【慶余年~麒麟児、現る~】29話と30話。范閑はひとまず手紙のことは忘れてこの世界で生きていくことを決意します。そんな中、後宮に侵入したことを院長に知られてしまい……!? この記事では、ネタバレ感想と考察をお届けします。
【慶余年】29話のネタバレ
院長のバックアップ
母親からの手紙を読んだ范閑は、真相を究明したい気持ちはありながらも、しばらくは手紙のことは忘れて この時代で大切な人を守りながら生きていくことを決意しました。
そんな彼のもとに王啓年がやってきて、昨夜の後宮への侵入が鑑査院長(陳萍萍)にバレてしまったことを報告します。
ニセモノの鍵を作らせた鍵師が、院長の手の者だったのです。
ただ幸いなことに、院長は後宮に侵入した范閑を咎めるどころか、応援メッセージを届けさせました。
「存分にやれ。綻びがあれば私が繕ってやる」
そうして院長のバックアップを得た范閑でしたが、近いうちにニセモノの鍵を皇太后の部屋に戻さなくてはなりません。
しかし、昨夜の侵入により 後宮の警備は鉄壁になってしまいました。
そこで范閑は、皇宮育ちの林婉児に参内するように頼み、自身は太監として同行することにします。
范閑は太監らしく振るまうため、林婉児と礼儀作法の練習(という名のイチャコラ)をしてから本番に臨みました。
数刻後、范閑は無事に宮中入りすることができました。
林婉児が皇太后を庭へ連れ出している間に、范閑は鍵をもどすことに成功します。
長公主の糾弾
書籍を司る鑑査院八処のサポートのおかげで、范閑は名実ともに詩神となり、街では文人たちが范閑の詩を褒め称えていました。
そんな中、空から大量の紙が降ってきてます。
その紙には “長公主が敵国の北斉に言氷雲を売った” と書かれています。
書いた張本人である范閑は、自分が書いたとはバレないはずだとタカをくくっていました。
しかし、紙の材質から范思轍の書店のものだと割り出した院長にはすでにバレており「紙に書かれていることは事実なのか」と問われます。
范閑は実際に聞いたから事実だと答え、長公主を失脚させるつもりだと話しました。
院長はまたしても范閑をバックアップするつもりらしく、長公主を追い詰めるための証拠をすでに掴んでいるとのことでした。
院長はその後、集めた証拠(長公主が庄墨韓と密会したことや、郭攸之との結託)を慶帝に報告します。
慶帝は長公主に事実かと問い詰めました。
すると長公主は、荘墨韓に会ったことや 郭攸之と結託したことは認めたものの、言氷雲を売ったことに関しては否定します。
その結果、郭攸之(郭保坤の父親)だけが捕えられました。
【慶余年】29話の感想と考察
前回はSFチックな展開になり どうなることかと思いましたが、いつも通りの世界観に戻って一安心。
でもきっと最終的には“この世界”の真実を探るために、池の仕掛けを動かすのでしょうね。
今回は、林婉児が久しぶりに登場!
范閑と太監ごっこをするシーンがとても可愛らしく、やはりこの2人はずっと見ていられます。
一方、院長は相変わらずの鋭さですし、有能ぶりにはいつも驚かされます。
そんな彼が全力で范閑をサポートしてくれるので心強いかぎり。
でも院長が、なぜこれほどまでに范閑を守ろうとしているのか、その理由はよく分かっていません。
葉軽眉に心酔しているから?
それとも、范閑は院長の息子なのでしょうか?
