「大秦帝国-QIN EMPIRE-」4話・5話・6話のあらすじとネタバレ感想。魏国の総司令官 龐涓が3万の兵を率いて秦国を攻めてきました。その一方で、公叔座の弟子である衛鞅が単独で秦国を訪れ、渠梁との面会を願い出ます。
4話:秦国を救う道
秦国の第25代君主となった渠梁は、食糧も兵力も貧しく、国力の弱い今の秦国では魏国に勝てないと考えます。
そこで重臣たちに「魏軍との戦に備えつつも、戦を避ける策を打ち出すつもりだ」と伝えました。
そこへ、魏国の3万の兵が近づいてきているとの報告が入ります。
たった3万の兵で攻めてくるとは何か裏があるはずだと読んだ渠梁は、考えた結果、魏軍の目的は公叔座の救出だろうと結論づけました。
それを聞いた嬴虔(前君主の長子)は、「だが魏軍の総司令官・龐涓は公叔座と不仲なはずだ。救いにきたとは思えん」と言いますが、渠梁は救出しに来たのは名目で殺しにきたのだと推測します。
そこへ、公叔座の弟子である衛鞅(*主演)が訪ねてきたとの知らせが入りました。
報告に来た従者によれば、衛鞅は師匠の公叔座と秦国を救いに来たとのこと。しかし、渠梁は面会には応じませんでした。
その後、龐涓率いる魏軍に勝利した秦国は前君主の国葬を執り行いました。
そこへ、前君主の娘 熒玉が公叔座を殺しに向かったとの報告が飛び込んできます。
渠梁は急いで止めに行きましたが、熒玉は「公叔座を殺して父上の仇を討つわ!」と聞き耳を持ちません。
さらに嬴虔までもが「自分の地位を捨ててでも父上の仇を討つ!」と言い出します。
渠梁は自分もできるならすぐに魏国を滅ぼして仇を討ちたいが秦の今の国力では無理であるし、捕虜の公叔座を殺してしまえば魏国どころか他の国まで攻めてくるかもしれないと熒玉たちを説得しました。
渠梁の言葉に納得した嬴虔はその後、渠梁に代わって衛鞅に面会します。
衛鞅が「師匠と秦国を救いに来た」と言うと、嬴虔は「国を裏切るつもりか」と鼻で笑います。
衛鞅は「私は魏人でも魏王の臣下でもないから売国にはならない」と言い、秦国が助かる道について以下のように話しました。
龐涓は秦国の滅亡を願っているが、公叔座は秦国の属国化を望んでいる。考えの異なる2人は政敵であり、今回 龐涓が秦を攻めたのも、救出を口実にして公叔座を殺すためだ。しかしそれに失敗した龐涓が次に考える策は何だと思う?そう、“秦人に公叔座を殺させる”ことだ。
だからもし秦人が公叔座を殺せば、龐涓の思うツボであり秦国の首を絞めることになる。
秦国と公叔座を救う唯一の策は、秦国が公叔座を解放すること。それから領土の割譲だ。領土を返せば魏国は侵略する口実を失う、その間に秦国は国力を回復すればいい
少し離れた場所から衛鞅の話を聞いていた渠梁は公叔座を解放することにし、さらに衛鞅の言っていたとおり領土も返上することにしたのです。
5話:和平交渉
渠梁は公叔座が監禁されている牢屋を訪れました。
渠梁は公叔座に、魏国と和平交渉を結ぶつもりであることを話し、これからは公叔座を捕虜としてでなく和平交渉の特使として扱うと伝えます。
公叔座は、これまで自分が出会った中でもっとも度量の広い人物だと感心しました。
公叔座の牢に弟子の衛鞅がやって来ます。
衛鞅は魏国の状況について、”卬公子が公叔座を敗退の罪で訴え、それを聞き入れた君主が公叔座の死罪を命じ一族も拘束した”と説明しました。
衛鞅は帰国前に嬴虔に面会し「秦の君主は口頭で同盟に同意したが、正式な盟約を交わすべきだ」と話を切り出します。書記官のふりをして会話を聞いていた渠梁は「ごもっともです」と同意し、この場で正式な盟約を交わしました。
そうして、秦国から解放された公叔座と衛鞅は無事に魏国に戻ったものの、龐涓が”秦国を滅亡させることが天下統一の近道である”と主張しており 魏の君主 恵王もその意見に心が傾いているようでした。
そこで、公叔座は秦国を討滅しないことが覇権を握る道につながると説きます。
「まずは派兵をやめて、領土の割譲を認めます。そして秦の重要な領土を手中に収めた後は、秦を他の六国と分け合うのです」
それを聞いた恵王は「なるほど、そうすることで六国から攻め込まれる脅威がなくなり、しかも覇者になれるわけか」と納得しました。
6話:秦の分割
*国ごとにまとめているため一部シーンが前後しています
公叔座の策を聞いた魏の君主 恵王はさっそく秦国を六国(魏・斉・楚・燕・趙・韓)で分割すべく、総司令官の龐涓を全権特使に任命しました。
そのことを知った公叔座は恵王に、先日話した策は長期策であり今すぐ用いるものではないし、秦との和平を受け入れた以上 今は信義を守るべきだと説得します。
しかし、恵王はその進言を聞き入れず、六国の君主を招いて秦国を分割するための六ヵ国同盟を開きました。
いざ分割の話になると、各国の君主たちは「魏国はすでに(和平により)秦国の地を得ている」という理由で自分たちだけで秦国を分け合おうとします。
そんな彼らに対し恵王は「つまり私を盟主と認めないのだな?」と圧をかけて黙らせ、最終的に恵王の言うがままの分割となったのです。
各国の君主たちは不満そうな表情を浮かべるも、異議を唱えることができないまま盟約が結ばれます。
一方の秦では、和平のために自分の領地を魏に割譲することになってしまった貴族たちが不満を抱えていました。
彼らは和平および領土割譲の撤回を渠梁に迫ります。
渠梁は貴族たちの不満を解消するため、割譲の対象である貴族の領地と、公族(嬴一族)が有している領地を置換することにしました。
すると今度は嬴一族の何人かが異を唱え「貴族たちが許せぬ!いっそのこと嬴一族以外は皆殺しにして嬴一族の国にしましょう!」と言い出します。
その発言に激怒した太后が発言者の処刑を命じると、嬴一族は誰も置換に反対できなくなるのでした。
その後、領土の置換が正式に決定し貴族たちの不満は収まりました。
しかしほどなくして、六国が盟約を結び秦国の分割を進めているという知らせが飛び込んできます。その知らせを聞いた渠梁は「魏は和平で領土を割譲させた挙句、秦を滅ぼそうとするなどあまりに不合理だ」と憤ります。