【新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜】66話・67話・68話あらすじネタバレ感想。皇帝アフメトは残されたわずかな時間を家族に費やし、皇帝妃キョセムを始め子供たちにも贈り物を渡します。キョセムは皇帝との婚姻という最高峰の贈り物を貰いますが、間もなくしてアフメトは息を引き取りました。皇帝を失ったトプカプ宮殿では後継者を巡り、波乱の幕開けを迎えます。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」66話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
皇帝アフメトは死期が迫ることを皇帝妃キョセムには隠し、努めて普通に過ごしていました。これはアフメトなりの優しさであり、最後までキョセムには笑っていてほしいというアフメトたっての願いでもありました。
アフメトは時間がないことを悟られぬよう注意しながら、皇女ディルルバと宰相ダヴドの婚儀の準備をキョセムに託します。この件はハリメ付き女官メネクシェを通じてハリメとディルルバにも知らされ、ディルルバは喜びを露わにします。
しかしハリメは当初予定していた大宰相ハリルではなく、宰相のダヴドを選んだディルルバに不満を感じているようでした。
帝都。
アフメトは金細工師の元を訪れ、キョセムへの贈り物としてこの世で最も高価で美しい耳飾りを用意するよう依頼します。
その帰り道、アフメトは近侍頭ズルフィカールに死期が迫ることを打ち明けてキョセムら家族のことを託すと、皇子だと発覚して幽閉している小姓頭イスケンデルに関する頼みも告げます。
アフメトは宮殿に戻るとイスケンデルを呼びつけ、モラ県の軍政官に任命しました。モラ県まではズルフィカールが同行するとのことで、出発前にイスケンデルは母である太皇太后サフィエに別れを告げます。
*
トプカプ宮殿。
幽閉の影響で奇行の目立つ皇子ムスタファは母ハリメが用意した薬を飲まなくなり、ハリメが飲ませてもこっそり吐き出していました。実はこれにはムスタファの妄想上の人物ピンハンが関係しており、ピンハンが薬を飲まないよう助言していたのです。
現在ムスタファは全ての行動をピンハンの言う通りにしており、今夜宮殿から逃げ出すとの目的のために眠くなる薬は飲まないよう助言を受けていました。
その夜。
ムスタファは宦官を倒して部屋を出ると、ピンハンと共に宮殿を抜け出します。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」66話の感想
皇帝アフメトの死期が迫る中、皇帝妃キョセムは何も知らずに病を克服したと思っているのがなんとも不憫で居た堪れませんでした。アフメトのキョセムには笑顔でいてほしいとの願いもわかりますが、死期が迫るほどの状態を隠されるのはキョセムにとってあまりに酷でしょう。
それにしても、唯一皇帝に忠実な近侍頭ズルフィカールはとことん嫌な役を買ってばかりで、忠誠を貫くが故に失うものが多くて同情します。いくら皇女ヒュマーシャーと愛し合ってるとはいえ、元よりヒュマーシャーは皇帝と対立関係にある太皇太后サフィエの娘ですし、小姓頭イスケンデルの件は関係にヒビを入れそうです。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」67話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
皇帝妃キョセムは皇帝アフメトに皇子オスマンが県への赴任を望んでおり、それを機に皇子メフメトと争いになったことについて相談をします。兄弟の不仲に心を痛めたアフメトは自ら2人の仲裁を買って出ました。
するとそこへ、後宮宦官長ハジュが皇子ムスタファを連れてやって来ます。ハジュによれば、屋根の上に居たムスタファを見つけて保護したものの、自分では対処できないことからアフメトの元に連れて来たとのことでした。
ムスタファはひどく混乱した様子で艦隊が待っているなどのたわ言を繰り返し、アフメトの言葉にも耳を傾けようとしません。話の通じないムスタファに痺れを切らしたアフメトが力づくで止めると、途端にムスタファは大泣きしてアフメトに助けを求めます。
ここで初めてムスタファは未だ処刑人に対する恐怖に苛まれていることを明かし、宮殿から逃がしてほしいとアフメトに懇願しました。アフメトは初めて知るムスタファの苦しみに心を痛め、かつて自分が下した幽閉が過ちだったことを謝罪してムスタファを強く抱き締めます。
