「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」シーズン2第13話・14話・15話あらすじネタバレと感想。ついに騎士隊による反逆が始まり、母后キョセムは命を狙われて姿を消します。
皇帝ムラトを始め、皇子バヤジトとカスムまでもがキョセムの捜索に出る中、ムラトも騎士隊に命を狙われ……。
第13話:襲撃
トプカプ宮殿の地下牢。トランシルバニア公国の王女ファリアは、侍女マルグリットの悲痛な叫び声で飛び起きます。
ファリアはマルグリットに何か起きたのではと思い、慌ててマルグリットの名前を呼んで無事を確かめました。しかしマルグリットは完全にパニック状態で、ファリアの問いかけにも答えずに王女の無実を訴え続けました。
それというのも、マルグリットの牢はファリアよりも出入り口に近いため、処刑人の姿がファリアよりも先に見えていたのです。処刑人はマルグリットの牢を素通りし、ファリアを連行します。
ファリアは心を決めたようですが、処刑人に同行していたキョセム付き用人ケマンケシュに、1つだけ皇帝ムラトへの伝言を託しました。それは、少しでも気概があれば己の手で殺すはずというものでした。
ファリアは手の拘束と目隠しをされ、馬に乗せられて何処かへと連行されます。ファリアが連れて来られた場所は森の中で、そこへムラトがファリアの剣を手に現れます。
ムラトは剣を使ってファリアのフードと目隠しを器用に外すと、ファリアに弁明の機会を与えました。ファリアは改めてムラトを裏切らざるを得なかったとしたものの、話を聞かずに見限ったのはムラトだと主張します。
それに対してムラトはいつになく冷静な様子で、どんな理由があれど裏切った事実は変わらず、代償を払わなければならないと答えました。ファリアはムラトの言葉を受け入れ、死を覚悟します。
次の瞬間、ムラトは剣を抜いて振り翳しますが、すぐに剣から手を離し、ファリアの命を許すと告げました。
ムラトはファリアをトランシルバニアに連れていき、ファリアの叔父を討ち、ファリアの母を救うことを宣言します。これは、ムラトがかつてファリアに約束したことでした。
帝都、救貧院。母后キョセムは、恒例の炊き出しのために救貧院を訪れていました。
いつも通りキョセムが炊き出しを配っていたところ、突如として騎士隊による襲撃を受けます。慌てふためいた人々がその場から逃げようと押し寄せ、救貧院は騒然となりました。
そんな中でもキョセムは冷静で、側にいた反乱者の息子メフメトを守ろうと腕の中に招き入れます。ところが、父の死の真相を知ったメフメトはそっとナイフを取り出し、キョセムの腹を突き刺しました。
キョセムはその場に倒れ込み、異変を察知した後宮宦官長ハジュが駆けつけようにも押し寄せる人々に遮られ、姿を見失ってしまいます。この緊急事態は直ちにムラトにも知らされ、ムラトはすぐさま帝都に引き返すことにしました。
一方、トプカプ宮殿ではこの騒動に乗じて、皇子バヤジトの母ギュルバハル妃がある行動に出ます。
第14話:母后発見
帝都。皇帝ムラトは母后キョセムの襲撃を受け、帝都へと戻ってきました。
すぐにキョセムの捜索を指揮するムラトでしたが、そこへ騎士隊のサルが現れ、ムラトは背中を狙われます。しかし、すんでのところで側にいたトランシルバニア公国の王女ファリアがサルを迎え撃ち、ムラトは無事でした。
ムラトはファリアの行動に目を丸くしつつも、何も言わずにキョセムの捜索を再開します。帝都の家を一軒ずつしらみ潰しに捜索していき、主馬係のデリ・フセインが空き家に潜伏するキョセムと用人ケマンケシュを見つけました。
キョセムとケマンケシュは共に息はしているものの意識不明の状態で、直ちに宮殿へと運ばれます。
