わっている!? 革命を起こそうしていた!?
母親の名字が、1話で出てきた葉教授と同じなのは何か繋がりがあるのか、その辺りも気になるところです。
(葉霊児とも同じ名字ですね)
感想
以前に師匠が范閑に授けた鑑査院の腰牌は、よほど凄いものなのか見た人はことごとく低姿勢になります。
しかも、范閑はなぜか「提司」と呼ばれていましたが、調べたところによると「提司」は鑑査院の各主務と同等の立場のようです。
だから皆あれほど低姿勢だったのでしょう。
そんなすごいものを范閑に授けたということは、よほど范閑を守りたいのでしょうね。
「范思轍がお金に執着するのは、銭管理の役職の父親を尊敬してるからだ」という范閑の解釈が素敵でした。
実際には解釈と違ったとしても、范思轍の長所と本質を短期間の付き合いで見抜いたことが見事です。
范思轍が父親を尊敬していることは事実ですし、范閑の解釈は合っているように思えます。
范閑は王啓年のウソも涙目で聞いていたので、意外と情にもろい部分があるのかもしれません。