【風起花抄~宮廷に咲く琉璃色の恋~】31話と32話のあらすじとネタバレ感想。金針を手に入れた卓錦娘は儀式を行い、自分が”天下第一針”の称号を名乗ろうとします。儀式が始まる前に豆子は卓錦娘に”天下第一針”の称号を賭けた腕比べを申し入れ…..。
31話のあらすじとネタバレ
裴行倹は孫徳成にも協力を依頼していました。
孫徳成は卓錦娘に会いに行き、あの日あの場所で自分も弔いをしていて腰牌を落としたが、あんたが拾ったんじゃないかとわざとらしく尋ねます。
それを聞いた卓錦娘は誰の弔いをしていたのかと問い詰めました。
孫徳成は、11年前にあんたのせいで火葬になった安四娘を弔っていたと皮肉っぽく答えます。
卓錦娘が腰牌なんか拾っていないと言って怒って立ち去った後、孫徳成は鄧七娘に豆子が金針のために危険を冒さないよう説得してほしいと頼みました。
鄧七娘は豆子に会いに行きますが、信頼していた人たちが自分に内緒で母の形見が仇の手に渡るように仕組んでいたことに大きなショックを受けた豆子は部屋に閉じこもってしまいます。
裴行倹はそんな豆子のために屋根に登り、横笛を吹いて慰めるのでした。
翌日、卓錦娘は儀式を行い、自分が”天下第一針”の称号を名乗ろうとします。
儀式が始まる前、豆子は金針を持つ者が”天下第一針”になるのではなく、最も才能のある者が”天下第一針”になるべきだと訴え出ました。
卓錦娘は激怒し、鄧七娘も豆子に謝るように言ってとりなそうとします。
しかし、豆子は譲らず卓錦娘に、腕比べで”天下第一針”になる者を決めようと提案します。
卓錦娘は承諾しませんでしたが、豆子は尚服局の長である林尚服にも直訴し、腕比べを行う許可を得ました。
腕比べは
- 染め
- 刺繍
- 仕立て
の技を競い、後宮の太妃たちの評価により2勝した者が勝者とされることになりました。
第1戦の染めのお題は「赤」と決まりますが、卓錦娘の策略によって豆子には材料庫から湿気った染料しか支給されず、鮮やかな色を出すことができません。
鄧七娘は卓錦娘だけがまともな染料を手にしていることを知り、豆子のために自分が盗み出すと言い出しますが、豆子は自分で何とかすると断ります。
豆子は李治を訪ねました。
李治は不在でしたが代わりに応対した王伏勝に、豆子は李治の部屋で見た葡萄が食べたいとねだります。
王伏勝は呆れながらも、豆子のために葡萄を用意してくれました。
豆子は幼い頃に聞いた”世の中のあらゆる物には必ず代わりになる物がある”という母の教えを思い出し、葡萄の汁で布を赤く染めることを思いついたのです。
第1戦の評価の日、豆子は公正な判断のために誰の作品か明かさずに審査することを提案します。
太妃たちは豆子の度胸を褒め、それを承諾しました。
結果は豆子が葡萄の汁で染めた茜色の布が太妃たちに絶賛されたのでした。
一方、皇帝が3日間寝込み、宮中は大騒ぎになっていました。
妃や皇子たちが集まる中、やっと目覚めた皇帝は3日も眠っていたことに自分でも驚き、薬を処方した侍医に効果がないと叱ります。
そして、道士の作った薬の方が効果があったと言って急いでまた作らせるように侍従に命じるのでした。
31話の感想
確かに金針を手に入れた者がすぐに称号を名乗れるなら、誰でも”天下第一針”になれてしまいますよね。
豆子はなんとか腕比べで決めることに漕ぎつけましたが、卓錦娘のことだからきっと何か仕掛けてくると思っていました。
それでも、奥義書に書かれていることだけでなく生活の中で母から教わった知恵も活かして1勝を得た豆子はさすがですね!