トプカプ宮殿。皇子バヤジトの母ギュルバハル妃の腹心である側女フィルズは、ギュルバハルの命を受け、拘束された騎士隊のイェミシュチを殺害します。
これは、国璽尚書 兼 宰相シナンが尋問で自分の名が出ることを恐れ、ギュルバハルにイェミシュチの始末を頼んでいたからでした。フィルズは牢の守衛とイェミシュチを殺害すると、駆けつけた宰相ハリルと太刀持ち兼小姓頭ムスタファの前で自ら命を断ちました。
宮殿に戻ったキョセムとケマンケシュは、医者の懸命な治療のおかげで一命を取り留めます。とはいえ、なかなか意識を取り戻さないキョセムに皆は心を痛めており、ムラトは一晩中キョセムに付き添いました。
ムラトは寝込むキョセムの手を取り、自分はキョセムの嵐の中に育ったプラタナスだとしたうえで、まだ置いていかないでほしいと懇願します。すると、キョセムの瞳から一筋の涙が流れ、ムラトの名前を呼びました。
目を覚ましたキョセムはムラトは生きがいであり、自分自身を映す鏡ゆえ置いては逝かぬことを約束しました。その後、キョセムは自ら歩いて部屋を移動できるまでに回復します。
ムラトは宮殿で働く者を集め、徹底的に反逆者の排除を行うことを宣言しました。ただ、忠臣の太刀持ちムスタファとケマンケシュにだけは、トランシルバニアの問題も放置はできないとの胸中を明かします。
第15話:皇帝と母后の強固な関係
トプカプ宮殿。トランシルバニア公国の王女ファリアは居ても立っても居られず、皇女アティケの協力を得て、半ば強引に皇帝ムラトの部屋を訪れます。
それというのもファリアの宮殿での滞在は一時的なもので、母后キョセムの襲撃事件が起きたゆえ皇帝ムラトに同行する形で戻っただけでした。そのためファリアは何とか正式に宮殿に残ろうと、ムラトの情に訴えかけます。
ところが、ムラトは相変わらずの厳しい態度を貫き、ファリアを拒絶しました。そこへ皇帝妃アイシェが現れ、アイシェはムラトを浴場に誘います。ムラトは険しい表情を浮かべながらも、アイシェを受け入れました。
外苑。ムラトはイエズス会の司祭らを始め、その関係者までもを全員呼び出しました。
ムラトのただならぬ様子に皆が息を呑む中、ムラトはイエズス会に纏わる人物を全員オスマン帝国から追放するとの宣言をします。そのうえ、全ての土地財産の差し押さえが言い渡されました。
このムラトの決断は、宮殿内でも議論を呼びました。イスラムの長老たちや母后キョセムの金庫番エステルが商売を理由に反対するのに対し、前イスラム長老と母后キョセムはムラトを支持します。
特に、キョセムはムラトの決断を絶賛しており、直接ムラトを訪ねて理解を示しました。ただ、それだけでは足りないとして、差し押さえた土地財産を他のカトリック教徒に与えて互いにいがみあわせるよう提案します。
そんな中、ムラトの側女エラーヌールが皇子カスムと子を身籠ったことが発覚します。すぐさまエラーヌールはカスムを訪ね、身籠ったことを報告しました。
地下牢。キョセムは、自身を刺した反乱者の息子メフメトの元へとやって来ます。
キョセムはメフメトの父が反逆者であったことを明かしたうえで、自身が処刑を命じたことを認めました。真相を知ったメフメトは涙ながらに父の罪を償うと申し出たものの、キョセムは子が親の罪を背負ってはならぬとの理由からメフメトを許しました。
そして、キョセムはメフメトにエジプトで新たな人生を始めるよう告げます。
トプカプ宮殿。キョセムは皇子バヤジトの母ギュルバハルの元を訪れ、アマスヤに帰るよう言い渡します。その一方で、ムラトはファリアを呼び出します。
そこにはボスニア州軍政官アバザ・メフメトの姿もあり、アバザ・メフメトはトランシルバニア公イシュトヴァーンの首を持って帰ってきていました。さらには、ファリアの母まで連れてきており、ファリアは母との念願の再会を喜びます。