アフメトは皇子オスマンとメフメトの仲違いを解決すべく、2人を呼び出して兄弟の大切さを説きます。さらにアフメトは皇子オスマンには繊細な白馬を、皇子メフメトには気性が荒い黒毛の馬という対照的な馬を贈りました。
その後アフメトは他の子供たちにも贈り物を渡し、キョセムには耳飾りと婚姻という最高の贈り物をします。これにてキョセムはヒュッレム妃とヌールバーヌー妃に続き、正式に皇帝と結婚した妃となりました。
その夜、アフメトとキョセムは幸せなひとときを過ごして眠りにつきますが、それは長くは続きませんでした。
翌朝。
目を覚ましたキョセムは床に倒れるアフメトの姿を発見し、慌ててアフメトの元へと駆け寄ります。なんとか意識を取り戻したアフメトは、キョセムに頼んで秘密の庭へと連れて来てもらいました。
アフメトはキョセムと共に出会いの瞬間からこれまでの人生を振り返り、自身が果たせなかった夢と子供たちをキョセムに託します。そして、アフメトはキョセムの腕の中で静かに息を引き取りました。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」67話の感想
皇子ムスタファの症状がここまで深刻だったことに驚くと同時に、長いこと幽閉されてきた代償の大きさをまざまざと感じました。ムスタファはもちろんのこと幽閉を命じた皇帝アフメトも不憫で、誰1人として報われないのがより胸を締めつけます。
そして、とうとうアフメトが亡くなってしまいました。アフメトを生きる意味としてきた皇帝妃キョセムの精神状況と、オスマン帝国の行く末が心配でなりません。
果たして兄弟殺しという悪しき慣習をアフメトのように断つことはできるのか、はたまた再び過去と同じ過ちを繰り返してしまうのか、注目していきたいポイントのひとつです。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」68話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
皇帝妃キョセムは皇帝アフメトに託されたオスマン帝国と子供たちを守るべく、皇位継承の仕組みを変えようとします。直ちに特別会議を開いて高官らを招集すると、キョセムはアフメトを装い自ら記した勅命を利用して後継者は年長で相応の皇子だと発表しました。
年長で相応の皇子にはムスタファを推挙し、高官らもキョセムの意見に賛同しました。これにより兄弟間で皇位継承を行えるため、長子が皇位継承して兄弟殺しをするとの悪しき慣習は事実上の廃止となります。
早速キョセムは先帝の妃ハリメを訪ね、皇子ムスタファを玉座に就けるための交渉を始めます。ハリメはキョセムのトプカプ宮殿残留と子供たちの安全の保障という条件を受け入れ、ムスタファを玉座に就けることにしました。
ようやく回ってきたムスタファを玉座に就ける機会に満足するハリメとは反対に、皇女ディルルバはキョセムに支配権を握られるのは癪だとしてキョセムの排除を提案します。
アフメトの長子オスマンは自分が玉座に就けないことを知り、不満を爆発させます。長子オスマンは自分が玉座についても兄弟殺しはしないと決めていただけに、皇位継承権の変更は自分が兄弟殺しをすると疑われたからだと捉えていたのです。
キョセムはなんとか長子オスマンの誤解を解こうと説明を続けますが、キョセムの実子メフメトが長子だったら結果は違ったはずだとしてオスマンはキョセムを拒絶します。
実はこうした長子オスマンの背景には太皇太后サフィエが関係しており、サフィエは配下の師父オメルを利用して長子オスマンにキョセムへの疑念を植えつけていたのでした。そんな長子オスマンに対して後宮出納官ジェンネトは宮殿から逃げることを勧め、長子オスマンは宮殿を離れることにします。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」68話の感想
最愛の人を失っても毅然とした態度で皇統の維持のために奮闘する皇帝妃キョセムは非常に逞しく、真の強さを感じられました。これは皇帝アフメトの「喪に服すな」との遺言あってのことなのでしょうが、いざそれを実行するとなれば想像を絶する辛さなのは言うまでもなく、キョセムの強さが垣間見れます。
また、アフメトの長子オスマンは宮殿を離れましたが、一体どこへ向かったのか気になるところです。いくら長子オスマンが不憫だったとはいえ、宮殿を離れるよう助言した後宮出納官ジェンネトの意図がわかりません。