「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」シーズン2第4話・5話・6話あらすじネタバレと感想。皇帝ムラトは母后キョセムに摂政解任の勅命を出し、御前会議を開きます。
そこでムラトは聖典コーランを手に改めて皆に忠誠を誓わせると、自身も征服の時代の再開を誓いました。また、処刑された前大宰相トパルに関する衝撃の事実も発覚します。
第4話:母后の追放
トプカプ宮殿。母后キョセムは皇帝ムラトに呼び出され、側女たちの部屋へとやって来ました。
そこにムラトの姿はなく、側女たちが全員集まっていました。するとそこへ後宮宦官長ハジュが現れ、ムラトの勅命を読み上げます。
勅命にはキョセムの摂政解任が記されており、キョセムは皆の前で摂政としての任を解かれました。キョセムはわざわざ皆の前で摂政解任を発表させたムラトに苛立ちを隠せず、敵にもされなかったことを息子にされたと怒り心頭です。
そんな中、ムラトは歩兵常備軍と騎士隊、イスラム法学者と民を集め、御前会議を開催します。ムラトは反乱と悪事を働くならず者ばかりの騎士隊を嘆き、今こそ国の基盤となるイスラムの道を遵守すべきだとの意思を表明しました。
そして、ムラトはセリム1世が手に入れた聖典コーランを取り出すと、皆に改めて忠誠を誓うよう求めます。歩兵常備軍、騎士隊、イスラム法学者の代表がコーランに手を置き、悪事を働かずに皇帝に従うことを誓いました。
それに応じる形で、ムラトも征服の時代の再開と正義で統治して世界の秩序を再構築することを宣言します。こうした恐怖政治で権威を振るうムラトを、弟たちは不安げに見つめます。
中でもキョセムの摂政解任を気にしており、ムラトが支配に影を望まないのなら皇子である自分たちも危険なのではと考えていました。最も危険な立場にあることを皇子カスムから指摘された最年長の皇子バヤジトは、何も言わずにその場を後にします。
その一方、国璽尚書 兼 宰相シナンは、司祭らと密会していました。司祭らは、ムラトがキョセムを摂政から降ろしたゆえ一刻も早い介入を要すると焦りの色を浮かべます。
ところが、シナンだけは至って冷静で、トランシルバニア公国の王女ファリアが引き渡されない場合に残る選択肢は“死のみ”だと言ってのけました。
第5話:陰謀
発明家へザルフェンの家。皇帝ムラトは以前へザルフェンに教皇の手紙の解読を託しており、今日はその結果を聞きにやって来ました。
ところが、まだ何も解読できてないへザルフェンは焦りの色を浮かべ、しどろもどろになりながら期限の延長を願い出ます。すると、その時ヘザルフェンは干していた教皇の手紙の異変に気づきました。
手紙の一部には文字が浮かび上がっており、その箇所はヘザルフェンが誤ってぶどう酒をこぼしてしまった部分と一致していました。これで教皇の手紙はブドウ酒で細工されていることを確信したヘザルフェンは、再度手紙にブドウ酒をかけ始めます。
そして、この手紙はブドウ酒で文字が浮かび上がる仕様なのだと説明し、完全に文字が浮かび上がるまで待つことにしました。その傍では、旅行家のエヴリヤがブドウ酒を使った細工をするのは異教徒しかいないと声を荒らげます。
ついに文字が浮かび上がった教皇の手紙を、ヘザルフェンが読み上げていきます。その手紙は教皇が欧州諸国に向けて書いたもののようで、オスマン帝国を取り返すために欧州諸国の団結を促す内容が記されていました。
また、帝都に存在する秘密結社のことまで記されており、大勢の会員の中には前大宰相トパルのような権力者もいることが判明します。これにはさすがのムラトも動揺を隠せなかったものの、敵の触手は全て切り落とすと豪語して、秘密結社についての調査を命じました。
一方、皇帝妃アイシェは、ムラトと王女ファリアの急接近に気を揉んでいました。アイシェはファリアの後をつけていたところをシナンに見つかり、ファリアが教皇の甥を殺害したことを知らされます。この事は直ちに母后キョセムにも知らされ、キョセムは後宮出納官メレキーにファリアの調査を命じました。
その夜。ムラトはファリアの船で襲撃を受けます。これはファリアを狙ったシナンによる仕業で、シナンは司祭らに告げた通りファリアを抹消しようと船に火を放ったのでした。
しかしこの作戦はムラトが船にいることは想定されておらず、案の定ムラトに計画を阻止されてしまいます。シナンはファリアを殺し損ねたうえ、ムラトの恨みまで買うという最悪の事態に陥りました。
第6話:王女の宴
トプカプ宮殿。母后キョセムは、王女ファリアのための宴を開きます。
これはあくまで皇帝ムラトの機嫌取りのためでしたが、何も知らないファリアは初めての宮殿に浮かれ気味でした。そんなファリアを皇帝妃アイシェは嘲笑い、ムラトに近づかぬよう牽制します。
その後、真珠宮殿の部屋に戻ったファリアは、侍女のマグリットにアイシェの不満を漏らします。しかしムラトに近づいてほしくないのはマグリットも同じだったようで、ファリアはマグリットからもムラトに近づかぬよう念を押されました。
そこへ、ムラトが現れます。ムラトはファリアに問題解決までの数週間は帝都に滞在するよう告げますが、ファリアは母を助けるべく一刻も早く帰りたいと主張しました。
決して折れようとはしないファリアに、ムラトは庇護下の”捕虜”なのだから従うよう告げ、改めてファリアに立場を自覚させるのでした。ファリアは目的のためとはいえ悪化を辿る一方の状況に苛立ち、復讐心を募らせます。
翌朝。荷造りをしていたファリアの元へ、皇女アティケがやって来ます。アティケはファリアが荷造りをしていることに驚いた様子で、ムラトが真珠宮殿にファリアを残すことにしたと告げました。
ファリアがほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、ファリアはキョセムに呼び出されます。慣例を重んじるキョセムはムラトの身勝手な行動に怒り心頭で、ファリアに今すぐ出て行くよう言い放ちました。
一方、ムラトは太刀持ちムスタファを通じて、処刑した前大宰相トパルが愛人を囲っていたことを知ります。その愛人には子供までおり、愛人の家からはイエズス会のエルサレム騎士団の命令書も見つかりました。
これで教皇の手紙にあった秘密結社がエルサレム騎士団である可能性が高まったうえ、命令書にはロレンツォ司祭宛ての手紙が挟まっていました。早速、ムラトは太刀持ちムスタファを連れてロレンツォ司祭を訪ねることにします。