「大秦帝国-QIN EMPIRE-」14話・15話・16話のあらすじとネタバレ感想。渠梁が公布した求賢令により、様々な国から衛鞅をはじめとする多くの志願者が集まりました。渠梁は各々の才能と適正を知ってから適切な職位を与えることにしますが……。
14話:登用方法
魏の潜入から戻った熒玉は渠梁に、衛鞅がいかに聡明な人物であるかを語ります。また、求賢令を見た衛鞅の反応が好感触だったことも話しました。
渠梁が公布した求賢令は天下に広まり、様々な国から衛鞅をはじめとする161名の志願者が集まりました。渠梁は彼らのために招賢館を建設し、景監を館長に任命します。
渠梁は招賢館に足を運び、志願者たち(書生)に登用方法を以下のように説明しました。
「各々の才能と適正を知ってから適切な職位を与える。そのため、諸君には3か月の間 秦の国内を巡ってもらい 各自政策を報告してほしい。その内容を見てからふさわしい職位を割り当てる」
すぐに仕官できるものだと思っていた書生たちは口々に不満を訴えますが、渠梁は3ヶ月後に秦の貧しさに嫌気がさした者には100金と帰りの足代を用意すると約束しました。
その夜、衛鞅は景監を訪ねます。景監は衛鞅なら試験なしで任官されるに違いないと言いますが、衛鞅は他の書生たちと同じように秦を巡ることにしたのです。
15話:書生たちの論策
登用試験のために秦の国内を巡った書生らが次々と招賢館に戻ってきます。しかし、衛鞅だけが消息不明で、魏に逃げ帰ったのではないかという噂が立っていました。
その頃、秦国の貧しい辺境の地を巡っていた衛鞅は、戦により体の一部を失った村人らを目にします。いくら戦で功を立てても、庶民は任官されることも爵位を与えられることもなく、帰郷後の生活はより貧しくなるだけであるという現状を知った衛鞅は胸を痛めました。
夜になると、村長の13歳の娘が衛鞅の布団の中に潜り込んできました。少女は父親に言われて添い寝(同衾)をしに来たのです。少女を不憫に思った衛鞅は、彼女に河丫という名前を与え養妹として都に連れ帰ることにしました。
櫟陽(秦の国都)に戻った衛鞅は河丫を知人に預け、自身は景監に会いに行きます。てっきり 魏に逃げ帰ったとばかり思っていた景監は、衛鞅が戻ってきたことを喜びました。
その後に開かれた朝議では、書生のなかで唯一衛鞅だけが召喚されます。渠梁は衛鞅に、秦がとるべき政策について意見を求めました。
衛鞅は“王道”を軸にした政策を説きますが、その政策は滅亡しかけている魯国に倣ったものだったため、渠梁は納得しかねる様子で朝議を切り上げてしまいます。
衛鞅は景監に会いに行き、もう一度だけ渠梁に会わせてほしいとお願いしました。
一方の書生たちは、衛鞅だけが朝議に召され渠梁に謁見できたことを「ひいきではないか、不正ではないか」と訴えます。駆けつけた景監は「皆さんもすぐに謁見できますので論策をご用意ください」と書生たちをなだめました。
渠梁が招賢館にやって来ると、書生たちは各々が考えた論策を提出します。書生のひとりが秦の政策をひどく批判しましたが、渠梁は怒るどころか「教えを胸に刻みます」と批判に感謝したのです。
16話:改革のための9項目
景監からもう一度衛鞅に会うよう頼まれた渠梁は、さっそく面会の場を設けます。しかし、ここでも衛鞅が的外れな政策を語ったため、渠梁は怒って席を立ってしまいました。
実は衛鞅が的外れな発言ばかりしたのには理由があり、その理由を景監に以下のように話します。
「価値の分かる相手に宝を売る方法は何だと思う?“偽物“を見せることだ。本当の目利きなら偽物だと見破る」
衛鞅の意図を察した景監は「次は偽物(の政策)を見せるなよ」と釘をさし、もう一度渠梁に面会できる手はずを整えたのです。
そして、船上で行われた三度目の面会時、衛鞅は「秦が弱国である原因は総合的な国力の欠如です」と説き、改革のための9項目を献上します。そして、渠梁に忠誠を誓いました。
「強秦九論」に心を打たれた渠梁は船を引き返し、宮中にて衛鞅と三日三晩語り合います。衛鞅は改革を進めるにあたってはいくつもの困難が待ち受けているだろうと言いますが、渠梁は最後まで衛鞅を信じてやり遂げることを誓いました。