『ザ・ソサエティ』シーズン1ネタバレと感想。危険と裏切り、壁に書かれた文字の意味とは?

サスペンス
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作品情報

Netflixオリジナルドラマ『ザ・ソサエティ』シーズン1。富裕層の人々が暮らしていた町で、突然大人が消えてしまう。残された高校生たちは生きる術を探そうとするも、危険と裏切りが彼らに襲い掛かる!彼らはなぜ取り残されたのか、壁に書かれていた文字の意味とは?通常の学園ものとは違う、緊張感漂うストーリーにくぎ付けになる!

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【ザ・ソサエティ】あらすじ

裕福な人々が暮らしていたウェストハムの高校では、予定通り16歳以上の少年少女たちのキャンプが行われました。ところが、道がふさがっているという理由でキャンプが中止。数百名の生徒たちは学校に引き返すことになりました。学校に到着したのは夜でしたが、誰の親も迎えに来ていません。

キャンプ中止を知らないのかも?と、それぞれが歩いて自宅に帰っていきました。ところが、家には親どころか弟や妹もいない。そう、彼らは忽然と消えてしまったのです。連絡が取れるのは、キャンプに参加した高校生の間のみ。

インターネットも使えない状況に戸惑いつつも高校生たちは、もう一度集まり始めます。それでも、文句を言う大人もいないという解放感から、彼らは食料品店から酒や食べ物を持ち出し、あろうことか教会でどんちゃん騒ぎをしだしたのです。

しかし、羽目を外した彼らとは違い、事態を重く見ていたカサンドラ(レイチェル・ケラー)は、今後のことを考えて生き抜く術を提案します。みんなに公平に行き渡るよう食料は管理して、決まった時間内に食堂のみで食べること。

食べに来られない者には配給し、掃除、ごみ収集、料理などすべてを当番制にして、理由なくして休んだ者は食事を半分に減らすなど、さまざまな”仕事”と”決まり”を考えたのです。

治安を守るためには当たり前のことで、この先、大人が戻ってくるかも分からない状況で、今の自分たちが出来る最善のこと、そしてやるべきことを提案しました。次第に彼女はリーダーとなり、皆を率いていく立場になりましたが、必ずしも彼女に同意する者ばかりではなかったのです。

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『ザ・ソサエティ』シーズン1の解説

壁に書かれた文字の謎

1話で映し出された壁に書かれた謎の文字「Mene Mene Tekel Upharsin」は聖書の言葉で、「数えたり 量れり 分かたれたり(神が貴方の御世を数え、罪を量り、富みと国を分かたれる事に決めたのです。
もはや決定は下されました)」

誰も気に留めなかった文字の意味。唯一、グリズ(ジャック・マルハーン)だけが胸騒ぎを感じていました。今回、キャンプに参加した16歳以上の若者たちは、それぞれ裕福な暮らしを送り、わがまま放題に暮らしていました。もちろん中には、真面目に生活を送っている若者もいます。

壁に書かれた文字の意味から推測すると、彼らは神に”試されている”のか、それとも神はすでに彼らに”罰したのか”というものでしょう。

今まで、食べられるのが当たり前、贅沢するのが当たり前、仕事をしないのが当たり前、親の手伝いをしないのが当たり前というような、誰かに守られていた暮らしを送ってきた彼らが、野放しになったらどうなるのか?

当たり前のことを理解できない危険な状況

大人がいなければ、すべて自分たちで”何か”をする必要があります。このままではいつか、食べ物を奪い合い、殺し合うことにもなりかねません。そういった心配から、生徒会長のカサンドラが、それぞれ当番制での仕事や係を決め、治安を守っていこうとしました。

スーパーにある食べ物や飲み物も、管理しなければすぐに尽きてしまう。それならばと、食料の在庫管理を徹底し、勝手に持ち出さないようチェックをすることに。更に、体格のいいフットボール部をザ・ガードと名付け、警備を徹底させます。

それぞれが”仕事”を任せられ、3度の食事は決まった時間に食堂で食べることに決め、食料供給も安定したのです。ただ、今までの暮らしからかけ離れている暮らしに、馴染めない若者も当然出てきます。カサンドラを独裁者と例え、反感を持つようになるのです。

その想いは日を増すごとに激しくなり、ついにカサンドラは何者かに殺害されてしまいました。カサンドラの後を継いだのは、彼女の妹アリー(キャスリン・ニュートン)。カサンドラと同じような考えを持ち、いつもカサンドラの影となっていましたが、カサンドラがいなくなった後はアリーが適任ということになりました。

しかし、アリーは姉が殺害されたと言うことから、トップに立てば誰かに狙われると恐怖を感じており最初は断りましたが、ザ・ガードが護衛するという形にするならばと姉の後を引き継いでウェストハムの”町長”となります。

壊れ始めていく治安と若者

当初は、カサンドラの決めた”政治”による決めごとは、みんなが守っていましたが、だんだんと不満が募るようになってきます。与えられた仕事をこなす苦痛、自由がないなどと言う声が一部で上がり、まるでアリーを独裁者のような目で見る者も少なくなかったのです。

そういった若者の不安を仰いでいたのは、キャンベル(トビー・ウォレス)という青年でした。キャンベルの弟で、知覚・聴覚障害のサム(ショーン・バーディ)によると「あいつは何も感じない”サイコパスである”という診断を医師から受けたことがある」とのこと。

普通の人のように振る舞うのが得意で、周りからはサイコパスとは分からない、操るのが上手だと言うのです。この事実を知っているのは、”政治”に関わるほんの一部の人間。みんなに伝えていれば、事件は起こらなかったかもしれないと思うようなシーンがたくさんあります。

さらにアリーは、ハリー(アレックス・フィッツァラン)から姉を殺害した犯人がデューイだと聞かされ、彼を逮捕して裁判に掛けます。裁判では、アリーが裁判長を務め、陪審員の決定から死刑を宣告したのです。後日、アリーと委員会の数名、そしてザ・ガードによる銃殺刑が執行されました。

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『ザ・ソサエティ』シーズン1を観た感想

ティーンエイジャーが中心なので、学園ドラマかと思いきや全く違う展開に驚きました。ジャンルでいえば、サバイバル、サスペンス、ミステリーに近いような気がします。

実際に、カサンドラを殺したのは本当にデューイか?といったところで、本人から自供がないまま刑が執行されてしまったり、逮捕したのに牢屋が用意されていなかったりと、そういった甘さも表現されていました。

町を出ようとしても、いつもあった道は途中から森に変わってしまい、森を抜けて行こうとすれば、いないはずの毒蛇が現れて先に進めません。

さらに、星座の位置がずれていたり、2024年に起こるはずの日食があったりと、地球であって地球ではない並行世界ではないかという考えに行きつきます。ではどうすれば戻ることが出来るのか、彼らは帰宅委員会を立ち上げ、独自に調査に乗り出しました。

また、シーズンラストでは”大人たちのいる世界”が映し出され、彼らのいる部屋の壁一面に、今回の高校生たちの名前が刻まれていたのです。

「WE REMEMBER THEM」(彼らを忘れない)と……。

大人たちは何をしたのか、彼らがいる世界はどこなのか、シーズン1で明らかになることはなく、数多くの謎は次のシーズンに持ち越されると思われます。

【追記】『ザ・ソサエティ』シーズン2の製作が決定していましたが、新型ウイルスによりシーズン2の製作がキャンセルされました。

Photo:「ザ・ソサエティ」(c)Netflix