【慶余年(けいよねん)】25話と26話。鑑査院長は、各主務が集まった席で「鑑査院は范閑に継がせる」と発表します。一方、北斉との和平交渉は順調にすすんでいましたが、状況が一転する知らせが飛び込んできて……!? この記事ではネタバレ感想をお届けします。
【慶余年】25話のネタバレ
次期院長
四処主務の言若海は、“戦争強行派”のメンツを煽り鑑査院長(陳萍萍)を暗殺しようとしていました。
院長を殺して鑑査院をのっとれば、“戦の強行”を慶帝に促すことが容易になるはずだと説き、みんなをその気にさせたのです。
一方、六処主務の影子から「鑑査院長の命が狙われている」と知らされた范閑は、急いで鑑査院へ向かいます。
范閑らが到着したとき、院長を狙う反逆者たちが付近まで迫ってきていたので、范閑らは地下牢から最深部へと逃げ込みました。
途中で司理理が心配になった范閑は、地下牢に引き返して彼女を牢から出すと、一緒に最深部へ連れていきます。
ところが、最深部は行き止まりになっており退路はありません。
命がけで戦うしかないと覚悟する范閑に、影子は「院長の首を差し出せば、他の者は生きられる」と提案します。
范閑が提案にのらずにいると、影子は1人で駆け出し 反逆者たちを軽々と一掃しました。
実はさきほどの影子の提案は、范閑を試すためのテストだったのです。
さらに驚くべきことに、院長は自分の命が狙われていることを知っていました。
知っていながら、鑑査院に潜む裏切り者たちをあぶり出して一掃するために、あえて野放しにしていたのです。
一段落したところで、院長は各主務を集めて「范閑に鑑査院を継がせる」と発表しました。
院長と2人きりになった范閑は、自分には鑑査院を継ぐ資格はないと伝えます。
すると院長は、もともと鑑査院は范閑の母親が創設したものだから“返す”だけだと言うのです。
帰宅後。
院長に言われたことや長公主について思案していた范閑は、五竹に「気が乱れている」と見抜かれたので本心を語ります。
滕梓荊を殺した黒幕が長公主だと分かったけれど、林婉児の実母だから殺す以外の方法で報復するつもりだと。
捕虜の解放
北斉との和平交渉が始まりました。
その場には、副使殿として范閑も同席しています。
こちらが優位になるよう話をすすめていたところに、重大な知らせが飛び込んできました。
それは
“密偵として北斉に潜んでいた言氷雲が捕らわれた”
という知らせでした。
そこから状況は一転し、北斉が優位に交渉をすすめます。
最終的に北斉は、以下のような要求をしてきました。
「言氷雲を返してほしければ、北斉の捕虜である肖恩と司理理を引き渡せ」
慶帝はその条件を飲みました。
【慶余年】25話の感想と考察
命を狙われた鑑査院長がやけに落ち着いていたのは、あえて命を狙わせていたからだったとは……。
もう、どこからが院長の策で、どこまでが相手の策なのか分からなくなってきました。
院長の命を狙った黒幕については、素直に解釈するならば言若海ということになりますが、裏の裏まで考えてしまいます。
実は言若海は黒幕ではなくて、院長に従って鑑査院の裏切り者をあぶりだしただけなのでは?と。
その理由は、20年以上も副院長をつとめる言若海ならば、影子が1人で反逆者たちを処理できることぐらい分かっていたはずだからです。
一方の長公主も、本当に黒幕なのかはまだよく分かりません。
たとえ黒幕だとしても、范閑は林珙の時のように軽率に殺そうとは思わないはず。(林珙が死んだときの、家族の悲しみを目の当たりにしたから)
そして気になるのが影子の存在です。
彼はいつも顔を隠していますが、もしかしたら范閑の身近にいる誰かなのでしょうか。
中国では放送当初、キャストのクレジットに影子の役名も俳優名も載っていなかったことから、影子の正体について熱い議論がなされたようです。
【慶余年】26話のネタバレ
北斉との交渉が無事に終わると、慶帝は祝いの宴を開くと宣言しました。
その宴に参加することになった范閑は父親に呼ばれ、「お前は国の文壇の期待を一身に背負っている」と言われます。
父親によれば、文人の最高峰は北斉の荘墨韓だとされているが、それに対抗できるのが范閑とのこと。
一方の荘墨韓は、何者かから「宴の席で范閑の名声を貶めるように」と命じられました。
宴の当日。
范閑が会場に到着すると、以前ボコボコにした郭保坤が因縁をつけてきましたが適当にあしらいます。
少しすると長公主に呼ばれ、もしも自分に忠誠を誓うなら林婉児を嫁がせてあげるし他の望みもかなえると言われましたが范閑は「なら都を出て行ってくれ」と言葉を返しました。
そこへ、慶帝が到着。
宴が始まると、二皇子が次の科挙の試験を范閑に仕切らせてはどうかと提案し、范閑を取り込みたい皇太子も慌てて賛同しました。
しかし、荘墨韓が慎重になるべきだと提言します。
すると突然 長公主が割って入り、荘墨韓を咎めるフリをしながら話の流れを“范閑の詩”へと誘導します。
荘墨韓も呼応するかのように詩の話を切り出し、「范閑が詠んだ詩は盗作です。後半の4句は私の師が書いた」と訴えました。
その証拠として、師匠が書き残したという古い巻物を提示します。
【慶余年】26話の感想
范閑は7話で披露した詩(登高)のせいで、すっかり文人として期待されています。
あの時点では、まさか国の期待を一身に背負うことになるとは、范閑も思っていなかったでしょうね。
詩は范閑が作ったものではないので盗作は事実ですが、師が書いたという荘墨韓の主張も明らかに嘘。
つまりは噓と嘘のだまし合いなわけですが、どのように決着するのか次回が楽しみです。
ところで、近ごろの皇太子は范閑を取り込もうとしていますが、どこまでが本心なのかは謎。
というのも、彼はもともと長公主と手を組んでいたはず。
それなのに范閑を取り込めば、長公主を裏切ることになるのでは?
それとも、長公主のために范閑を取り込もうとしているのか……?
今や范閑は、鑑査院長や慶帝に目をかけられ、内庫と鑑査院を引き継ぐ「とことん有望な人物」です。
そんな彼を、周囲が味方に引き込もうとするのは当然かもしれません。