「陳情令」9話・10話・11話あらすじネタバレと感想。何かに操られた村人たちが魏無羨たちを襲おうとしました。もし応戦すれば罪のない村人たちを傷つけることに……。その時、外から笛の音が聞こえ、村人たちは武器を下ろして出ていきます。
9話:温氏の過去
何かに操られた村人たちは扉を打ち破って祠になだれ込み、魏無羨たちを襲おうとしました。もし応戦すれば罪のない村人たちを傷つけてしまいます。魏無羨はひとまず自分たちと村人たちの間に術を使って網を張りました。
その時、外から笛の音が聞こえ、村人たちは武器を下ろして祠から出ていきます。魏無羨たちも祠から出て行こうとすると舞天女像の方から「舞天女の祠に立ち入るとは罪深きことよ」という声がしました。
聶懐柔は怯えますが、魏無羨と藍忘機はその声に聞き覚えがあり……。魏無羨が呼びかけると、舞天女像の後ろから江澄が出てきたのです。江澄は魏無羨たちに祠の外で温情が笛を吹いて村人たちをおびき出したことを教えました。
気づくと笛の音が止んでいました。温情の身に何かあったのではないかと思った4人は急いで外に出ます。温情は片手に松明、片手に針を持って上空から村人たちを操っていた温氏の梟を仕留めようとしていました。
4人の姿を見た温情が松明を置くと村人たちがまた襲ってきます。藍忘機が咄嗟に術をかけて一時的に村人たちの動きを止めました。
温情は今のうちに4人で逃げてと言いますが、魏無羨は力を合わせなければ脱出できないと言って村人を止める方法を尋ねます。温情は梟を殺せば村人を止められると答えました。
魏無羨は温情、江澄、聶懐柔を術で作った網で囲って村人たちから守り、藍忘機と梟を追いかけます。梟が作り出した方向感覚を失わせ心を乱す霧のせいで魏無羨と藍忘機はお互いが隣にいるのかどうかもわかりません。
梟が繰り出す鎖に捕らえられてしまう魏無羨。魏無羨は気を失ったふりをし、とどめを刺そうと飛んできた梟を素手で捕らえて絞め殺しました。
魏無羨と藍忘機が元の場所に戻ると村人たちは正気に戻っていましたが、温情たちが見当たりません。温情たちは数人の村人とともに近くの墓に参拝していました。魏無羨に墓との関係を尋ねられた温情は次のように語ります。
この村には温氏の傍系で医術を専門とする一族が住んでいた。
しかし10年前に突然、舞天女像が暴れ出して一族が殺され、生き残った温情と温寧はまだ子供だったために温若寒に引き取られた。温寧はこの時、霊識の一部を吸われたので邪崇に取り憑かれやすい体質になったようだ。
この墓は一族が埋葬されている場所である。
藍忘機は、舞天女像はどうして10年前に急に暴れ出したのかと尋ねますが、温情は子供だったからわからないと言いました。魏無羨は自分の考えを次のように話します。
さっき祠で舞天女像は陰鉄を持っている藍忘機に向かってきた。そのことから考えて元々舞天女像の体内には陰鉄が埋め込まれていたのではないか。
10年前、舞天女像は何者かに陰鉄を取り出されたせいで暴れ出して一族を殺して人の霊識を吸ったのではないか。そして取り出した人物は温若寒ではないか。
藍忘機は温情に、全部で4つある陰鉄の欠片のうち3つが世に現れた、残りの1つは?と尋ねました。しかし温情は温若寒には育てられた恩があるから教えられないと言って立ち去ろうとします。
江澄はそれを引き留め自分たちと同行するように勧めますが、温情は温寧が温若寒のところにいるから戻らなければならないと言って立ち去りました。
魏無羨、藍忘機、江澄、聶懐柔は櫟陽へ向かいます。酒楼に入った4人は、最近この地を守る常氏の屋敷に住んでいた人たちが突然姿を消したという話を聞きます。その時、藍忘機の懐にある陰鉄が急に震え出すのでした。
自分の屋敷からの迎えを待つという聶懐柔を酒楼に残し、3人は常氏の屋敷に向かいます。屋敷の扉を開けると庭には多数の骸が転がっていたのです……。
10話:聶氏への襲撃
魏無羨たちが調べると常氏の屋敷の骸はどれも瞳が変色し、首に赤い筋が浮き上がっていました。その時、藍忘機の持つ陰鉄が光り、一同が屋根を見上げるとそこに薛洋が座っていたのです。
その時、「今日は逃がさぬぞ」と言って白装束の仙師が屋根に舞い降りました。薛洋は屋根の向こう側に飛び降りて逃げようとしますが、魏無羨が術を使って薛洋をこちら側に引きずり下ろします。
追いかけて屋根から飛び降りてきた仙師と薛洋の一騎打ちに。形勢不利になった薛洋は術で煙を出してその間に反撃しようとしますが、その時、黒装束の仙師が舞い降りてきて、薛洋を術で縛り上げます。
