「新・オスマン帝国外伝〜影の女帝キョセム〜」シーズン2第43話・44話・45話あらすじネタバレと感想。皇子バヤジトの母ギュルバハルは自害を図り葬儀が行われますが、バヤジトは水面下でとんでもない行動に出ていました。
そんな中、皇帝ムラトは宮殿に戻った太刀持ちムスタファに皇女アティケとの結婚を、ゲヴヘルハンには歩兵常備軍長官ムスタファとの結婚を言い渡し、これが悲劇を生みました。
第43話:代償
※ 本記事は、物語が前後する箇所があります。
トプカプ宮殿。皇帝妃ファリアは皇帝妃アイシェを訪ね、皇子バヤジトの母ギュルバハルからの手紙の真偽を確かめます。
手紙には、アイシェがギュルバハルの共犯かつファリア襲撃の黒幕であることが記されていました。それでもギュルバハルの中傷だとしらを切るアイシェでしたが、ファリアが皇帝ムラトの元に行こうとすると、態度を一変させます。
アイシェは妊婦であることを理由に、ファリアに哀れみを求めて泣きつきました。ところが、アイシェに赤子を奪われたファリアが哀れむはずもなく、ファリアはムラトの部屋へと向かいます。
ファリアはムラトにギュルバハルからの手紙を差し出し、宮殿内外に厄災を招いたのはアイシェだったことを知らせます。すぐさまムラトはアイシェを呼び出し、アイシェにはこの上ない刑罰で裏切りの代償を払わせると断言しました。
ただし、今のアイシェは妊婦であることから処分は出産後に下されます。
その頃、ギュルバハルはバヤジトから渡された毒を飲み自害を図ります。異変を聞いて駆けつけた後宮出納官ラーレザールが医女を呼ぶも、すでに手遅れでした。
直ちにギュルバハルの埋葬の準備が行われ、バヤジトが息子として最後の務めを担います。いくらギュルバハルが反逆者とはいえ、実の母が自害を図ったバヤジトを皆気遣いました。
母后キョセムを始め、兄ムラトや弟たちがバヤジトを案じます。バヤジトは顔色ひとつ変えず、淡々と葬儀をこなしていきました。
バヤジトはギュルバハルの埋葬を終え、真っ先にベイナムの共同経営者カリカの家を訪れます。そこにはギュルバハルの姿があり、バヤジトが薬を与えると目を覚まします。
どうしてもギュルバハルの処刑を受け入れられなかったバヤジトは、ギュルバハルの死を偽装していたのです。バヤジトがギュルバハルに渡したのも毒ではなく脈拍を微弱にする薬で、最初からバヤジトにギュルバハルを殺す気などありませんでした。
大理石離宮。皇女ゲヴヘルハンは、ようやく太刀持ち兼小姓頭ムスタファとの再会を果たします。
念願の再会を喜ぶゲヴヘルハンとは対照的に、ムスタファは重々しい雰囲気で衝撃の告白をしました。それは、太刀持ちムスタファと皇女アティケが結婚するというもので、これこそムラトが下した”良い決断”でした。
ゲヴヘルハンは衝撃のあまり言葉を失い、その場から立ち去ります。
その夜。キョセムは子供たちを呼び、食事会を開きます。
この食事会は災難続きの日々の息抜きも兼ねており、家族でご馳走を食べながらおしゃべりをしようというものでした。ところが、ゲヴヘルハンは席につくなりキョセムに断りを入れ、アティケと太刀持ちムスタファの結婚の話を明かします。
たちまちその場の空気は凍りつき、キョセムは太刀持ちムスタファが婿になるなど有り得ないと声を荒らげました。
第44話:皇女らの結婚決まる
トプカプ宮殿。皇帝ムラトの元へ側女サナーベルが送られます。
これは母后キョセムがムラトの機嫌を取ろうと仕組んだものでしたが、偶然それを知った皇帝妃ファリアは苛立ちを隠せません。そこへ皇女アティケが現れ、太刀持ち兼小姓頭ムスタファとの結婚について相談を持ち掛けます。
しかしそれどころではないファリアはアティケを冷たくあしらい、ムラトの部屋へと乗り込みました。ムラトはあまりに無礼なファリアの振る舞いに憤慨し、何様のつもりだと声を荒らげます。
すると、ファリアは自分はムラトの正式な妻であり、ムラトのために国や玉座も諦めたのに、ムラトの行動からは誠意が見られないと訴えました。
さらに、宮殿に残る際に他に女は作らないでと言ったことを引き合いに出し、自分を後宮の女扱いしたら全てを破壊すると言って部屋の物を壊し始めます。
