【慶余年~麒麟児、現る~】23話と24話。林婉児は范閑をだましてしまったことを謝罪します。范閑は彼女を咎めることなく受け入れ、二度とだまさないことを誓い合いました。翌日、范閑は後宮の妃たちに挨拶まわりをすることになり……!? この記事ではネタバレ感想と考察をお届けします。
【慶余年】23話のネタバレ
四大宗師と五竹
慶帝は太平別院に侵入した范閑をやんわりといさめた後、「明日参内して妃たちに挨拶するように」と命じました。
范閑が野遊びに戻ると、林婉児は宰相(父親)が企てた計画を打ち明け、范閑のかわりに皇太子が捕まってしまったことを話します。
そして林婉児は、皇太子が教えてくれたという“林珙を殺した犯人の情報”を宰相に伝えてほしいと范閑に頼みました。
一足先に林家に着いた范閑は、林婉児に頼まれたとおり皇太子からの伝言を伝えます。
「手下人は四大宗師で間違いない」と。
それは、遺体の傷跡から確定している情報でした。(実際に殺したのは、四大宗師と同じ腕前を持つ五竹ですが)
宰相はすでに四大宗師のことを調べており、4人のうち3人は事件当時のアリバイがあるので残りの1人が犯人だろうと目星をつけます。
その時、参謀の袁宏道が慌ててやってきて、手下が皇太子を誤って捕らえてしまったことと、なぜか皇太子が宰相と范閑に会いたがっていることを報告しました。
それを聞いた宰相たちが皇太子に会いに行くと、手を組みたいと言われます。
宰相は皇太子と反目するわけにもいかないので同意をするしかありませんでした。
部屋の外では、皇太子を救出するという名目で現れた二皇子とその護衛が、見張りの者たちを皆殺しにしました。
その後。
帰宅した范閑は、皇太子が本気で自分を取り込もうとしていたことから、自分を暗殺しようとした黒幕は別の人間かもしれないと思い始めます。
*
五竹は范閑に、太平別院に鍵がなかったのなら皇太后の手にあるはずだと話します。
しかし、四大宗師と思わしき人物が皇太后を護衛しているし、宮殿には禁衛軍がいるため簡単には鍵を盗めません。
そこで范閑は、翌日の参内に若若を同行させルート探しを手伝わせることにしました。
星空の下で
夜にこっそり屋敷を抜け出した林婉児は、范閑に会いに行きました。
林婉児は幼い頃から家族と離れて過ごした心細さや、病のために人と距離を置いて生きてきた孤独を打ち明けます。
そんななかで范閑と出会い、誰かがそばに居てくれる幸せを感じられたことも。
けれど今、林婉児は范閑が自分から離れてしまうのではないかと恐れていました。
そんな林婉児の気持ちを聞いた范閑は「1人にはしない。ずっとそばに居る」と伝えます。
范閑の言葉に涙があふれ出した林婉児は、だましてしまったことを謝罪し、この星空が自分の心のなかで一番美しいものだから贈りたいと言いました。
「それ以外に、何を贈っていいか……」
「この星空をくれたんだ。ほかに何も欲しくない」
2人は今後は二度とだまさないことを誓い、体を寄せ合いながら星空を見上げました。
「四大宗師」考察&23話の感想
1話で「五竹は四大宗師と同じぐらい強い」という説明がありましたが、それが今になってこんなにストーリーに深く関係してくるとは、脚本の綿密さに驚かされます。
同じく1話でこんな会話がありました。
師匠「五竹は4大宗師と肩を並べる強さ」
范閑「母上はもっと達人?」
師匠「確かに天下無双だったな」
五竹と同じぐらい、もしくはそれ以上の強さだとすれば、もやは四大宗師と同レベルだということ。
もしかすると、判明していない四大宗師のあと1人とは、范閑の母親なのでしょうか?
でも宮中にいる人物だとすれば母親ではないですよね、まさか慶帝?(華麗な宙返りも披露していましたし)
*
皇太子は比較的わかりやすい人物のようにも見えますが、まだ本当の顔は見せていないようにも思えます。
それというのも、彼の言動にはムラがあるのでどれが本当の顔なのか判断しづらいのです。
あっさりと己の罪を認めるときもあれば、浅慮なときもあり、感情的になったり、実力行使で強行突破するときもあります。
それは言い換えれば、その場に応じて言動を使い分けていることになり、本当の姿を見せていないということでしょう。
おそらく、彼の本質は慎重で用心深い性格ではないかと。(想い人と思われる女性画に顔を描いていないことなどから)
ともかく、胸の内が読めない登場人物たちの会話劇は毎回見ごたえがあります。
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一時は悲恋がチラついたこともありましたが、范閑と林婉児のわだかまりが解けて良かったです!
自分の持ち得るものの中で“一番美しいもの”を贈りたいという林婉児の純粋さにホロリとしました。
しかも、それが星空だなんて。(素敵)
星空以外には何を贈っていいか分からないという彼女に対して、范閑が返した言葉も100億点の答えでした。
「ほかには何もいらないよ」
2人がお互いを想い合う、純粋なやり取りに心が洗われるようです。
お互いを尊んでいることが伝わってくる素敵なシーンでした。
【慶余年】24話のネタバレ
黒幕の自白
二夫人や若若と一緒に参内した范閑は、後宮の妃たちに挨拶をして回ります。
皇太后には直接会えず、お付きの太監が「林婉児を傷つけたら命はない」と伝言を届けにきました。
范閑も返事をかえします。
「皇太后に言われたからでなく、自分の意志で彼女のそばにいて真ごころを尽くす」
なんだかんだと全ての面会を滞りなく終えた范閑のもとに、長公主の使いがやってきて長公主と引き合わされました。
長公主は范閑に頭のマッサージをさせながら世間話をはじめます。
滕梓荊が死んだ話になると、長公主は范閑を慰めたかと思えば急に笑いだしました。
「今のセリフは面白かったわ。暗殺を計画した自分が、狙われた者を慰めるなんてね」
長公主のこの言葉は、自分が黒幕だと自白したようなものでした。
范閑は一瞬殺意がわいたものの、ここで長公主に手をだせば自分が殺されると気づいて思いとどまります。
その予想どおり、部屋の外には手練れが2人控えており、范閑が手をだせば殺す段取りになっていたのです。
范閑は「先はまだ長い」と言い残して立ち去ります。
使者の接待
北斉との戦争は順調に進み、和平交渉のために北斉の使者がやってきます。
和平交渉の場には、宰相と皇太子に推薦された范閑が同席することになりました。
【慶余年】24話の感想
後宮で挨拶まわりをした范閑は、愛嬌をふりまいたり表情がコロコロ変わったりと、その可愛さから目が離せませんでした。
臨機応変に対応する柔軟さもありますし、大抵の人に気に入られていることから、范閑には人たらしの才能がある気がします。
それにしても、このドラマは出てくるキャラが全員濃い!
今回登場した中では、二皇子の実母が個性的で、書物オタクで不思議ちゃんなキャラには笑ってしまいました。
でも一番の衝撃は長公主。
突然わらいだして自分が黒幕だと告げたシーンは鳥肌がたちました。
ただ彼女が本当に黒幕かどうかは分かりません。
もしかしたら、縁談を破談にするために、范閑を煽って自分を襲わせようとしただけという可能性もありそうです。