「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」シーズン2第31話・32話・33話あらすじネタバレと感想。悪化する秩序

復讐劇
『新・オスマン帝国外伝 ~影の女帝キョセム~ シーズン2』©Tims Productions
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「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」シーズン2第31話・32話・33話あらすじネタバレと感想。

皇帝ムラトを取り巻く秩序は悪化を辿る一方で、宮殿内では弟の皇子バヤジトとカスムが火花を散らし、帝都では道を外れた軍団員が民から金を巻き上げるなどの暴挙が目立っていました。

さらには、バヤジトの母ギュルバハルによって帝都は大火災に見舞われます。

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第31話:揺るがぬ皇帝ムラトの厳しさ

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※ 本記事は、物語が前後する箇所があります。

トプカプ宮殿。皇子カスムとイブラヒムは、庭で剣術の稽古をしていました。

すると、そこへ皇子バヤジトが現れ、カスムに腹を割って話し合おうと持ち掛けました。カスムはバヤジトに食ってかかるイブラヒムを制し、話し合いを快諾します。しかし、まずは手合わせが先だとして、バヤジトに剣を手渡しました。

バヤジトは久しぶりのカスムとの手合わせに喜びますが、カスムは最初からものすごい剣幕でバヤジトに立ち向かいます。やがてカスムの一太刀はバヤジトの腹をかすり、バヤジトの上着を切り裂きました。

一切の手加減をしないカスムにバヤジトもスイッチが入り、2人の手合わせは稽古らしからぬ激しさを増します。2人は互角の戦いを繰り広げるも経験値の差でバヤジトが勝り、ついにバヤジトはカスムを倒して止めを刺そうとしました。

その瞬間、皇帝ムラトのバヤジトを呼ぶ声が響き渡ります。ムラトは兄弟ではなく、敵同士かのような稽古に憤慨ふんがいし、バヤジトを部屋に連れて行きます。

一方、皇帝妃アイシェはバヤジトの母ギュルバハルに借りを返すべく母后ぼこうキョセムの部屋に入り、印章の型を取っていました。そこで後宮出納官ラーレザールと出会したものの何とか上手くごまかし、アイシェはその場を後にします。

その夜。ムラトは太刀持ち兼小姓頭こしょうがしらムスタファとキョセム付き用人ケマンケシュ、主馬頭しゅめのかみデリ・フセインとバヤジトを連れ、元料理長ベイナムの酒場にやって来ました。

これは商人から金を巻き上げている歩兵常備軍イェニチェリの軍団員が、今夜ベイナムの店に取り立てに来るからです。ムラトたちは変装して民に紛れ、軍団員を待ちます。

しばらくして数名の軍団員が現れ、ベイナムの共同経営者カリカに金を出すよう迫りました。すかさずムラトは軍団員に声を掛け、金をやるから近寄るよう言い渡します。

そして、軍団員から正体を尋ねられたムラトは自ら死に神だと名乗り、これを皮切りにムスタファたちは一斉攻撃を仕掛けます。

その頃、発明家ヘザルフェンは空を飛ぶ夢を叶えるべく、ガラタ塔につける飛び板作りに精を出していました。ヘザルフェンは本当にガラタ塔から飛ぶ気のようで、飛び板を作れば助走をつけて飛べるはずだと考えていました。

感想

ようやくバヤジトとカスムは話し合いでわだかまりを解消できるかと期待したのですが、やはりそう上手くはいきませんでした。カスムが幽閉の原因を作ったバヤジトに腹を立てるのもわかるものの、1度くらいきちんとバヤジトの話を聞くべきでしょう。実際、バヤジトは良かれと思って母ギュルバハルを頼っただけですし、むしろそれを利用された被害者でもあります。

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第32話:ロドスの風

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トプカプ宮殿。皇帝ムラトは、相変わらず悪夢に悩まされていました。

ムラトはイリヤス討伐の遠征時から悪夢に悩まされており、前イスラムの長老ゼケリヤザーデ・ヤフヤに相談していた。ヤフヤによれば、その悪夢は玉座を付け狙う者の存在を示唆しているとのこと。

その悪夢は顔を覆った何者かが馬に乗ってムラトの前に現れるといった内容で、乗っている馬や服装は黒づくめでムラトに似ています。ただし、目深にフードをかぶっているため、正体まではわかりません。

その日は母后キョセムの声で目覚め、正体に迫ることはできませんでした。この悪夢にはムラトもすっかり参っているようで、ムラトの顔には疲れが見えます。

翌朝。キョセムは事務仕事をこなしていたところ、印章に蜜蝋みつろうがついているのに気づきます。直ちにキョセムは、後宮宦官かんがん長ハジュに調査を命じます。

帝都。帝都にロドスという強風が吹き、発明家ヘザルフェンは今こそ空を飛ぶのに最適だと考えました。

早速、ヘザルフェンは今日の午後にガラタ塔から飛び立つことを民に宣言し、いそいそと準備に取り掛かります。そんなヘザルフェンとは対照的に、旅行家エヴリヤはヘザルフェンのことが心配でなりません。

いざ飛び立つ瞬間を目前にしてもエヴリヤは諦めきれず、兄弟を超えるほどの友にはそう出会えないとヘザルフェンに訴えかけます。それでもヘザルフェンの決意は固く、エヴリヤをなだめて自作の翼で空へと飛び立ちました。

