【孤城閉〜仁宗、その愛と大義〜】54話・55話・56話のあらすじとネタバレ感想。趙禎は、遼の太子を迎えた酒宴の席で崔白と董秋和の結婚を認めました。その様子を見ていた徽柔は、なぜ自分は好きな人と結婚できないのかと不満をこぼします。
54話のあらすじネタバレ
張妼晗は反省したふりをして趙禎に謝罪した後、叔父の張堯佐を宣徽使(後宮を統括する官職)に就けてほしいとお願いしました。
趙禎は「それを頼むために来たのか?」と険しい表情を見せるも、結局、張妼晗の強い要望に負けて承諾します。
趙禎は曹丹姝と徽柔を連れ、遼の太子を酒宴に招きます。
趙禎はその席で、崔白と董秋和の結婚を認めました。
その様子を見ていた徽柔は、なぜ自分は好きな人(曹評)と結婚できないのかと不満をこぼします。
趙禎が宮中に戻ると、張妼晗から誕生日祝いの品を渡されました。
しかし、ちょっとした言葉から口論になってしまった趙禎は「張堯佐の昇格には応じるが、贈り物は持って帰れ」と言い放ちます。
その後、張堯佐が“宣徽使”に就くと、大臣たちは張堯佐を重用するべきではないと激しく抗議しました。
また側室たちも、張堯佐が宣徽使になれば、今後は侍従を選ぶのでさえも張妼晗の顔色を窺わなくてはならなくなると不安視します。
結局、張堯佐は宣徽使となるも、実権は持たせないことで大臣たちも納得しました。
時は流れ――。
貝州では張茂則が学堂を開き、范仲淹が訪れます。
(ここで、范仲淹のテロップ死が入ります――皇裕4年に病で逝去)
54話の感想
このドラマは登場人物の「死」をじっくり描かず、ナレ死やセリフ死が多い印象です。
今回、范仲淹もナレ死(というより、テロップ死)でした。
以前の張妼晗は、趙禎に対して不満や我儘をぶつけるのと同時に愛を示していましたが、今は愛を示していないので本気のケンカになってしまいます。
個人的には2人の関係性が好きだったので、以前のような良好な関係に戻ると良いのですが。
55話のあらすじネタバレ
*一部、ストーリーが前後しています。
竹林。
徽柔は梁懐吉と一緒に、趙禎の誕生日祝いで披露する箜篌(楽器)の練習をしていました。
そこへ、曹評が姿を現します。
以前に曹評が他の女性と合奏したことを妬いている徽柔は、梁懐吉の後ろに隠れて曹評を避けました。
趙禎の誕生日祝いの宴が始まり、病を押して出席した張妼晗は豪華な衣装を身にまとっていました。
張妼晗は祝いの品に何を贈ろうか幾日も考えましたが、自分の持ち物はすべて趙禎から与えられたものだから 贈れるものが何もなく、豪華な衣で趙禎の目を楽しませることにしたのです。
趙禎は見事な衣装だと褒めた上で、贅沢すぎるから二度と着ないようにと優しく諭しました。
張妼晗は趙禎の言葉を大人しく受け入れます。
そんな中、徽柔が箜篌の演奏を披露しました。
すると、楊氏(徽柔の婚約者の母)が徽柔を嫁のように扱い、居心地の悪くなった徽柔は宴を中座。
すると、竹林で曹評が待っていました。
曹評は徽柔と合奏して心を通わせたいと言いますが、徽柔は距離を置こうとします。
その時、急に雨が降り出しました。
曹評は自分の上着を傘代わりにして徽柔を宮に送り届けます。
徽柔が中に入っても、曹評は門の前で笛を吹き続けました。
部屋の中からその姿を見た徽柔は葛藤した末に、傘を持たせて曹評を帰らせます。
一方、宴の途中で具合が悪くなった張妼晗は、宮へ戻る途中で輿を降りました。
そして、大雨の中で踊り出した張妼晗は倒れて亡くなります。(至和元年、享年31)
張妼晗の死後、趙禎は王拱辰の提案を受けて張妼晗を皇后に追封しました。
都に戻って来た韓琦は、富弼らと共に酒楼で酒を飲んでいました。
そこへ狄青将軍がやって来て、韓琦が裁く予定の自分の配下に温情を与えて欲しいとお願いします。
韓琦は拒否し、学の功名がない狄青将軍を侮辱しました。