薛洋は不敵な笑いを浮かべながら自分の罪を認めると言うのでした。白装束の仙師は暁星塵(ソン・ジーヤン)と名乗り、黒装束の仙師は宋嵐(リー・ボーウェン)と名乗りました。2人の仙師は惨殺を繰り返していた薛洋を追っていたようです。
一同は薛洋が陰鉄の欠片の1つを隠し持っているのではないかと思って衣や屋敷の中を探しますが、見つかりません。また魏無羨が温氏の回し者かと尋ねたところ、薛洋は常氏に個人的な恨みがあるだけだと答えました。
そこへ聶氏の屋敷から迎えに来た孟瑶(チュウ・ザンジン)を連れた聶懐柔が来ます。孟瑶は聶懐柔の兄である聶氏宗主の聶明玦(ワン・イージョウ)の命で皆を迎えに来たと言いました。
魏無羨は薛洋を聶氏の屋敷に連れて行き、聶明玦に処断を仰ぐことを提案します。暁星塵と宋嵐はそれに同意した上で、世家の子弟ではない自分たちは聶氏の屋敷へは行かないと言いました。
別れ際、藍忘機が師匠を尋ねると暁星塵は抱山散人、宋嵐は白雪閣と答えました。魏無羨は母と同門の弟子に出会って感動しますが、暁星塵は入門が遅かったので蔵色散人との面識はないと言います。
聶氏の屋敷に着くと孟瑶が、最近温氏から各世家に宗主の血縁の弟子を訓学に来させるようにと連絡があったと説明しました。魏無羨は無理やり参加させて人質にとるようなもんだとつぶやきます。
そこへ聶明玦が来ました。聶明玦は薛洋の極悪非道ぶりを聞いて斬ろうします。その時、孟瑶が斬るのはいつでもできます、今は各世家の未来に関わる陰鉄の破片の隠し場所を聞き出すべきですと進言しました。
聶明玦は納得して孟瑶に薛洋を地下牢で厳重に見張るように命じます。命を受けて孟瑶は兵の総領に同行を願いますが、総領は孟瑶のことを”妓女の子”だとバカにしていて取り合ってくれないのでした……。
また聶明玦は藍忘機に、藍曦臣が禁書の中に陰鉄についての記載を見つけたらしい、直ちに陰鉄の欠片を持ち帰って災いを除く策を講じてほしいと言いました。藍忘機はその夜のうちに雲深不知処に向けて発ちます。
翌朝、温晁が聶氏に来て、薛洋と陰鉄の欠片を引き渡すように言いました。聶明玦はそれを拒否し、温晁の凄腕の腹心、温逐流(フォン・ミンジン)と一騎打ちになります。
その時、薛洋が逃げたとの知らせがあり、牢を見に行った聶明玦は孟瑶が総領を剣で刺しているのを目撃。そこへ温逐流が追ってきたのに気づいた孟瑶は聶明玦をかばって右胸に剣を受けてしまいます。
その直後、温晁が気で攻撃してきて、聶明玦も負傷してしまうのでした。また温晁は兄の温旭(ワン・ロン)が雲深不知処に向かったと忠告して立ち去ります。
孟瑶は総領が薛洋を逃がしたから刺したと釈明しますが、聶明玦は信じず孟瑶に屋敷から立ち去るように言いました。孟瑶は今までの恩に感謝すると言って出ていきます。
11話:寒潭洞
訓学の件で江氏にも誰かが遣わされているのではないかと考えた魏無羨と江澄は屋敷に帰ることにします。屋敷に戻った魏無羨と江澄は勝手に出かけたことを叱られるのではないかと思いますが、江楓眠はまず食事をしようと言いました。
2人の帰郷を聞いて走ってきた江厭離も一緒に食卓を囲んだところへ、江厭離と江澄の母である虞紫鳶(チャン・ジントン)が出てきます。
虞紫鳶は、魏無羨を引き取ったことから夫と蔵色散人の関係を疑い夫婦仲が悪くなっていました。虞紫鳶は江楓眠に温氏に対する不満や、江澄が魏無羨に勝てないことへの文句を言って去って行きます。
一方、雲深不知処では温旭の放った火毒のせいで藍啓仁が吐血していました。藍曦臣は叔父に古書を託して逃がそうとしますが、逆に藍啓仁に自分が残るから古書を持って逃げるように言われてしまいます。
藍啓仁は弟子たちを連れて冷泉の地下の寒潭洞に隠れることに。ところが寒潭洞に入る直前に温旭の軍に追いつかれてしまいます。そこへ藍翼の琴とともに降り立つ藍忘機。
琴での攻撃で兵たちがひるんだ隙に、藍啓仁、藍忘機と一部の弟子たちは寒潭洞に逃げ込みます。温旭は寒潭洞の中に向かって陰鉄の欠片を差し出さないと逃げ遅れた弟子たちを皆殺しにすると怒鳴りました。
それを聞いた藍忘機は陰鉄の欠片を持って外へ飛び出します。藍忘機は温旭に雲深不知処から兵を退けば、自分が陰鉄の欠片を温若寒に持って行くと言うのでした。
その頃、温氏にはすでに3つの陰鉄の欠片がありました。温若寒は温情に向かって魏無羨と藍忘機を逃がしたそうだなと言います。そして次に同じことがあれば犠牲になるのは温寧だと言って温情を脅すのでした。
温氏の訓学が始まる日。魏無羨と江澄が到着すると金子軒と聶懐桑は来ていましたが、藍忘機の姿がありません。魏無羨たちは藍忘機は陰鉄の欠片を持っていたから逃げおおせたのかもしれないと一縷の望みに賭けます。ところがその直後、藍忘機が温氏の兵に連行されて来たのでした。