「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」シーズン2第22話・23話・24話あらすじネタバレと感想。
トランシルバニア公国の王女ファリアの懐妊が判明して怒り心頭の皇帝妃アイシェを、皇子バヤジトの母ギュルバハルが昔話で焚き付けます。
そんな中、皇帝ムラトはダマスカス州軍政官イリヤスが反乱を起こしたことを知り、自ら制圧に向かう決断をしました。
第22話:王女の解任と皇子への罰
イスタンブール、テルサネ宮殿。母后キョセムは医女を連れてテルサネ宮殿を訪れ、トランシルバニア公国の王女ファリアに不妊手術を施そうとしていました。
使いの者がファリアを薬で眠らせ、直ちに医女が不妊手術の準備に取り掛かります。ところが、ファリアを診察した医女は困った様子でキョセムを呼びました。なんとファリアは、すでにムラトの子を身籠っていたのです。
医女から対処を求められたキョセムは悩んだ末、何もせずにその場を後にしました。
トプカプ宮殿。皇子カスムは皇帝ムラトに連れ出され、訳もわからぬまま後をついていきます。
何も言わずに歩みを進めるムラトに全てを悟ったカスムは、改めて自分の過ちを謝罪したうえで殺さないでと命乞いをしました。すると、ムラトは兄と皇帝という異なる立場では容認できないこともあるとして、カスムに”鳥籠“へ入るよう命じます。
それは叔父の第15代皇帝ムスタファが幽閉される部屋で、カスムは叔父ムスタファと共に幽閉されることになりました。一見すると、厳しすぎるようにも見えるムラトの対応には、ムラトなりの優しさがありました。
本来ならばカスムの取った行動は処刑に値するものですが、ムラトは兄としてカスムを許し、皇帝として幽閉という形で罰を与えたのです。なお、カスムに罰を与えたのにも意味があり、玉座を狙う者に対しての牽制でした。
しかしそんなムラトの考えは理解されず、ムラトはキョセムを始めとする家族の反感を買います。
翌日。医女から懐妊を知らされたファリアは、ムラトの元へとやって来ます。
すぐにファリアがムラトの子を身籠ったとの報告をしたところ、ムラトはそれまでの気難しい表情を一変させてとびきりの笑顔を見せました。
その一方、キョセムは後宮女官長ラーレザールを呼び出し、後宮出納官メレキーの後任にラーレザールを抜擢しました。
メレキーと料理長ベイナムはそれぞれキョセムの怒りを買い、メレキーはフロリヤの農場、ベイナムは旧宮殿に追放された
今後はラーレザールがキョセムの部屋と後宮を仕切り、キョセムの耳目となって敵からキョセムを守る役目を担います。早速、ラーレザールはカスムの不祥事を太刀持ち兼小姓頭ムスタファに話した者を突き止めるよう命じられました。
第23話:司教の死
トプカプ宮殿。皇帝ムラトを訪ねた旅行家エヴリヤは、姉の元夫イリヤスの調査過程で、帰国したはずのイランの使節を目撃したことを報告します。
そもそもイリヤスには評判の悪さからエヴリヤの姉と離婚させられた過去があり、ゆえにエヴリヤはイリヤスの行動に目を光らせていました。ムラトはエヴリヤの報告を受け、イランの使節の動向を太刀持ち兼小姓頭ムスタファに調べさせ、使節の追跡は引き続きエヴリヤと発明家ヘザルフェンに任せることにしました。
その夜。エヴリヤとヘザルフェンはイランの使節を尾行していると、使節が入った酒場から出てくるコーネリウス司教の姿を発見します。
すぐさまエヴリヤがコーネリウス司教の後を追うも見失い、ヘザルフェンは追跡に気づかれて撒かれてしまいます。実はこれには国璽尚書 兼 宰相シナンが関与しており、追跡に気づいたシナンはヘザルフェンを気絶させ、使節を逃していたのです。
シナンはその足でコーネリウス司教を訪ね、酒場で尾行されたことを明かしてコーネリウス司教の気を引きます。そして、コーネリウス司教を救済するとして、シナンはコーネリウス司教を殺害しました。
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皇帝妃アイシェはトランシルバニア公国の王女ファリアの妊娠に怒り心頭で、ファリアの出産を阻止しようと決意します。ところが、これまでアイシェと同じくファリアを疎んでいた母后キョセムは態度を一変させ、アイシェにファリアと張り合わぬよう言い渡しました。
その場では大人しくしていたアイシェでしたが、皇子バヤジトの母ギュルバハルから聞いた話にヒントを得ます。それは、かつての皇帝がムラト同様に女人に後宮以外の住まいを与えた結果、民の反感を買って女人が襲撃されたという内容でした。
そこでアイシェはファリアを同じ目に遭わせるべく数名の民を買収し、ムラトを惑わせた王女がテルサネ宮殿にいるとの噂を流させます。一方、皇女ゲヴヘルハンは、妹アティケと太刀持ち兼ムスタファの間で板挟みになり、身動きが取れずにいました。それでも太刀持ちムスタファへの思いは止められず、彼のアティケに対する態度を咎めにきたはずが、太刀持ちムスタファの真剣な気持ちに押され始めます。
第24話:尽きない悩みの種
トプカプ宮殿。イスラムの長老アヒザーデ・フセインは、皇帝ムラトに呼び出されます。これはコーネリウス司教の調査を経て、宮殿内に潜む敵の存在を知ったムラトが真っ先にアヒザーデを疑ったからでした。
それというのもアヒザーデはイリヤスを推薦した人物であり、ムラトに”イリヤスを処刑すれば反乱に繋がる”との進言もしていました。しかもその後にイリヤスは反乱を煽っているため、ムラトがアヒザーデを疑うのも無理はありません。
しかし、ムラトから厳しい追及を受けてもアヒザーデはイリヤスとの関係を認めないどころか、代々皇帝家に仕える立場ゆえ過去には染み1つないと断言しました。イリヤスのこの発言はムラトの逆鱗に触れ、ムラトは過去にアヒザーデが反乱者の前で保証人となったことを非難します。
ムラトが実権を握り始めたばかりの頃に起きた反乱にて、アヒザーデは皇帝ムラトの保証人になると自ら宣言してその場を収めるも、ムラトにとってはこの上ない侮辱だった
そして、ムラトはこれで2回目の忠告であり、3回目はないとアヒザーデに身の振る舞いをわきまえるよう忠告しました。部屋を後にしたアヒザーデは、前イスラムの長老ゼケリヤザーデ・ヤフヤに怒りをぶつけ、これ以上の邪魔は許さないと吐き捨てます。
そんな中、ムラトの元へアナトリアの軍政官から知らせが届きます。知らせにはイリヤスが敵と結託して反乱を起こしたことが記されており、ムラトは自ら制圧に向かう決断を下しました。
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皇子カスムの幽閉の影響は大きく、特に皇子イブラヒムは全ての責任を感じて押し潰されそうでした。イブラヒムは部屋に篭りきり、ろくに食事も取らず、双子のアティケですら拒絶します。
そんなイブラヒムを心配したアティケは、母后キョセムに助けを求めました。すぐにキョセムはイブラヒムの元に駆けつけ、自分が生きている限り命の心配はないことを約束します。
翌日。アティケとキョセムの金庫番エステルは、太刀持ち兼小姓頭ムスタファを巡って互いに牽制し合います。
最初に太刀持ちムスタファとの関係をキョセムに暴露すると啖呵を切ったのはアティケでしたが、先に行動に出たのはエステルでした。エステルはキョセムに、アティケが太刀持ちムスタファと関係を持っていることを暴露します。