ドラマ『いだてん』19話。
日本で走るところが無くなったという韋駄天・金栗四三が次に思いついたのは突拍子もないマラソンレースでした。
現代、日本のお正月の風物詩となっている箱根駅伝。
なぜ箱根なのか?
今回は”箱根駅伝”のルーツも語られました。
19回あらすじ
日本全国を走りぬいた金栗四三は、どこも走るところが無くなり次はどうしようか思案していました。そんな時、ふっと思いついたのがなんと”アメリカ縦断駅伝レース”だったのです。
ロッキー山脈を越える4000kmにも及ぶ長距離レース。あまりにも無謀な挑戦ゆえ、野口は反対しますが金栗の勢いは止まりません。
連れて行く選手を決めるため、金栗は予選会を開くことにしましたが、ロッキー山脈ということもあり平地を走っても意味がありません。
そこで金栗は、富士山(黒坂曰く箱根)で予選会を行うことにしたのです。(播磨屋の黒坂が富士山を箱根と言い切ることもあり、予選会は富士山ではなく実際に箱根で行われました。)
金栗は、アメリカ縦断レースの予選会を行いたいと体育協会に報告に行きます。その頃、体育協会の面々は、オリンピック競技会から届いた書面を見て愕然としていました。
アントワープ(ベルギー)で行われる予定のオリンピック正式種目から、”マラソン”が外されていたのです。マラソンは、日本がメダルを狙える数少ない競技。ストックホルムで死者を出したことが影響されているのか?と思いきや、理由は別にありました。
二階堂トクヨが見せた写真には、ベルギーの市街地の様子が映っていました。戦争が残した爪痕は大きく、そこをマラソンのランナーが走り、沿道を観衆が埋め尽くす光景が想像出来ないほど崩壊していたのです。
その惨状から、日本人が勝てる見込みがあるからマラソンを競技に加えてほしいとは言えるはずもなかったのでした。
ドラマ『いだてん』19話の解説と感想
アントワープ(ベルギー)がオリンピック開催国になった理由
当初、オリンピック開催地はベルリンの予定でしたが、第一次世界大戦により中止。その後、戦争が終結するとベルギーは、開催国にしてくれとオリンピック協議会に直訴したということでした。
それでもベルギーの市街地は見るも無残に壊れ果て、沿道も何もありません。ランナーが走ることも出来ないほど、崩壊していたのです。
それでも、日本はマラソンに期待が掛かっていたということもあり、どうしても正式種目に入れてほしかったようですね。
嘉納治五郎も直訴していた!
日本体育協会は、ベルギーの惨状からマラソン出場を諦めていましたが、嘉納治五は頑張っている金栗にマラソンは外されているとは言えずに黙っていました。
そんな中、行われた予選会。体育協会にも逐一連絡が入ります。初日は明治がトップで終了し、翌日はトップの明治を破って高師が優勝しました。
嘉納治五郎は当初、金栗に合わす顔がないとレース観戦に行きませんでしたが、レース終盤になることにはゴールまで足を運んでいました。
さらに、嘉納に同行した体育協会長の岸清一(岩松了)が駅伝に感動し、オリンピックの正式種目にマラソンを加えてもらえるよう直訴しましょうと態度を一変させたのです。
こうして嘉納は、「マラソンの起源は古代ギリシャのマラトンの戦い。マラソンの歴史はすなわち、オリンピックの歴史でもある」と、クーベルタンに手紙を出したのでした。
この直訴状がなければ、1920年アントワープ(ベルギー)オリンピックでの正式種目に”マラソン”は無かったかも?
『いだてん』19話の視聴率は8.7%と前回から横ばいでした。(ビデオリサーチ調べ、関東地区)