【ワイスピ10/Fast and Furious 10】後任監督を見つけるのは ”困難を極める”

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【ワイルド・スピード】シリーズ最新作【Fast and Furious 10】の監督を務めていたジャスティン・リンが降板したとの発表があり、ユニバーサルによる後任監督探しは難航しているようだ。リン監督の降板の裏には、豪華キャストの影響が垣間見える。

*Dramasnote編集部

「ワイルド・スピード」オフィシャルサイト

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インスタがアップされてからたった4日後の降板劇

2022年4月22日にヴィン・ディーゼルが、【Fast and Furious 10】の製作第1週を振り返る動画を自身のインスタにアップしたばかりだった。

https://www.instagram.com/p/CcqfJkADqkW/

そして昨日(2022年4月27日)。

ジャスティン・リンが【Fast and Furious 10】の監督を降板したと言う衝撃のニュースが報じられた。

ヴィン・ディーゼルは絶えず笑顔を見えていたが、ジャスティン・リン監督は何か落ち着かない様子で「壮大なエンディングの始まりのような気がする」と語っている。

シリーズ10作品のうち5作品の監督を務めてきたジャスティン・リン監督。

ヴィン・ディーゼルがインスタをアップしてからわずか4日で監督を降板した。

もしかしたらリン監督はこの時すでに何かを予感していたのかもしれない。

リン監督は、公式SNSで「ユニバーサルの支援を受け、【Fast and Furious 10】の監督から退くという難しい決断をしたが、プロデューサーとしてプロジェクトに残る」とコメントしている。

リン監督は【ワイルド・スピード:Tokyo Drift】(2006)からプロジェクトに参加して以来、【ワイルド・スピード MEGA MAX】(2011)を含む数作品で評価の高い作品の監督を務めてきた。

そして2021年公開の【ワイルド・スピード/ジェットブレイク】(2021)では、作品をアクションを越えた新しいジャンルへと引き上げている。

また、リン監督の降板は創造力の違いによるものであり、友好的なものだと伝えられている。

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 リン監督の降板は豪華キャストを維持するため

【Fast and Furious 10】は2023年5月19日に劇場公開を控えており、これに間に合うように後任を見つけることは非常に困難である。

米Variety誌が得た情報によると、制作側が直面している最大の課題は時間とのこと。

現時点で、英国で撮影中の第2制作隊は続行し、メイン制作隊が後任の監督が決まるまで一時撮影を休止するようだ。

なお、途中で監督を交代した経験のある別のスタジオ関係者は、既に制作が始まっていることから主要キャストやスタッフをキープするため、セットの製作も進行中であることから膨大なコストが掛かる。

ユニバーサルは1日60万~100万ドル以上の負担を掛けている可能性があると推定している。

アクションシーンが大きければ大きいほど、遅延はよりコストがかかると話していた。

リン監督は、大きなコスト超過を避けるために撮影の初段階で監督降板を決断したのではないかと米Variety誌は報じている。

また、【Fast and Furious 10】の新キャストであるジェイソン・モモアとブリー・ラーソン、そして悪役サイファーとして3度目の出演となるシャーリーズ・セロンの問題もある。

3人とも本作のために多大な時間と注意を要しており、もし撮影が遅れるようなことがあれば彼らの多忙なスケジュールに対応するために更なる費用がかかる恐れがあるのだ。

リン監督降板の発表は、リン監督の代理人や彼の個人的なソーシャルメディアではなく、【ワイルド・スピード】のソーシャルメディアチャンネルで行われたことも注目を集めている。

このような形式をとっていることからユニバーサルは彼の決断をある程度事前に把握しており、そのため後任を探し始める時間があったのだと思われる。

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 後任の監督探しは難航か

リン監督の後任には【ワイルド・スピード】シリーズを熟知している人物を迎えるのが最も理想的だが、問題はリン監督以外に【ワイルド・スピード】シリーズの監督経験を持つのは5人だけということだ。

【ワイルド・スピード】(2001)のロブ・コーエン、【ワイルド・スピードX2】の故ジョン・シングルトン、【ワイルド・スピード SKY MISSION】(2015)のジェームズ・ワン、【ワイルド・スピード ICE BREAK】(2017)のF・ゲイリー・グレイ、【ワイルド・スピード/スーパーコンボ】(2019)のデヴィッド・リーチである。

この中から最も有力な選択肢となるのは、ジェームズ・ワン、F・ゲイリー・グレイ、デヴィッド・リーチの3人だろう。

しかし、ジェームズ・ワンは2023年3月公開予定の【アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム】(2023)で監督を務めているため、他の作品に目を向けることは難しい。

F・ゲイリー・グレイはケヴィン・ハート主演の映画【リフト】の撮影の真っ只中であり、デヴィッド・リーチもライアン・ゴズリング主演の【The Fall Guy】の製作を間もなくに控えているため不可能と考える。

残るはロブ・コーエンただ1人だが、彼は2018年に複数の性的暴行疑惑が浮き彫りになって以来、映画の監督をしていない。

とあるライバルスタジオの幹部によれば、ユニバーサルは腕利きのセカンドユニット監督として、大予算のアクション映画に精通した監督を探している可能性があると推測している。

一流の映画監督ともなると脚本に変更を加えたり、物語に入り込むための時間を要するため、それらが確保できないならば本シリーズへの参加を望まないかもしれないからだ。

ヴィン・ディーゼルは本作でもプロデューサーを務めており、脚本の初稿ではジョーダナ・ブリュースター演じるミアが登場しなかったことに「私はとてもガッカリして、どうやったら続けられるかわからなかった」と苦言を呈した後、【Fast and Furious 10】にもジョーダナ・ブリュースターが参加することが決まった。

とはいえ、全てがヴィン・ディーセルの思い通りになるわけではなく、ルーク・ホブス役のドウェイン・ジョンソンへの復帰オファーや、ドミニクの祖母役としてのリタ・モレノへのオファーは失敗に終わっている。

いくらヴィン・ディーゼルと言えども監督の座に就く可能性は決して高くはなく、ユニバーサルが彼よりも経験豊富な監督を求めているのは間違いないだろう。

本ページの情報は2022年4月時点のものです。最新の配信状況は公式サイトにてご確認ください。

Writer

Ojikan

ジャンルにこだわらず様々な作品を視聴。何よりも作品との出会いそのものが好きです。好きなドラマは【ユニークライフ】(2017)と【トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜】(2016)。自分が感じた作品の魅力を余すことなくお伝えします。

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