【九州縹緲録~宿命を継ぐ者~】31話・32話・33話のあらすじ。阿蘇勒は皇帝と天駆武士団の翼天瞻に裏切られ、羽然と姫野の目の前で息絶えます。皇帝は自ら阿蘇勒を殺めたにもかかわらず、友のためとして阿蘇勒の葬儀を異例の国葬で執り行います。しかし、その裏では辰月の雷碧城が阿蘇勒を蘇らせるための儀式を行なっていました。
31話あらすじ
帝都、灯篭祭り当日。羽然と姫野は灯篭祭りに呼び出した阿蘇勒の到着を待っていました。
やっと人だかりの中に阿蘇勒の姿を見つけて喜ぶ羽然と姫野でしたが、次の瞬間周囲に悲鳴が響き渡ります。羽然と姫野が状況を確認するため現場に駆けつけると、そこには血だらけになって倒れ込む阿蘇勒の姿がありました。
すぐさま羽然と姫野は阿蘇勒を馬車に乗せて屋敷へと運び込みますが、その頃にはもう既に阿蘇勒の心臓は止まっていました。阿蘇勒の訃報を聞いて駆けつけた皇帝はひどく動揺した様子で、天啓城のどこに自分の友を殺めるものがいるのかと嘆きます。
そして、刺客が何人でどんな地位にあろうが必ず厳罰に処すことを誓うのでした。そんな皇帝に対して羽然は、阿蘇勒は皇帝のためではなく、天下の大義のために亡くなったのだと釘を刺しました。
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帝都、天啓城。阿蘇勒が亡くなったことで剣主を失った蒼雲古歯剣は、天駆武士団の鉄皇こと翼天瞻により天啓城へと収められました。
皇帝から協力に対して感謝を告げられる翼天瞻でしたが、自分が阿蘇勒を見限ったのはあくまで天駆武士団の将来を見据えてのことだったと胸中を明かします。また、翼天瞻が皇帝に協力したのは天下に安寧をもたらせると信じているからであり、いくら皇帝と言えども裏切るようなことをすれば容赦しないとの強硬な姿勢を崩しませんでした。
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嬴無翳の屋敷。姫野は阿蘇勒を殺害したのは嬴無翳だと結論づけ、敵討ちのために嬴無翳の元を訪れます。
姫野は阿蘇勒が殺害された現場で離国の腕章と、それを持ち去る離国の兵士の姿を目撃していた
嬴無翳は離国の関与については認めなかったものの、友の敵討ちには必ず応じなければならないとの離国の掟に従い、自ら武器を手にします。
31話の感想
まさか阿蘇勒がこんなにも早く、しかもこんな形で亡くなるとは思いませんでした。やはり皇帝は己の目的のためなら手段も選ばぬ人物でしたし、協力してくれた翼天瞻率いる天駆武士団のこともまるで私物かのように考えていました。
とはいえ、主人公である阿蘇勒がここで本当に亡くなるとは思えないので、ここからは雷碧城の出番となるのでしょう。一体どんな手段で雷碧城が人を生き返すのかはわかりませんが、もし阿蘇勒の意思とは関係なしに生き返すようなことがあれば、阿蘇勒が辛い宿命を背負うことになってしまいます。
これまで阿蘇勒は散々人に利用される人生を送ってきただけに、もし生き返すのならば彼の意志を尊重して欲しいです。それにしても誰よりも天駆武士団の大宗主を求めていた翼天瞻が、まさか自分の思い通りにならない者ならいらないという発想だとは思わずとても驚きました。
32話あらすじ
帝都。阿蘇勒の葬儀は皇帝のたっての希望で、天下が崩御した際と同様の国葬で執り行われました。
皇帝と公主を始め、翼天瞻率いる天駆武士団も葬儀に参列する中、羽然と姫野が葬儀に参列することはありませんでした。参列者の誰1人として阿蘇勒の本当の顔を知らず、阿蘇勒を天駆武士団の大宗主としてしか見ていないことが羽然と姫野には受け入れられなかったのです。
阿蘇勒の棺は河原へと運ばれ、火葬が行われます。離国の嬴無翳も阿蘇勒を見送りにやって来るも、依然として皇帝は阿蘇勒の殺害を企てたのは嬴無翳だと疑念を向けていました。
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嬴無翳の屋敷。嬴無翳は突然姿を現した辰月の雷碧城から、ある赤い箱を手渡されます。
雷碧城によれば、かつての主に危険が及ぶのを看過できなかったため、近く役立つであろうその箱を持ってきたとのことでした。