それでも気が収まらないファリアは、ムラトがあと1度でもサナーベルと共寝したら2人とも殺すと、激しい剣幕で食ってかかりました。
対するムラトは自分の忍耐を試すようなことをすれば後悔すると答えますが、ファリアはすでに後悔していると苦しい胸の内を明かします。
ファリアが後悔していると知ったムラトは全てを終わらせようと話し、ファリアを強引に抱き寄せます。最初は抵抗していたファリアも落ち着きを取り戻し、2人はそのまま抱き合いました。
*
キョセムは太刀持ちムスタファとアティケの結婚に意気消沈の皇女ゲヴヘルハンを見舞い、自分もこの結婚には反対だとしたうえで、ムラトと話をすることを約束しました。
早速、キョセムはムラトを訪ね、少しはゲヴヘルハンの幸せも考えるよう諭します。
無論ムラトもゲヴヘルハンのことを考えており、そこへ歩兵常備軍長官ケマンケシュを呼びつけました。そして、ムラトはキョセムに、ゲヴヘルハンとケマンケシュの結婚の準備を頼むのでした。
これにはさすがのキョセムも言葉を失い、母の言うことを聞かなくなったムラトに不安を募らせます。
キョセムは、ゲヴヘルハンの結婚相手に宰相アバザ・メフメトを推していた
そんな中、キョセムの元へ差出人不明の贈り物が届きます。小さな木箱に入っていたのは、行方不明になっていたキョセムの金庫番エステルの頭でした。
第45話:愛とは死
5ヶ月後。トプカプ宮殿では、皇帝妃アイシェが出産を間近に控えていました。
とはいえ、幽閉されたままの状況では素直に出産を喜べるはずもありません。アイシェは子供たちに会えないストレスと、出産後に下される己の処分に不安を募らせます。
そんな中、皇女ゲヴヘルハンとアティケの婚儀の日を迎えます。念願の太刀持ち兼小姓頭ムスタファとの結婚を喜ぶアティケに対し、ゲヴヘルハンは歩兵常備軍長官ケマンケシュとの結婚を強いられ、希望を失っていました。
それはケマンケシュも同様で、母后キョセムからゲヴヘルハンのことを頼まれた際には、自分も心に他の者がいることを明かします。ただ、キョセムの望み通りゲヴヘルハンの幸せのために尽力することを誓いました。
その後、キョセムは婚儀の準備を行うゲヴヘルハンを訪ね、心持ちに関する助言をします。キョセムは夫の皇帝アフメトを失った経験を用いて、最愛の人を失った悲しみは癒えないゆえ、心を殺して生きるよう求めました。
ゲヴヘルハンはキョセムほどは強くないと反論しますが、キョセムは自分の娘なのだから強くなれとゲヴヘルハンを鼓舞します。それでもゲヴヘルハンは気持ちを切り替えることはできず、悲しみに打ちひしがれます。
その夜。ゲヴヘルハンとアティケの婚儀が行われる一方で、ついにアイシェが産気づいてお産が始まります。
婚儀にゲヴヘルハンの姿はなく、アティケだけが余興を楽しんでいました。そこへ皇帝ムラトを始めとする兄弟たちも現れ、ムラトはアティケに結婚祝いの首飾りを贈ります。
アティケは心底嬉しそうな表情を浮かべ、太刀持ちムスタファと結婚させてくれたムラトに感謝を伝えました。その頃、ゲヴヘルハンは自室の衣装箱から何かを取り出し、心を決めた様子で婚儀へと向かいます。
婚儀の会場にやって来たゲヴヘルハンは、”ムラト皇帝”とムラトに呼びかけ、ずっとひた隠しにしてきた胸中を明かします。
それは、これまでムラトとキョセムに従って心を無視してきたゲヴヘルハンにとって、太刀持ちムスタファとの結婚は唯一できた夢だったというものでした。
しかしそれも許されず、ムラトの怒りは目だけではなく心まで盲目にしたのだと指摘します。また、ゲヴヘルハンはムラトに、いつ良心と正義をなくしたのかと問いかけ、かつてのムラトがいなくなったことを嘆きました。
ひと通り話し終えたゲヴヘルハンは今度は私が許さないとして、隠し持っていた短剣を取り出し自ら胸に当てます。
慌ててムラトとキョセムが止めに入ろうとするもゲヴヘルハンは絶対に動かないようムラトたちを制し、そのまま短剣を胸に突き刺しました。
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