また、政権交代となると何事か起きそうなので、皇帝の病状も心配です。
32話のあらすじとネタバレ
皇帝の命がもう長くないと悟った李明は、李治から次期皇帝の座を奪うために先に武媚娘と裴行倹を始末しようと考えます。
李明は皇帝が今は誰よりも道士を信頼していることに目をつけました。
裏で李明から賄賂を受けとった道士は皇帝に薬を届け、唐の未来を占うことを提案します。
占いの結果、”唐は3代続いたのち、武姓の女が主となる”というお告げが出ました。
ショックを受けた皇帝は寝込んでしまいます。
皇帝の体調が優れないと聞いた武媚娘は、精神が休まる効果のある植物を採ってこさせて皇帝の侍従に託しました。
武媚娘の気遣いに感動した侍従は、道士が皇帝に示した神のお告げの内容をこっそりと武媚娘に伝えたのです。
その話を聞いた武媚娘は李治と裴行倹に、皇帝が亡くなる前に自分はきっと殺されるだろうと言いました。
裴行倹は少々荒い方法だが策があると言い…..。
一方、刺繍の腕比べのお題は、第1戦で染めた布で作った披帛※1に合う裙子※2を作ることと決まります。
また、簡素で日常で着られるものという条件も出されました。
今度は負けるわけにいかない卓錦娘は良いアイデアが浮かばずにイライラし、鄧七娘に八つ当たりする始末。
豆子は泣いている鄧七娘を見ていたたまれない気持ちになるのでした。
その後、武媚娘は裴行倹の策を実行するため、隠者に作らせた霊薬を皇帝に届けました。
霊薬を飲ませてくれた時に、武媚娘の腕に包帯が巻かれているのに気づいた皇帝は驚いてどうしたのか尋ねます。
最初、武媚娘は不注意で切ってしまっただけなので心配ありませんと言いますが、皇帝はその説明では納得しません。
そこで、武媚娘は霊薬の材料に若い女子の血が必要で、血を採るために腕を切ったのですと答えました。
皇帝はその話に感激し、自分が武媚娘を殺そうとしていたことを後悔し始めたようでした。
尚服局では、鄧七娘が実は豆子に味方しているのではないかと疑い始めた卓錦娘が阿碧に豆子の様子を探るように命じていました。
阿碧は豆子がどんな作品を作っているかわからないものの、目を赤くしているので寝る間も惜しんで作業しているようだと報告します。
卓錦娘は作業の早い豆子が睡眠時間を削ってまで作っているとはよほど複雑で細かい刺繍のある作品だと予想し、自分も華美な裙子を作ろうと考えました。
鄧七娘は豆子に、卓錦娘が阿碧に探らせているようだから気をつけた方がいいと忠告に行きます。
豆子は手の込んだ裙子を作っていると見せかけ、実は披帛の色を引き立てるために作品はただの白い裙子にしたと鄧七娘にこっそりと打ち明けるのでした。
数日後、霊薬を飲み続けて体調が良くなった皇帝は武媚娘を呼び出します。
武媚娘は頭巾を被って現れ、その頭巾を取るとなんと武媚娘の長く美しかった髪は剃髪されていたのです。
皇帝はひどく驚き、誰に剃られたのだと尋ねました。
武媚娘は隠者から霊薬を手に入れる時に”この薬で皇帝が回復した時は髪を剃り出家して仏に仕える”という条件があったと告げます。
皇帝は武媚娘の手を握って申し訳なく思う気持ちを伝えました。
その後、寝室に帰った武媚娘は侍女に、以前は皇帝の死後に出家しなければならないことを恐れていた自分が生きるために自ら尼になるとはと言って涙するのでした。
32話の感想
皇帝も体が弱っていると、道士の占いなどという不確かなものをつい信じてしまいますよね…..。
裴行倹が李明のこの策略にどう対抗するのかと思ったら、本当に荒い方法でびっくりしました。
腕比べの方は、このままだと第2戦も豆子が勝ちそうですが、物語の流れ上、先に2勝してしまうとは思えないので、卓錦娘がまた妨害してくるんでしょうね。
いつも卑怯な卓錦娘なので、次は何が起こるのか今からハラハラします。