【新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜】69話・70話・71話あらすじネタバレ感想。ついに亡き皇帝アフメトの弟ムスタファは即位の儀を終え、正式にオスマン帝国の皇帝となりました。これに伴い母后となったハリメは早速権力を利用して先帝の妃キョセムを旧宮殿へと追いやると、皇子たちを幽閉しました。また、先帝アフメトの勅命により処刑されたはずのイスケンデルが姿を現します。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」69話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
亡き皇帝アフメトの弟ムスタファの即位の儀が始まります。これにより、オスマン帝国史上初の息子ではない兄弟間での皇位継承が実現しました。
幽閉の影響で奇行が心配されるムスタファは最初から落ち着かない様子で、終始妄想上の人物ピンハンから計略だと煽られます。これはムスタファが幼い頃に太皇太后サフィエに利用されて玉座に就かされそうになったことが起因しており、ムスタファはあの時と同じようにまたアフメトが現れるのではとの不安に駆られていたのです。
ついに痺れを切らしたムスタファは亡き皇帝アフメトの棺に駆け寄り、アフメトの亡骸を確認しようと棺を開け出します。ムスタファはアフメトの亡骸を確認すると落ち着きを取り戻し、玉座へと戻りました。
その一方、ハリメ付き女官メネクシェは皇帝の命令だとして、皇子メフメトを始めとする皇子たち全員を幽閉します。皇子オスマンだけは宮殿を離れたため無事かと思われたものの、たまたまその様子を見ていた皇子メフメトが宰相ダヴドに告げ口をしたことから居場所が割れ、オスマンも囚われてしまいました。
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即位の儀が終わり母后となったハリメは、先帝の妃キョセムに旧宮殿行きを命じます。慣例に倣えば必要な措置だと話すハリメに対し、キョセムは前もって交わしたトプカプ宮殿残留と子供たちの安全の保障という取引のことを指摘します。
しかしハリメは毅然とした態度を貫き、取引の無効を言い渡しました。これにはキョセムだけではなく、高官から歩兵常備軍も黙ってはおらず、宮殿の門へと押し寄せて抗議をします。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」69話の感想
元々厄介だったハリメは母后となったことで更に力を増し、先帝の妃キョセムにとって最も厄介な存在となりました。とはいえ、元のハリメの性格を鑑みればこうなることは安易に想像できたため、皇子たちに配慮しておかなかったキョセムの落ち度でしょう。
旧宮殿に追いやられたキョセムの今後の行動と、皇子たちの運命が気掛かりです。いずれにせよ、現時点ではトプカプ宮殿の者たちや高官、歩兵常備軍はまだキョセムの味方なので、彼らが寝返る前に手を打てればキョセムにも勝機は訪れるかもしれません。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」70話あらすじネタバレ
トプカプ宮殿。
皇帝ムスタファの命令で皇子メフメトと同じ部屋に幽閉される皇子オスマンは幽閉に我慢ならず、力尽くで部屋からの逃亡を図ろうとします。そんなオスマンとは対照的にメフメトは冷静で、オスマンの無謀な行動を咎めました。
それでもオスマンは聞く耳を持たないどころか、全ては先帝の妃キョセムのせいだと反発したため、メフメトはオスマンの逃亡を企てたのはキョセムだったことを明かします。そして、逃亡したオスマンが捕まったのは自分が告げ口したからだということも打ち明けました。
これにはさすがのオスマンも堪忍袋の緒が切れてメフメトに手を上げてしまい、2人は殴り合いの喧嘩へと発展します。しばらく激しい争いを繰り広げたオスマンとメフメトでしたが、オスマンは先帝アフメトと生前に交わした互いに手を上げないとの約束を思い出し、殴る手を止めました。
その後オスマンは食事を運んできた宦官を襲い、部屋から逃げ出します。しかし部屋から出れても宮殿の外まで逃げ出せるはずもなく、オスマンはあっさりと他の宦官に捕まり、皇帝ムスタファの元へと連れて来られました。
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帝都。
先帝の妃キョセムは大宰相やイスラムの長老などを集め、皇子オスマンを玉座に就けるための策を明らかにします。それは皇帝ムスタファの病状を暴露し、最初の俸給の儀においてムスタファが玉座から降りて皇子オスマンが引き継ぐというものでした。
