有翡(ゆうひ)36話・37話・38話あらすじネタバレと感想。李晟の妹の李妍たちの協力もあり、無事に朱明草を手に入れた周翡は謝允が待つ蓬莱へと急ぎます。李晟は斎門道長の沖霄までも殺害した四象山の殷沛に我慢の限界を迎え、江湖の達人らと手を組んで殷沛を討つことにしました。
36話: 大薬谷の継承者
擎雲溝。李晟の妹の李妍は大薬谷の応何徒と共に、朱明草のある禁林を目指します。しかし禁林は瘴気に包まれており、その瘴気は吸い続けると死に至るほど強力なものでした。そこで応何徒と李妍は協力して禁林の護衛を倒し、彼らが持っていた瘴気よけの香袋を奪います。そこへ掌門の位から降ろされた楊瑾も合流し、一同は先を急ぎます。
楊瑾は、掌門は命を落とす可能性のある禁林には入れないという掟と、友人の謝允(蕭川)を救いたいという思いの板挟みになり、自ら掌門の座を捨てた
ところが、楊瑾が合流したことで瘴気よけは足らなくなったうえ、朱明草に近づくほど瘴気が強くなり、いよいよ瘴気よけを使っても思うように動けなくなってしまいました。仕方なく楊瑾が李妍を背負い、2人で瘴気よけを共有しながら先を進むことにしました。何とか朱明草を発見した李妍たちは朱明草を摘み、林を後にします。
その頃、掌門不在となった小薬谷に地煞山荘の五荘主の胡天瑛が現れます。胡天瑛は自ら大薬谷の継承者を語り、新たな掌門を決めるための腕試しに名乗りを上げました。
早速、胡天瑛と長老は自ら毒を調合し、相手の毒を飲み干します。次の瞬間、長老は血を吐いて負けを認めますが、毒蜘蛛を仕込んだ自分の毒が胡天瑛に効いていないことに驚きを隠せませんでした。毒に囲まれて育った胡天瑛には毒蜘蛛すら通用せず、毒の影響で動けなくなった長老に代わり胡天瑛が小薬谷を支配します。その他の者も毒を盛られ、小薬谷の人々は身動きが取れずに捕らわれてしまいました。
零陵。周翡は、雪山で約束した慎独印を四象山の朱雀主の木小喬に渡すべく、零陵を訪れていました。客舎に着くや否や店主から助けを求められた周翡は、四象山の殷沛(清暉真人)に絡まれる興南門の朱晨を助けます。周翡は朱晨の助けてもらったお礼をしたいとの申し出を断り、謝允に慎独印は木小喬に渡すと記した文を出して、木小喬との待ち合わせ場所へと向かいました。約束通り木小喬に慎独印を渡した周翡は、木小喬の今後の予定を尋ねます。
木小喬は霍家堡の亡き大堡主の霍長風を毒殺したのは胡天瑛ではないかと疑っており、真相を突き止めにいくとのことでした。
37話:周翡と謝允の再会
擎雲溝へと続く山道。周翡は朱明草を採りに行った李晟の妹の李妍たちと合流するため、擎雲溝を目指していました。夜を迎えて野営する周翡の前に、謝允(蕭川)が現れます。周翡は酒に酔って見える幻だと分かりながらも謝允とのたわいもないやり取りに喜び、ただそばにいて欲しいと願うのでした。
翌朝、零陵周辺。朱明草を手にした李妍は、擎雲溝の掌門の楊瑾と共に零陵に向かっていました。しかしこのまま馬で移動を続けるのはひづめの音が響いて危険との理由から、ここからは徒歩での移動に切り替えます。しばらく進んだところで李晟と呉費将軍の娘の呉楚楚に遭遇し、4人は行動を共にします。李晟と呉楚楚は零陵で地煞が擎雲溝に向かっていることを知り、李妍たちの迎えに来ていました。
李妍が李晟に朱明草を手渡したその時、地煞山荘の六荘主の童天仰が現れ、朱明草を差し出すよう迫ります。李晟は李妍と呉楚楚に周翡を捜すよう託し、楊瑾と共に童天仰の相手を買って出ました。李晟は直ちに救援信号の花火を上げ、周翡に助けを求めます。間もなくして颯爽と姿を現した周翡は李晟から朱明草を受け取ると、自ら童天仰の相手になると宣言して李晟たちを李妍の元へと向かわせました。
慌ててその後を追おうとする童天仰だったものの慎独印は四象山の朱雀主の木小喬の手に渡ったとの報告を受け、撤退を余儀なくされます。
翌朝。興南門の朱晨が目を覚ますと、辺り一面に使いの者たちが倒れており、その中には首から血を流す妹の姿もありました。
昨夜、朱晨たちは面倒事を避けようと夜を徹して移動をしていたところ、童天仰に襲われた
妹の死を悲しむ朱晨の元に殷沛(清暉真人)が現れ、復讐したいなら強くしてやると朱晨に1粒の丸薬を手渡します。そして、その薬を飲んだらこれをつけるよう仮面も差し出しました。
蓬莱。周翡は朱明草を手に、ようやく起きている謝允との再会を果たします。謝允は薬湯のおかげで生き延びているとはいえ体の冷えは治らず、最近はほとんど眠っている状態でした。そのため周翡と謝允が顔を合わせるのは久しぶりで、周翡は起きている謝允の姿に満面の笑みを浮かべますが、相変わらずの素っ気ない態度をとります。言葉とは裏腹に周翡の目には涙が光り、謝允との再会を心から喜んでいるようでした。
38話:出発
蓬莱。自分に残された時間は少ないと悟った謝允(蕭川)は運を天に任せ、周翡との旅を続けることにしました。謝允は周翡に贈る刀を自ら打ち、新たに打ち始めた刀には熹微という名前をつけます。熹微には”夜明け前のかすかな光”という意味がありました。早速、謝允と周翡は蓬莱を出て、謝允の故郷である建康を目指します。
四十八寨。四十八寨に戻った李晟は、四象山の殷沛(清暉真人)との決戦に備えて準備をします。李晟は斎門道長の沖霄を殺すなどの悪行を働く殷沛を放ってはおけず、江湖の達人らと手を組んでいました。李晟は殷沛が策を講じることも織り込んでおり、万全の状態で殷沛を迎え撃ちます。
その一方、呉費将軍の娘の呉楚楚は武芸書をまとめる務めにいそしんでいました。呉楚楚がまとめた武術書の出来には当主の李瑾容も驚いたようで、ここまで上手くまとめられるのは心の強さもあるからだと呉楚楚を褒め称えます。李瑾容は呉楚楚の腕を買い、父が遺した破雪刀をまとめてほしいと頼みました。
建康。建康に辿り着いた謝允は予期せぬ再訪に感慨深さを感じながらも、前に霍家堡の牢獄で周翡に誓った約束を果たすべく建康一の酒楼を目指します。建康の町は人々で賑わい、活気に溢れていました。謝允は酒楼に行く前に灯籠屋を訪れ、建康の灯籠にまつわる話を周翡に聞かせます。それは、かつて美女に恋した男が大量の灯籠を贈り、彼女を射止めたというものでした。
話を聞き終えた周翡は七夕用の灯籠を謝允に贈り、これまでの素っ気ない態度とは打って変わって欲しいものは何でもあげると満面の笑みを浮かべます。とはいえ周翡のふてぶてしさはまだ健在で、謝允から自身の報われない運命を理由に口づけを求められた際には、屋根から突き落とそうかと脅しをかけていました。