「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」シーズン2第25話・26話・27話あらすじネタバレと感想。
皇帝ムラトが留守にする度に問題が起きるのは相変わらずで、次はトランシルバニア公国の王女ファリアが襲撃を受けます。
一方、ムラトはダマスカス州軍政官イリヤスがいるベルガマへと辿り着き、身内にすら嘘をついて少数精鋭でイリヤス捕獲に乗り出しました。
第25話:王女への襲撃
※ 本記事は、物語が前後する箇所があります。
トプカプ宮殿。国璽尚書 兼 宰相シナンは、皇子バヤジトの母ギュルバハルを呼び出し、正式にコーネリウス司教の座を継いだことを報告します。
今後はシナンがエルサレム騎士団の帝都の長となり、バヤジトを玉座に就けるべく尽力するようです。早速シナンとギュルバハルは、かねてより面会を打診していたイスラムの長老アヒザーデ・フセインの元へと向かいます。
その一方、皇帝妃アイシェはテルサネ宮殿に潜入させている女官を通じて、トランシルバニア公国の王女ファリアが街に出ることを知りました。すぐにアイシェは配下の者に準備を命じ、自身も街へ繰り出します。
母后キョセムは後宮宦官長ハジュと後宮出納官ラーレザールの会話から、皇子カスムの様子が深刻だと知ります。直ちに鳥籠へ様子を見にいくと、そこには憔悴したカスムの姿がありました。
見るに耐えないカスムの姿に心を痛めたキョセムは、半ば強引にカスムを連れ出そうとするもカスムは皇帝であるムラトに怯え切っており、自ら鳥籠の中へと戻っていきました。
帝都。シナンとギュルバハルは秘密裏にイスラムの長老アヒザーデの元を訪れ、バヤジトを玉座に就けるために協力するよう申し出ました。あまりにも無礼な申し出に眉を顰めるアヒザーデに、ギュルバハルは皇帝ムラトの時代のままではどのみち命はないと強く念を押します。
その頃、ファリアが街に現れ、近くで様子を伺っていたアイシェは配下の者に指示を出します。すると、配下の者はファリアを指差し、この女がテルサネ宮殿の娼婦だと民を煽り出しました。
たちまち民の怒りの矛先はファリアに向けられ、一斉に民がファリアに襲い掛かります。ファリアは同行していたキョセム付き用人ケマンケシュのおかげで難を逃れたものの、この襲撃によりお腹の赤子は流れてしまいました。
トルコ西部、ベルガマの城塞。ダマスカス州軍政官イリヤスはベルガマの城塞に陣を置き、城壁を補強するなど万全の体制を整えていました。
そもそもベルガマの城塞は何世紀も耐えたほど頑丈なうえ、イリヤスにはイランの支援もあります。そのためイリヤスはすでに勝利を確信しており、ムラトの到着を知っても慌てるどころか、ここでバヤジトの即位の儀を行うことになると期待に胸を膨らませました。
対するムラトは陣中会議を開き、兵糧攻めにして包囲することを決めます。しかしこれは表上の戦略で、真の戦略は太刀持ち兼小姓頭ムスタファを始めとする少数の忠臣らと共に潜入し、イリヤスを捕らえるというものでした。
第26話:皇帝ムラトの初勝利
トルコ西部、ベルガマ。皇帝ムラトの予想は的中し、陣中会議に潜んでいたダマスカス州軍政官イリヤス側の間諜は、ムラトが攻撃を仕掛けないことをイリヤスに知らせます。
その夜。ムラトは太刀持ち兼小姓頭ムスタファと主馬頭デリ・フセイン、旅行家エヴリヤと発明家ヘザルフェンを連れてベルガマの城塞に潜入します。
経路は前もってエヴリヤが見つけ出しており、無警戒の古い水路を使って難なく中へと入れました。とはいえ、城塞の中では多くの兵が警備をしているため、ムラトたちは片っ端から兵を始末していきます。
ムラトは圧倒的に人数不利な状況を物ともせず、次々と敵をなぎ倒してひとり先を急ぎます。その後を太刀持ちムスタファが追いかけようとしたところ、ムスタファは敵に背中を取られて重傷を負ってしまいました。
すぐにエヴリヤが駆けつけ、デリ・フセインとヘザルフェンがムラトを追います。すると、デリ・フセインたちは座り込むムラトの姿を発見し、驚きを隠せませんでした。
なんとムラトの周りには10は優に超える遺体が転がっており、ムラトはたった1人で敵を殲滅していたのです。ムラトは多少の傷こそ負ったものの、命に別状はありませんでした。
そして、ついにイリヤスの元に辿り着いたムラトは、なぜ自ら戦わないのかとイリヤスを責め立てます。ところが、イリヤスは何も言わずに剣を捨て、ムラトの前に跪きました。
トプカプ宮殿。宮殿内はトランシルバニア公国の王女ファリアの襲撃事件と、幽閉の影響がもろに出る皇子カスムの件で不穏な空気に包まれていました。
ファリア襲撃事件の黒幕である皇帝妃アイシェは事件の調査が始まったことを知り、皇子バヤジトの母ギュルバハルを頼って証拠隠滅を図りました。カスムの幽閉を機に心を閉ざした皇子イブラヒムは、皇女ゲヴヘルハンとアティケに連れられカスムを訪ねます。
扉越しに再会を果たした兄弟4人は互いを励まし合い、ゲヴヘルハンとアティケはカスムに扉の外での再会を誓います。
第27話:凱旋
トプカプ宮殿。国璽尚書 兼 宰相シナンは、皇子バヤジトの母ギュルバハルを訪ね、ダマスカス州軍政官イリヤスが処刑されたことを報告します。
頼みの綱が切れたと焦りの色を浮かべるシナンに対し、ギュルバハルは頼みの綱はイリヤスではなく、皇子バヤジトだと余裕を見せました。そして、名声を得た皇帝ムラトを玉座から下ろすには、ムラトを崇める者たちの金脈を断てばいいとの新たな見解を示します。
現時点でギュルバハルに手荒な手段を取る気はないようで、シナンのムラト暗殺の提案も突っぱね、今は我慢の時だとしました。とはいえただ座して待つのではなく、ギュルバハルは資金調達を、シナンは味方を滞りなく集結させることに尽力します。
そこへバヤジトが戻り、ギュルバハルとシナンの密談に険しい顔をします。バヤジトはギュルバハルとシナンの密談をよく思っておらず、シナンが去った後にギュルバハルに苦言を呈しました。
そこでギュルバハルはシナンとの計画を明かし、自分たちはバヤジトを玉座に就けるための戦いの最中にいるのだと説明しました。しかし、戦いの相手がムラトと母后キョセムだと知ったバヤジトは、兄であるムラトを裏切ることなど断じてないと声を荒らげます。
一方、ムラトは宮殿に戻り、キョセムを始めとする家族らに出迎えられました。皆がムラトの凱旋を喜ぶ中、皇子イブラヒムだけは俯いたままろくな挨拶もせずに部屋から出ていってしまいます。
実は、イブラヒムはムラトのことを兄と皇帝で切り離すことができず、優しい兄が変わってしまったように感じていました。そのためムラトが皇子カスムにした仕打ちが許せず、イブラヒムはムラトによそよそしい態度を取ったのでした。
その夜。ムラトは重傷を負った太刀持ち兼小姓頭ムスタファを見舞い、太刀持ちムスタファを労いました。太刀持ちムスタファのことを心配するも者は多く、皇女ゲヴヘルハンとアティケ、キョセムの金庫番エステルは気が気ではありません。