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帝都、天啓城。嬴無翳は雷碧城から渡された赤い箱を手に、皇帝に拝謁します。
未だ阿蘇勒殺害への関与を疑われる嬴無翳でしたが、雷碧城から受け取った赤い箱を皇帝に手渡すと状況は一変します。箱の中を確認した皇帝がひどく怯えた様子を見せたため、嬴無翳はここぞとばかりに皇帝に退位を迫りその場を後にしました。
実は、あの赤い箱の中には皇帝自ら阿蘇勒の棺に入れた玉印が入っており、皇帝は棺と共に燃やしたはずのものが戻ってきたことに恐れをなしていたのです。しかし嬴無翳はその瞬間を見ていないため、それが何なのかは分かっていませんでした。
すっかり正気を失った皇帝は唯一事情を知る翼天瞻を呼び出すと、嬴無翳に手渡された玉印を指差します。そして、その玉印は貴重な代物かつ複製も不可能であることから、これは阿蘇勒が蘇ったことを意味していると結論づけました。
32話の感想
阿蘇勒の死に対して悲しみを感じる間もないほどのスピードで葬儀が終わったこともあり、いまいち阿蘇勒の死を近くに感じることはできませんでした。しかも阿蘇勒はすぐさま蘇っており、生前あんなにも余命を加味して行動していた阿蘇勒は何だったのだろうかと、少し寂しくもなりました。
まだ今回は阿蘇勒が話すシーンなどはなく、蘇った阿蘇勒に自我があるのかなどについては謎が残ります。また、ここに来て雷碧城は嬴無翳に手を貸しましたが、これは再び長公主に実権を握らせるための策略の1つなのでしょう。
だとすると、皇帝の悪行が明るみに出て退位を強いられるのも近そうです。
33話あらすじ
帝都。公主の白舟月は、皇帝である兄が口封じを理由に戦争孤児らを毒入り菓子で殺害した現場にて、阿蘇勒の姿を見つけます。
既に火葬も済ませた阿蘇勒の姿に驚きを隠せない白舟月でしたが、死体の傍で眠りにつく阿蘇勒に声を掛けてみました。目を覚ました阿蘇勒はひどく混乱した様子で剣を突きつけるも、白舟月が咄嗟に阿蘇勒の笛を吹いたことで落ち着きを取り戻します。
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帝都、天啓城。皇帝から呼び出された白舟月が彼の寝殿を訪れると、そこには妙に落ち着いた様子で愛猫の葬儀を行う皇帝の姿がありました。
皇帝は自ら愛猫に秘密を打ち明けておきながらも、己の秘密を知ったとの理由で愛猫を抹殺していたのです。そんな常軌を逸する皇帝の行動に白舟月は恐怖心を抱きつつも何があったのかを聞き出したところ、皇帝は”よき皇帝”を目指すも皇室はあまりに闇深く、思い通りにはいかなかったと真情を吐露します。
皇帝が腐敗した皇室に対抗するには自ら手を汚すしかなく、戦争孤児と偽って死士を育てていました。
これまで皇帝が面倒を見てきた子供たちは戦争孤児ではなく、親を人質に取り死士として育てていた
また、実権を握る叔母の長公主の殺害を長らく企んでいたことに加え、皇帝自ら阿蘇勒を殺害したことを打ち明けます。皇帝曰く、我ら白氏がさらされる危険と災いは白舟月の想像を絶するものであり、長公主がいい例だとのこと。
事実、長公主は辰月の秘術によって驚くべき美貌と若さを取り戻しており、故に再び自分に実権を譲るよう皇帝に退位を迫っていました。その辰月の秘術こそ阿蘇勒が蘇った理由でもあり、皇帝は間違った歴史を繰り返さぬためには何としても阿蘇勒を殺害する必要があるのだとしたうえで、白舟月に阿蘇勒の殺害を要求します。
33話の感想
やはり雷碧城は阿蘇勒を蘇らせましたが、蘇った阿蘇勒は一体どこまで記憶を引き継いでいるのか気になるところ。蘇った阿蘇勒は生前自分のものだった笛の音を聞くと、断片的にかつての自分の記憶が頭に浮かんでいるため、全く記憶がないわけではないと思われます。
とはいえ、今のままだと完全に術者である雷碧城の言いなり状態なので、今後どうすべきなのか慎重に考える必要があります。それにしてもここまで帝都が腐敗しきっているとは思わず、皇帝の葛藤も理解できますが、阿蘇勒を殺害したのだけは間違いだったでしょう。
阿蘇勒ならば本当のことを話しても理解して協力してくれたのは間違いないだけに、彼の死が悔やまれます。
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