【慶余年~麒麟児、現る~】9話と10話。郭保坤を袋叩きにした范閑は、訴えられて裁判所に出向します。そこには、范閑を有罪にしたい皇太子や、皇太子と対立する二皇子までもが現れ……!? この記事では、ネタバレ・感想・考察をお届けします。
【慶余年】9話のネタバレ
口裏合わせ
范閑は妓楼を出る前に、司理理を薬で眠らせ部屋の襖を少し開けておきました。
しかし、戻ってみると襖が完全に閉まっていたため“司理理がひそかに起きたのではないか”と怪しみます。
カマをかけてみると司理理は見事に引っかかり、すでに目覚めていたことを白状します。
司理理に飲ませた薬は常人ならば朝まで目覚めないはずなのに、それが効かなかったということは薬の耐性があることを意味しました。
「君は何者なんだ」
范閑はただの妓女ではないと感付いたものの、「あなたこそ深夜どちらに?」と問われたためお互い詮索しないことにします。
「私たちが覚えているのは、一晩の慕情だけ」
2人はそのように口裏を合わせることにしました。
怒涛の裁判
翌朝にはすでに「范閑が郭保坤を暴行した」という噂が広まっていました。
范家にやってきた役人は、范閑を裁判所に連行しようとします。
二夫人や范思轍が役人を追い返したものの、実のところ、范閑が加害者であることは事実でした。
二夫人に本当のことを話せと言われた范閑は「やりすぎなぐらい殴った」と打ち明けます。
事実、郭保坤は全身包帯まみれになるほどの重傷でした。
裁判が始まると、証人として呼ばれた靖王世子と司理理が范閑のアリバイを証言します。
それにより范閑は無罪放免になるかと思われたところに、皇太子が現れ裁判を続けさせました。
范閑を有罪にして婚約を破談にさせたい皇太子は、司理理を拷問にかけ証言をくつがえさせようとします。
そこへ、二皇子までもが現れて拷問を止めます。
しかし、引き下がるつもりのない皇太子は、今度は滕梓荊を連れてこさせると“皇帝欺瞞の罪”で范閑を告訴しました。
「范閑は滕梓荊を殺したと偽りの報告をした」と。
すると滕梓荊が、自分が范閑を脅したからだといって刑罰を受けようとします。
そこへ、慶帝からのお達しが届きました。
「滕梓荊の一件は皇帝を欺いたことにはならぬ。皇子たちは裁きに口を出すな」
【慶余年】9話の感想と考察
たとえ相手が目上の人間(范閑)であっても、お金はきっちり、むしろ利子をつけて請求する王啓年のブレなさが笑えました。
そう言えば、范閑は「提司」なのでそこそこの身分なはずですが、滕梓荊はいっさい態度を変えていません。
相手が誰であっても態度を変えないところは、滕梓荊も范閑も同じで、そんな似た者同士の2人だからこそ友人になれたのかもしれませんね。
范家のメンバーも魅力的。
初めは范閑に敵意を抱いていた二夫人も范思轍も、今ではすっかり范閑を家族の一員として認めており、深まっていく家族仲が涙ぐましいかぎりです。
一方、全身包帯まみれの郭保坤にはつい笑ってしまいました。
彼が面白いというよりは、包帯まみれの彼を映す瞬間の演出が秀逸でした。
ただ冷静に考えてみると、郭保坤は妻子を殺しておらず無実なのに、あんなにボコボコにされて可哀想ではあります。
范閑は以前に「証拠もなく跪かせたのだから謝るべきだ」と父親に言っていましたが、郭保坤も無実なのだから殴ったことを謝るべきではないかと。
そうしなければ、范閑の言葉や人物像に説得力がなくなってしまいます。
とはいえ、郭保坤はもともと滕梓荊に役人殺しの罪を着せた人物なので、その報復で殴ったというのならばまだ納得はできるかも。
それはさておき、今回の裁判で不憫だったのは裁判長です!
皇太子と二皇子に挟まれての裁判は、さぞ胃痛だったことでしょう。
裁判では証人として靖王世子も召されましたが、もしかすると范閑はこのために靖王世子をあえて妓楼に誘っていたのではないでしょうか。
皇太子と争うことを見越し、二皇子派の靖王世子に証言してもらうために。
だとすれば、范閑はかなりの切れ者です。
【慶余年】10話のネタバレ
慶帝のお達し
慶帝のお達しによりピンチを免れた范閑でしたが、会ったこともない慶帝がなぜ自分を助けてくれるのかと疑問を抱きます。
それはともかくとして、これで滕梓荊は死んだふりをする必要がなくなり、堂々と暮らせるようになりました。
一方、今回の事件を審理した裁判長は慶帝に召されます。
本来であれば臣下は1人の君主に仕えるべきなのに、皇太子に忖度した裁判長は二心を疑われたのです。
暗に自害を促された裁判所は怯えるも、結局最後は隠居を命じられただけで済んだので安堵します。
しかし裁判長が帰ると、慶帝は「裁判長のもとに盗賊を送り込め。盗賊に殺されるがよい」と配下に命じます。
ツンデレ滕梓荊の決断
“鶏肉の君”こと林婉児のもとに、母親(長公主)からの伝言が届きます。
「范閑との縁談を破談にせよ。好きな人はいるのか」と。
林婉児は好きな人はいないと言いながらも、伝言を届けにきた侍女に「結婚相手は書生でも良いのか」と尋ねます。
(林婉児は范閑のことを書生だと思っている)
*
夜更けに范閑に会いにいった滕梓荊は、范閑の護衛として都に残ると告げます。
「愚か者のお前は、護衛(俺)なしじゃ生きられない。だから都に残る」
滕梓荊は以前からずっと危険な都を出たいと思っていたのですが、范閑のために留まることにしたのです。
鶏肉の君を探しに
今や范閑の評判は地に落ち、司理理との噂も広まっていました。
それらは結婚を破談にするために范閑が仕組んだことでしたが、慶帝の意向により縁談は継続されたままでした。
こうなったら、鶏肉の君に会いに行って娶ってしまおうと思った范閑は、すぐに靖王世子の屋敷へ行き“鶏肉の君”を探します。
しかし、そもそも彼女は靖王世子の屋敷の侍女ではないため見つかるはずがありませんでした。
【慶余年】10話の感想
このドラマ、本当に最高のキャラばかりで面白いです。
二皇子にしても、まだ出番は少ないながらもキャラが立っています。
二皇子からしてみれば、皇太子に盾をつく范閑に対して「いいぞもっとやれ」という感じなのでしょう。
その心の声が、しっかり態度に出ているのが笑えます。
滕梓荊も本当に最高のキャラで、あんなに都を出たがっていたのに留まることにしたのは他ならぬ范閑のため。
けれども素直にそうは言わず、「愚かすぎるお前には護衛(俺)が必要だ」とぶっきらぼうに告げるツンデレ具合が最高でした。
2人にはこのままずっと良き友人でいてほしいものです。
一方、相変わらずよく分からないのが慶帝の真意。
彼の言葉には裏の裏があるため、時に異国語よりも難解です。