その帰り道、キョセムは何者かが放った弓矢により命を狙われます。キョセムは側に居た女官メレキーのおかげで事なきを得たものの、代わりに弓矢は宦官ギュルブズの胸を射抜きました。
この一件で母后ハリメの仕業を確信したキョセムは皇子たちの身を案じ、トプカプ宮殿へと急ぎます。
一方、近侍頭ズルフィカールは、先帝アフメトの勅命により処刑されたはずのイスケンデルと密会していました。実はズルフィカールはイスケンデルを処刑しておらず、勅命に背いてイスケンデルを逃していたのでした。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」70話の感想
相変わらず皇子オスマンとメフメトは不仲のままで、今回の喧嘩はオスマンが父である先帝アフメトの言葉を思い出して収まったとはいえ、2人が心から改心しないといずれ取り返しのつかない事態を招きかねません。
そして何よりも驚いたのは、処刑されたはずのイスケンデルが生きていたこと。確かに近侍頭ズルフィカールとイスケンデルの間には強い絆がありますが、まさか最も皇帝に忠実だったズルフィカールが皇帝に背くようなことをするとは思いもしませんでした。
ズルフィカールが己の身を危険に晒してまで救ったイスケンデルには、大人しく帝都から去って穏やかに暮らしてほしいものです。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」71話あらすじネタバレ
太皇太后サフィエは皇子である息子イスケンデルの墓を移動させるべく墓を掘り起こしたところ、墓は空だったことからイスケンデルは生きていると確信しました。旧宮殿への帰り道、サフィエが乗る馬車の前に何者かが立ちはだかります。
すると次の瞬間、馬車の扉が開いてイスケンデルが顔を覗かせました。予期せぬ事態に目を丸くするサフィエでしたが、最愛の息子イスケンデルとの再会を涙しながら喜びます。
イスケンデルは近侍頭ズルフィカールの勧め通り帝都を去ろうとしたものの、船着場で先帝アフメトの崩御を知って心変わりしていました。直ちにイスケンデルは宦官ビュルビュルが用意した隠れ家へと送られ、決して外には出ないようサフィエに念を押されます。
その後、イスケンデルの元に皇女ヒュマーシャーがやって来ました。そこでイスケンデルは過去を捨て、玉座に就く権利を取り返すとの志を明かしました。
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トプカプ宮殿。
先帝の妃キョセムは皇子たちの無事を確かめようとトプカプ宮殿を訪れるも逆に母后ハリメの策略にはまり、皇子オスマンの逃亡を企てたとして乙女の塔への収監が命じられます。
とはいえ、未だ宮殿内の者や高官らのほとんどがキョセム派であることから大宰相とイスラムの長老がハリメに掛け合い、キョセムに下された乙女の塔行きの命令は取り下げられました。また、脱走を図り宮殿の牢に入れられていた皇子オスマンも自室に戻ることが許され、皇子メフメトと再会を果たします。
今回の件を受けて母后ハリメは、キョセムの忠臣らの一掃を決意しました。
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金曜礼拝の日。
唯一トプカプ宮殿に残った女官ジェンネトは後宮出納官メネクシェの目を盗み、皇帝ムスタファの薬を差し替えます。差し替えた薬のせいかムスタファは礼拝に向かう途中で正気を失い、皆の前で取り乱してその場から逃げ出してしまいました。
ムスタファは逃げ込んだ路地でも奇行を繰り広げ、ただならぬ様子のムスタファに民衆は呆気に取られます。間もなくして後を追ってきた宰相ダヴドがムスタファを落ち着かせますが、民衆がムスタファに不信感を抱くには十分でした。
「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」71話の感想
イスケンデルは先帝の妃キョセムに裏切られたことで玉座を狙うようになり、キョセムがイスケンデルを裏切った代償は大きいものとなりました。いくら先帝アフメトの玉座を守るためとはいえ、最初からイスケンデルは自ら帝都を離れることを受け入れていましたし、そこは素直にイスケンデルを信じても良かったと思います。
こんなにも容易く人の命を奪おうとするキョセムからはかつての無垢さなど感じられず、時の流れの速さと宮殿の闇深さを痛感しました。そして、いよいよ皇帝ムスタファの奇行が民衆にも知れ渡り、皇帝ムスタファの時代も終わりを告げるのか注目したいところです。