「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」シーズン2第7話・8話・9話あらすじネタバレと感想。皇帝ムラトが実権を握ってからというもの、オスマン帝国の治安は悪化する一方でした。
トランシルバニア公国の王女と、母后キョセムの金庫番が続々と襲撃を受けます。ついには、皇帝であるムラトがトランシルバニア公から子供扱いをされ、激怒したムラトは進軍を決意します。
第7話:付け上がる反逆者たち
トプカプ宮殿。皇帝ムラトはロレンツォ司祭を連行し、太刀持ち兼小姓頭ムスタファとキョセム付き用人ケマンケシュに拷問させます。
命の危険を感じたロレンツォ司祭は全てを話すことにしたものの、話はムラトにだけすると条件をつけました。それもそのはず、ロレンツォ司祭が話そうとしていたことは、イスラム世界の使徒たる皇帝ムラトに改宗を求める内容だったのです。
いざムラトを前にしてもロレンツォ司祭は平然とした様子で、ムラトにキリスト教への改宗を条件に大帝国をもっと大きくできると言ってのけました。ムラトは必死に怒りを抑えているようでしたが、その眼差しは鋭いものに変わりました。
そして、改宗などしなくとも世界征服は神が望むなら成し遂げられるとして、ムラトはロレンツォ司祭を塀から投げ落とします。その頃、宮殿の外では教皇の配下の者たちと、逃走中の騎士隊による襲撃が続々と起きていました。
ユスキュダルの宮殿へと移動していたトランシルバニア公国の王女ファリアと、母后キョセムの金庫番エステルが襲われます。ファリアは教皇の配下に襲われますが、これはファリアを疎む皇帝妃アイシェが独断で仕組んだものでした。
アイシェはファリアをムラトから遠ざけるべく、ファリアがユスキュダルの宮殿に向かうことを使節に知らせていました。しかし、皇女アティケがムラトにファリアの移動を知らせる手紙を送ったことにより、ムラトが駆けつけて作戦は失敗に終わります。
エステルは自身の屋敷でキョセムの財産管理をしていたところ、逃走中の騎士隊に襲われます。その場にあった金品は全て持ち去られてしまうも、エステルはキョセムへの伝言を託されたことで命拾いしました。すぐさま宮殿に戻ったエステルは、キョセムに逃走中の騎士隊からの伝言を伝えます。
それはムラトを降ろして皇子バヤジトを玉座に就けるとの宣戦布告で、逃走中の騎士隊はキョセムが約束を破ったことに腹を立てているようでした。キョセムはムラトが実権を握ってからの治安の悪化に苛立ちを隠せず、宰相ハリルに事態の収集を急ぐよう命じます。
その後、キョセムはムラトからファリアの襲撃を指示した者とみなされ、強い非難を受けます。キョセムの無実だという主張も聞き入れようとしないムラトに対し、キョセムは真の敵は逃走中の騎士隊だと声を荒らげました。
第8話:追放
トプカプ宮殿。皇帝ムラトは、教皇の配下に襲撃されたトランシルバニア公国の王女ファリアを見舞います。
ムラトは自らファリアの傷に薬を塗り、2度と誰にも触れさせないことを約束しました。そんなムラトの誠実さに心を許したファリアは母の潜伏場所を明かし、ムラトに母の救出を託します。
早速、ムラトはファリアの母の安全の確保を命じる勅命をボスニア州軍政官に送るべく、国璽尚書 兼 宰相シナンを呼び出します。そこでムラトは改めてシナンの忠誠心を確かめるも、シナンの裏の顔を暴けず勅命を託してしまうのでした。
その一方で、母后キョセムは皇帝妃アイシェを呼びつけ、ファリアの襲撃を命じたのかを確認します。アイシェは平然と関与を否定したものの、キョセムのただならぬオーラに恐れをなして襲撃を命じたことを白状しました。
すると、キョセムはアイシェに強烈な平手打ちを食らわせ、アイシェのせいで自分まで窮地に立たされたと憤慨します。ついにはこのままアイシェをムラトに引き渡そうとするキョセムでしたが、そこへ皇子アフメトが現れます。
実は、アイシェは万一に備えてアフメトを同行させており、これが見事に功を奏してキョセムの同情を引くことができました。
翌日。ムラトは授業中のアフメトの様子を見に来たところ、アフメトからアイシェがキョセムに叩かれたことを聞かされます。
すぐさまムラトはアイシェを呼び出し、ファリアのことを密告したのかと問いただします。いよいよ言い逃れのできない状況に追い込まれたアイシェは必死に弁明を続けますが、この往生際の悪さがムラトの逆鱗に触れ、アイシェは追放を言い渡されてしまいました。
そこへちょうどキョセムが現れます。キョセムはあまりにも厳しいムラトの行動に、幼い子供たちのためにもアイシェを許すよう忠告しました。とはいえ、今はそんなことよりも重大なことがあるとして、キョセムは金庫番エステルを襲撃した騎士隊の隠れ家を突き止めたことを明かします。
第9話:挑発
トプカプ宮殿。皇帝妃アイシェは旧宮殿への追放を受け入れられず、太刀持ち兼小姓頭ムスタファに助けを求めます。
太刀持ちムスタファは最善を尽くすとはしつつも、助けが必要ならアイシェに真実を話すよう促しました。それでもアイシェは国璽尚書 兼 宰相シナンとの約束を守り、斧槍持ちの名前を上げました。
アイシェはシナンを通じてトランシルバニア公国の王女ファリアの移動を使節に密告していたが、万が一の時は名を伏せるようシナンから頼まれていた
その後、太刀持ちムスタファは皇帝ムラトを訪ね、アイシェの追放について進言しようと試みます。ところが、ムラトはアイシェの名前を聞いただけで憤慨し、太刀持ちムスタファに2度とアイシェを擁護せぬよう灸を据えました。
一方、シナンは司祭らと密会し、ロレンツォ司祭が始末されたことと、ファリアの母の居場所を掴んだことを報告します。すると、コーネリウス司教はトランシルバニア公イシュトヴァーンに知らせを出すようシナンに命じました。
騎士隊の隠れ家。ムラトはキョセムからの情報を受け、自ら腹心たちを率いて隠れ家へとやって来ました。
ムラトを筆頭に一同は隠れ家に突入し、その場にいた者を1人残らず成敗していきます。しかしそこにイェミシュチとサルの姿はなく、ムラトはキョセム付き用人ケマンケシュに警戒を怠らぬよう言い渡しました。
トプカプ宮殿。ムラトの元にイシュトヴァーンからの手紙が届きます。イシュトヴァーンは、“外交面でのみ帝国に従属している”ことを強調したうえで、ファリアの件は内政問題ゆえファリアを送還するよう求めていました。
このイシュトヴァーンの無礼極まりない手紙にムラトは怒髪天を衝き、宣戦布告を記した手紙を送り返します。ムラトが許しを請わない場合に武力行使に出るとしたのに対し、イシュトヴァーンの返信には子供に許しを請うくらいなら死を選ぶと記されていました。
ついに我慢の限界を迎えたムラトは、自ら軍を率いて遠征するとの宣言をします。そんな中、ファリアの元にイシュトヴァーンの使いの者が現れ、ファリアの母が拘束されたことを知らせます。