「大秦帝国-QIN EMPIRE-」31話・32話・33話のあらすじとネタバレ感想。魏軍は趙国を侵攻するも、この機に乗じた斉国が軍を動かし魏軍を敗退に追い込みます。すると今度は魏国は韓国を攻め込むことにしたのです。
31話:魏国の侵攻
兵を起こした魏国では、覇者として復活するためにどの国を侵攻すべきか話し合っていました。
龐涓将軍は、成長途中で勢いのある秦が脅威になる前に滅ぼすべきだと主張。
しかし、いまだに秦を弱小国だと軽視する卬公子や太子は、先に趙や韓を攻めるべきだと反論して意見がぶつかります。
魏の君主 恵王も「秦国が脅威になるわけがない」と公子に同調するのでした。
やがて、魏軍は趙国を侵攻。
すると、この機に乗じた斉国が軍を動かし魏軍を敗退に追い込みました。
その知らせを受けた衛鞅と渠梁は秦国にとって最大の好機だと考え、さらなる改革(精鋭軍を作ること、遷都を実行すること)を進めることに。
しかし、精鋭軍を育てている車英は隊長を選ぶのに苦労していました。
それというのも、隊長候補のほとんどが旧奴隷であり、彼らを採用すれば貴族の子弟たちが納得しないためです。
そのことを聞いた渠梁は自ら精鋭軍に会いに行き、「実績のない者は仮隊長とし、実績を得てから正式な隊長とする」と決定を下します。さらに、出身による差別があってはならないことを強調し、旧奴隷を見下すことなく力を合わせるよう言い渡しました。
32話:魏国と韓国の決戦
秦国が改革を開始してから十数年後の紀元前342年、無敵の精鋭部隊が秦に誕生しました。
秦は河西をはじめとする失地を取り戻すべく、軍政を整え、来るべき戦いに備えます。
その頃、魏国は自分たちの支配下から逃れようとしている韓国を攻め込もうとしていました。
龐涓将軍は反対しますが、またしても主張は聞き入れられず韓国との戦が決定されます。
一方、韓国では斉、楚、趙と同盟を結び魏国の来襲に備えていました。
しかし、いざ魏国と韓国の戦いが始まると、斉、楚、趙は動く気配を見せません。
斉の君主は韓に援軍を出すか決めかねていましたが、もし魏が勝てば魏の一強となってしまい天下の均衡が崩れてしまうため援軍を出すことにしました。
ただし、すぐに援軍を送るのではなく、韓が兵力も国力も消耗した頃を見計らってから送ることにします。
これは、魏と韓の共倒れを狙った策でした。そして同時に斉国は、魏国を直接攻める準備も整えます。
33話:覇権の終わり
斉国が魏を直接攻めたことにより、魏軍は韓国との戦から撤退。
しかし、韓国はこの戦で多大な犠牲者を出したうえに国力をほぼ使い果たしてしまいました。
城一面に染まった韓人の血を直接目にした韓の君主は憤死し、丞相の申不害も後を追って自害。
これ以来、韓は衰退の一途を辿ります。
その頃、魏国に引き返していた龐涓は斉軍の攻撃を受けて戦死しました。
わずかの兵が残るも魏軍は大敗を喫します。
この戦は戦国時代の1つの区切りとなり、魏が覇権を握る時代は終わりを迎えます。
魏の朝廷では太子と卬公子が大敗の責任を龐涓ひとりになすりつけ、見せしめとして龐涓の亡骸を野ざらしにするべきだと主張していました。
龍将軍は龐涓を擁護しましたが、聞き入れられず投獄されてしまいます。
一方、魏の大敗を知った秦では、衛鞅が渠梁に、今こそ魏から河西を取り戻す時だと進言しました。
そして、秦はついに咸陽への遷都を完了させ、衛鞅が精鋭軍を率いて河西に出陣します。