酒宴が終わった後、富弼はなぜ大勢の前で侮辱したのかと韓琦をたしなめます。
すると韓琦は、これまで武将が兵権を持つことはなかったのに、趙禎が慣例を破り、大多数の反対を押し切って狄青将軍を要職につけたことを挙げました。
富弼は「つまりお前は、狄青を敵視することで陛下を抑える気か」と察します。
55話の感想
性格に難はあれど、趙禎への愛が深く 心が丸わかりな張妼晗は、ライバル役として好きなタイプだったので亡くなってしまい悲しいです。
3人の娘と賈玉蘭を亡くし、すがれるものは趙禎の寵愛しかない中で、後年はその趙禎ともギクシャクしてしまった張妼晗の有様は、着飾っていてもいつもどこか悲哀が漂っていたように思います。
ナレ死というのもまた、一層 物寂しく感じられました。
一方、曹評と徽柔の恋はどうなってしまうのでしょう。
若さゆえに無謀な行動に出てしまうのではないかと2人の行く末が心配です。
56話のあらすじネタバレ
曹評に貸した傘が、徽柔のもとに返ってきます。
傘の内側には、徽柔を想って書かれた恋詩が添えられていました。
その詩を読んだ徽柔は、自身も詩を書き梁懐吉に見てもらいます。
「これは……」と戸惑う梁懐吉に、徽柔は傘の詩を見せました。
その詩を読んだ梁懐吉は思わず涙をこぼしてしまったものの、すぐに自分の想いを封印します。
徽柔はいつもと違う様子の梁懐吉を見て、嫌われたのだろうかと怖くなり「あなたに嫌われるくらいなら、曹評兄さんを想わないように努力する」と言いました。
梁懐吉は「嫌ったりしません。永遠にあなたの味方です」と言うのでした。
後日。
徽柔は国子監(最高学府)を訪れた趙禎に同行し、講義を聞いていました。
しかし、徽柔の本当の目的は、講義を聞きにきた曹評と密会することでした。
講義の最中、徽柔の姿がないことに気づいた梁懐吉と趙禎は、それぞれ徽柔を探しに行きます。
すると、徽柔と曹評が口づけを交わしていたのです。
激怒した趙禎は皇城司を呼ぼうとしましたが、梁懐吉は徽柔の名節が汚れてしまうという理由で止めました。
曹評には後日 罰が下されることになり、徽柔は禁足を命じられます。
宮中に戻った趙禎は梁懐吉に、徽柔と曹評の往来を知っていたのになぜ報告しなかったのかと咎めました。
すると、梁懐吉は、いっときでも徽柔に幸せな時間を過ごして欲しかったからだと答えます。
56話の感想
歐陽修の言うことは、ド正論だし ごもっともです。
反論の余地はありません。
でも、趙禎にとって張妼晗は、皇帝としてではなく1人の人間として初めて望んだ女性であり 最愛の女性なのだから、死後に参拝するぐらい見逃してあげて~と、つい趙禎に肩入れしてしまいました。
一方の曹評は見目が麗しいだけでなく、やる事も麗しいではないですか💕
返した傘の内側に恋詩を添えるとは、なかなか粋なことをなさる。
また、曹評はプレイボーイなのかと思いきや、案外、徽柔とのキスが初々しくて良かったです。いや良くない!
趙禎に見られて大変なことになってしまいました!
趙禎は激怒して曹評に物を投げつけましたが、こんな時でも、曹評に当たらないように投げる趙禎の人柄が◎。
そして曹評は、徽柔をかばって自分1人で罪をかぶろうとしていたことから、真剣に徽柔を想っているようですね。
ただ、真剣に好きなら、相手のためにも慎重になるべきでした。
徽柔には幸せになってほしいですが、曹評に嫁がせられない理屈も分かります。
梁懐吉とならお似合いだと思いますが、おそらく宦官との恋も許されないでしょう。
望まない結婚に苦しむ徽柔を、そばで見守る梁懐吉も切なすぎます。
傘の恋詩を見て、思わずこぼしてしまった懐吉の涙に、見ている側も胸が痛くなりました。
しかも、2人の口づけまで目撃してしまって……。
自分の想いより、徽柔の幸せを第一に願う懐吉の愛に胸を打たれます。