一方の郭保坤はあまり善良とは言えないものの、捕らえられた父親のことを心から心配して半泣きになったりと、やはりどこか憎めません。
【慶余年】30話のネタバレ
*一部 シーンが前後している部分があります。
鑑査院長の誘導
長公主は徒党を組んだことは認めたものの、言氷雲を売ったことについては決して認めませんでした。
それどころか、范閑に罪をなすりつけます。
長公主の主張は以下のとおり。
・范閑はかつて、言氷雲が北斉に左遷される道中で言氷雲と出会っている
↓
・だから范閑は、言氷雲が北斉に潜入したことを知っている
↓
・范閑が言氷雲を売った張本人である
しかし長公主のこの発言は、わざと院長が誘導して言わせたものでした。
范閑が言氷雲に会ったこと。
これを知るのは鑑査院のごく一部の人間だけなはずなのに、長公主が知っているということは、鑑査院の誰かと結託しているということでした。
そして、慶帝直属の鑑査院と結託することは、慶帝の権力に手をだすということ。
それを、慶帝が容認するわけがないのです。
そこまで読み切ったうえで、院長は会話を誘導していたのでした。
慶帝はこの場では裁決を下さず、さらに詳しく調査するよう命じます。
一方で范閑は、郭保坤に「父親(郭攸之)を助けてほしい」と泣きつかれますが断りました。
裏切り者の正体
長公主を失脚させるつもりが、逆に嫌疑をかけられてしまった范閑は打つ手なしだと諦めかけます。
そんな范閑に、院長は長公主がすでに罠にかかったことを教えました。
慶帝の前で長公主をわざと誘導し、范閑と言氷雲が会ったことを知っていると言わせ、それが慶帝の逆鱗に触れたはずだと。
さらに院長は、長公主と通じている鑑査院の裏切り者も捕らえるつもりだと言います。
*
言若海は朱格から手下を借りました。
そして、言若海はその手下たちを連れて、長公主と荘墨韓の関係を証明できる証人の引き渡し場所へいきました。
すると、手下たちは口封じのために証人を殺し言若海をも包囲します。
そこに朱格が現れ、言若海を殺そうとしました。
朱格のこの行動により、言若海は“長公主と繋がっていた裏切り者は朱格だったのだ”と悟ります。
朱格は誰も言若海を助けにこないはずだと確信していましたが、予想に反して范閑と院長が現れます。
実は、ずっと前から朱格を裏切り者だと疑っていた院長は、言若海と協力して朱格が尻尾を出すのを待っていたのでした。
今回のこと(証人の引き渡し)も院長の罠で、言若海は院長の協力者だったのです。
先日の院長暗殺事件に関しても、言若海は院長に協力していました。
包囲された朱格は負けを認め、長公主と結託していた理由を以下のように話します。
- この国の優秀な者はみんな鑑査院に入るため、戦力が鑑査院に集中している
- そんな鑑査院が野心のある者の手に渡れば国が危うくなる
- 皇子の手に渡るのも危険
- 皇族かつ女性である長公主が管理をするのが最適解だと考えた
つまりは、国のために長公主と結託していたというのです。
すべてを聞き終えた院長は、朱格を都に連れ帰れば各所から尋問されて屈辱を受けることになるからと、尊厳を守るための自害を許可します。
朱格はそのことに感謝し、最後まで国を憂いて自害しました。
証人になるためにこの場に来ていた洪公公は、すべてを見届けたあと皇宮にもどり慶帝に報告します。
すると慶帝は長公主を呼びつけ、部屋の外で跪かせたまま放置します。
一方の皇太子は、かなり慌てた様子で……。
【慶余年】30話の感想
言若海が怪しかったのはミスリードで、実際の裏切り者はまさかの朱格でした。
彼は頑固で厳しいところがあるけれど悪い人ではなさそうだったので、このような末路は少し残念。
けれど、国への忠心と信念を抱いたまま尊厳のある最期を迎えられたことは良かったのかもしれません。
思い返してみれば、朱格が黒幕(長公主)と繋がっていることを示す伏線はたくさん張られていました。
- 程巨樹(北斉の猛者)の解放を決定したのは朱格だった(たぶん長公主の命令?)
- 范閑が司理理を追跡するために都を出ようとした時、朱格が阻んだ(=司理理が捕まって黒幕を吐いたら困る)
- 一処の監視をすり抜けて荘墨韓が姿を消したこと(朱格の手引きだったのだと思われる)
ざっと思いついたのはこれぐらい。
ともあれ、これで長公主も言い逃れはできないはずです。
でもそんな長公主よりも、なぜか皇太子のほうが焦っていたのは意外でした。
皇太子があれほど慌てていたのは、自分の関与もバレてしまうからなのか、それとも長公主が思い人だからなのか……。
次回も面白い展開になりそうです。
一方、逆恨みで敵対するかと思われた郭保坤が、まさか范閑に助けを求めにくるとは予想外。
プライドを捨ててまで 自分をボコボコにした范閑に泣きすがるなんて、よほど父親のことを助けたかったのでしょうね。
でも結果的に、断った范閑を恨んでしまいました。
2人の和解が見られるかもと期待していただけに少し残念です。