「馭鮫記(ぎょこうき)後編」最終話(20話)あらすじネタバレと感想。
順徳仙姫の汝菱と戦う紀雲禾の元に、鮫族王子の長意が現れます。長意は天君によって助けられ、鮫尾まで取り戻していました。
こうして強力な助っ人を得た紀雲禾らは力を合わせて汝菱を追い込みますが、紀雲禾はまたも悲しい運命を背負うことになり……。
最終話(20話):戻ってきた長意
北淵。鮫族王子の長意は鮫尾を取り戻し、順徳仙姫の汝菱と戦う紀雲禾の元へ現れます。
実は、長意は天君の汝釣が持っていた菩提果に命を救われていました。菩提果は100年に1度できる実で、長意の体の凍結を解くことができたのです。
皮肉にも、その菩提果は汝菱が汝釣を100年育てた菩提樹に実ったものでした。そのおかげで長意は助かり、完全に鮫尾を復活させて力を取り戻します。
汝菱との戦いの前に長意に会いにきた汝菱が菩提果を与えた
このことは紀雲禾と汝釣だけが知っており、紀雲禾は長意が助太刀にくる可能性に賭けていました。紀雲禾は汝菱が優位に立って勝利を確信した時こそ長意の勝機だと考え、あえて長意は死んだように見せかけました。
とはいえこれにはかなりの危険があり、長意に菩提果を用いてもいつ目覚めるかは汝釣にさえもわかりません。そのため汝釣は長意が間に合わない可能性もあると指摘するも、紀雲禾は長意なら必ず来るはずだと断言しました。
こうして目の前に現れた長意に汝菱は驚きを隠せませんが、手駒ならまだあるとして黄金の鈴を取り出します。汝菱が鈴を鳴らすと、たちまち心を操られた仙師府と万花谷の者らは攻撃的になりました。
攻撃性を増した仙師府と万花谷の者らは、容赦なく北淵の者らに襲い掛かります。仙師の寧清の愛弟子だった姫成羽は剣を手に、かつての兄弟子の空明に向かって飛びかかりました。
次の瞬間、蝶になって駆けつけた洛綿桑が間に入り、洛綿桑は身を挺して空明を守りました。これにはさすがの空明も耐えきれず、姬成羽の名を叫びます。
姬成羽はその声で目を覚ましたようで、空明たちを目掛けて飛んできた剣を自ら背中で受け止めました。姬成羽は空明に貰ったぬいぐるみを取り出し、そのまま消滅しました。
間もなくして、紀雲禾と長意が力を合わせて鈴を破壊します。しかし、次に汝菱は魔気で作った鈴を鳴らしました。
黄金の鈴が操るのは傀儡だったのに対し、魔気で作った鈴は万花谷の谷主の林旲青を操るうえ、破壊もできないものでした。長意は汝菱の相手を買って出て、紀雲禾を林旲青の元へと向かわせます。
最終話(20話):汝菱と共に封印される紀雲禾
殞魔陣を開こうとする汝釣の周辺。汝釣は汝菱を捕らえるための殞魔陣を開こうとしており、身動きが取れず無防備な状態でした。
その背後には汝菱に操られて正気を失った林旲青の姿があり、汝釣を目掛けて攻撃を仕掛けます。そこへ紀雲禾が現れ、林旲青の攻撃を跳ね返しました。
紀雲禾は何とか林旲青を正気に戻そうと語りかけますが、林旲青には届きませんでした。ついに紀雲禾は意を決して林旲青に剣を向け、林旲青も紀雲禾に剣を向けます。
紀雲禾の剣は林旲青の胸を突き刺すも、林旲青の剣はわずかに紀雲禾を逸れました。すると、林旲青は自ら胸に刺さった剣を引き寄せ、「大丈夫だよ、怖くないよ」と微笑みます。
これは、幼い頃に紀雲禾を守った林旲青が発した言葉で、我に返った林旲青は最後まで紀雲禾を守る兄で居続けようとしました。そして、林旲青は自ら剣を抜き、谷の下へ飛び降ります。
やがて汝釣は殞魔陣を開くことに成功し、汝菱を殞魔陣に捕らえます。ところが、汝菱は消滅せずに風となって残ったため、紀雲禾が九尾狐と化して受け止めました。
このままだと紀雲禾の中に汝菱が生き続けてしまうゆえ、紀雲禾は火山に自分ごと封印するよう長意に頼み込みます。最初こそ躊躇った長意も、紀雲禾の必ず戻るとの言葉を受け、紀雲禾を信じて待つことにしました。
長意は口移しで紀雲禾に鮫珠を渡すと、火山に紀雲禾を封印します。
最終話(20話):平穏を取り戻した世界
汝菱や朱厭といった脅威がなくなり、ようやく世界に平穏が訪れました。北淵は、九尾狐族の王女の卿瑶が尊主となり、長意は紀雲禾との約束通り人間界を旅します。
万花谷は生き延びた林旲青が引き続き谷主を務め、琉璃心灯の天火のために身を捧げた離殊が雪三月の元へと戻りました。仙師府は空明が新たな仙師となって生まれ変わり、洛綿桑は空明の子を身籠ります。
長意はかつて紀雲禾に連れてきてもらった人間界を見渡せる崖を訪れ、紀雲禾との美しい過去を思い返していました。長意が紀雲禾と過ごした日々は愛に満ちていたと振り返っていたところ、突如として殺風景だった景色が色鮮やかになります。
すると、長意の隣には紀雲禾の姿があり、紀雲禾は長意との馴れ初めはおとぎ話のようだと微笑みました。
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