『ストロベリーナイト・サーガ』4話では、JK(女子高生)が絡む殺人事件と、かつて姫川を襲った事件に纏わる苦悩が中心に描かれました。
”社会性なんて関係ない”と考える少女の言葉は、まるで現代社会の闇を映し出しているかのよう。
そして、自身も犯罪被害者だといっていた姫川。
彼女に一体な何があったのか。
ドラマ『ストロベリーナイト・サーガ』
4話あらすじ
東京板橋区にあるアパートの一室から男性の刺殺死体を発見。被害者は数か所を刺されており、調査の結果外傷性ショック死とみられました。
被害者は、このアパートに住む吉原秀一(小林隆)で、凶器となった包丁はこの部屋の物であると断定。さらに指紋は拭き取られていた形跡があることもわかりました。
死体の傍にある印に気づいた姫川(二階堂ふみ)は、高島平南署の相楽巡査部長(宮地雅子)から被害者のものと思われる携帯電話を見せられます。
相楽によると携帯には「0456666*」と、打ち込み途中の番号が表示されていたとのこと。さらに姫川は、部屋の様子から吉原がマジシャンであることもわかったのです。
高島平南署に捜査本部が立ち上がると、姫川たちは携帯電話に登録してある人物から調べを進めることにしました。
ところが、その登録者のなかに捜査一課の勝俣(江口洋介)の電話番号あったのです。姫川は勝俣を問い詰めるも、知らないの一点張り。姫川はこの件を今泉係長(山口馬木也)に報告し、一旦係長に預ける形となったのです。
ドラマ『ストロベリーナイト・サーガ』4話の解説と感想
姫川が苦悩する過去の事件
姫川はかつて、犯罪被害者であると告白していました。その事件について明かされていませんでしたが、今回はフラッシュバックで描かれています。
姫川がまだ高校生だった頃、帰宅途中で男にレイプされ脇腹を刺されていたのです。ちょうどその日は母が外出しており、父も飲みに行って留守でした。
幸い、姫川は命に別状はありませんでしたが、心に大きな傷を負ってしまったのです。さらに、母は親戚から「母親が出かけているから娘がそんな目にあったんだ」と責められ、父も自分を責め”酒”をやめたのです。
姫川自身だけではなく、家族も傷を負ってしまった悲しい事件。この事件を担当した佐田という女性警官がいました。彼女は、一生懸命に姫川に寄り添ってくれましたが、犯人を逮捕する際に殉職。
この事件の裁判が行われると、弁護士は「被疑者は被害者が抵抗するのを喜んでいるだけ。姫川が抵抗せず”合意の上”だったから刺されたのではないか」と言うのです。
これに姫川は「ナイフで脅されたあと、また殺されるかもしれないと抵抗を諦めたことが合意どうして合意になるのか、それなら命がけで犯人を捕まえた佐田さんも殺される覚悟をしていた。だから死んでも当損ということなのか」と大声で叫びました。
その時、裁判所にいた佐田の同僚たちが全員起立し、目を潤ませながら彼女に敬礼を捧げたのでした。
姫川は、夏になると事件を思い出すし怖くて仕方ない、だけど自分は乗り越えて警察官になった。これもすべて佐田のおかげだと思っているようです。
現代社会の恐ろしさが浮き彫りに
事件ではもうひとり被害者がでました。ただ、鑑識の結果、2人の被害者は同じ症状で亡くなっていたとのことで、捜査は殺人事件となります。
調べた結果、浮かび上がったのはある女子高生でした。
少女を取り調べたのは姫川で、自分には社会性なんて関係ないと非協力的な態度で接する少女に”言葉の制裁”を与えます。
少女は、今回亡くなった2人に対して売春行為を行っていたこと、別の客のひとりから「快楽を得る薬」と称したものを受け取り、その薬を亡くなった2人に渡していたことが判明しました。
少女は、自分は殺人なんて犯していないし、薬の中身も知らなかったと関与を否定。
薬には微量の覚せい剤も含まれていたこともあり、姫川は少女に”間接的にでも殺人を犯したことには変わりない”と強く言ったのです。
被害者2人は、ネットで知り合った少女の客で、少女に薬を渡したのもまた彼女の客でした。
被疑者は少女に、付き合ってほしいと言うも断られた腹いせに薬を渡したのです。
そんなことがあった後も少女は、反抗的な態度で姫川に牙をむきます。
その瞬間、姫川は少女に拳を上げ、壁に一発食らわせたのです。
壁には姫川の拳の痕がくっきりと残っていました。
この一撃は、社規制が失われつつある現代へ向けた怒りの現れでしょう。
ネット上では、他国の人々や同じような趣味を持つ人と知り合えたりとメリットも多い中、こういったネット絡みの事件は絶え間なく起こっています。
ネット上でやり取りをしている間に、”知り合い意識”が膨らみ、会った事も無い人を知っていると思い込んで油断してしまう。
そんな現代社会にメスを入れていると思えるような事件でした。
4話視聴率:6.7%