最初はそのまま下降するもすぐに風を受けて浮かび上がり、ヘザルフェンはガラタ塔から海を越え、ユスキュダルまで飛んでみせたのです。この様子は、ムラトを始めとする宮殿の者から民までもが見守っていました。

こうして見事に有言実行を果たしたヘザルフェンはエヴリヤと共に、ムラトに呼び出されます。ヘザルフェンはムラトから金一封を贈られ、今後は空を飛ばずにアナトリアに行くよう命じられます。

というのもイリヤスの反乱を鎮圧してもなお不穏な状況には変わらず、特にイラン人の動きが怪しくなっていました。そこでムラトは、信頼の置けるヘザルフェンとエヴリヤに、現地での情報収集の役目を任せることにしたのでした。

トプカプ宮殿。キョセムの金庫番エステルは、皇女ゲヴヘルハンと太刀持ち兼小姓頭ムスタファ宛ての手紙を宦官に託します。

手紙には、それぞれ”今夜、大理石離宮で待つ”との内容が記されていました。その足でエステルは皇女アティケの部屋を訪れます。

そして、太刀持ちムスタファを想うアティケに対し、彼の想い人が知りたければ大理石離宮に行くよう促しました。

感想

まさか本当にヘザルフェンが空を飛んでしまうなんて思いませんでした。ヘザルフェンを心配するエヴリヤの発言には、普段なら絶対口にしないような本音も含まれていて、ホッコリしました。それにしても真実を知った皇女アティケの容体が心配です。

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第33話:母の逆襲

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トプカプ宮殿。母后キョセムは帝都が炎に包まれたとの報告を受け、家族を部屋に集めます。

この火災は皇子バヤジトの母ギュルバハルが仕組んだもので、港に停泊した船にキョセムの忠実な配下らを集め、そこへ火をつけたことにより帝都は一気に炎に包まれました。

このためにギュルバハルは皇帝妃アイシェにキョセムの印章の型を取らせており、その型で作った印章を使い、キョセムの手紙を偽装していました。

キョセムの印章が押された手紙に疑いを持つ者などいるはずもなく、すっかり信じ込んだキョセムの配下は船に乗り込み、そこへ国璽こくじ尚書 兼 宰相さいしょうシナンが配下に火矢を放たせます。

みるみるうちに船は炎上してキョセムの配下らは燃え死んだうえ、ロドスの風の影響もあって火は街へと燃え広がりました。

この火災の全貌は、宰相ハリルを通じてキョセムも把握していました。キョセムのしもべオメル師が、”命令の時間に遅れて港に着くと船が燃えていた”とハリルに知らせに来たことで事件が発覚します。

キョセムはこんなことをするのは敵対するギュルバハルしかいないと考え、後宮宦官長ハジュに火災が収まったら裏切り者を探し出すよう命じました。

また、宮殿にまで飛び火しないよう近くの家は住民を避難させて取り壊し、家を失った者は救貧院に避難させることにしました。

帝都。皇帝ムラトは、太刀持ち兼小姓頭ムスタファとキョセム付き用人ケマンケシュ、主馬頭デリ・フセインを連れ、自ら民の救助に乗り出します。

すると、ムラトの目の前に悪夢で見た黒づくめの男が現れ、ムラトは驚きを隠せませんでした。口を開けて茫然とするムラトの前に颯爽と現れたのは、弟のバヤジトでした。

バヤジトは周囲の反対も押し切り、独断でムラトの手伝いにやって来たようです。本来ならば皇帝はもちろんのこと、皇位継承権を継ぐ皇子が宮殿を離れるのはご法度ゆえ、ムラトはバヤジトの行動をとがめます。

ところが、バヤジトは居ても立っても居られずにムラトを追ってきたと言うため、止むを得ずムラトは自分らを手伝うよう命じました。

その後、後を追ってきたシナンからすぐに宮殿に戻るよう諌められたバヤジトは、皇帝たる兄ムラトへの忠実は揺るがないとの姿勢を貫きます

翌朝。帝都に燃え広がった炎は、一晩で民の家も家族も燃やし尽くして鎮火しました。

キョセムは自分の不在時に部屋に入り、印章の型を取った者について調査を始めます。手始めにキョセム付きの宦官と女官を尋問していたところ、後宮出納官ラーレザールはキョセムが救貧院を慰問した日のことを思い出しました。

すぐにラーレザールはアイシェが部屋に出入りしていたことを打ち明け、キョセムはアイシェの元へと急ぎます。

キョセムは、アイシェに印章の型が取られて火災に繋がったと明かしたうえで、何か知っているなら全て話すように迫りました。

感想

常々ギュルバハルの性悪さは感じていましたが、まさかここまでのものだとは思いませんでした。いくらキョセムが憎く、息子バヤジトを玉座に就けたいからと言って、無実な民までも巻き込むとは残酷すぎます。しかも当のバヤジトに兄ムラトから玉座を奪う気はないわけですし、いい加減現実を見てほしいものです。

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本ページの情報は2024年3月のものです。最新の情報は公式ページまたは動画配信サービスにてご確認ください。