「黒豊と白夕(こくほうとはくせき)」24話・25話・26話のあらすじとネタバレ感想。
豊蘭息たちは団長を脅して内通者を聞き出して帳簿も見つけました。翌日の朝議で鳳棲梧は雍州王に真犯人を報告し、銀葉も取り戻すことができて事件は解決しますが……。
24話:豊蘭息の想い
豊蘭息と白風夕は戸部の内通者を白状しなければ劇団員を斬ると言って団長を脅しました。団長は内通者を白状し帳簿も見つかります。
翌日の朝議で鳳棲梧は雍州王に真犯人を報告し、銀葉も取り戻すことができて事件は解決しました。
豊莒は玉無縁に、授けられた策は豊蘭息に見破られたと文句を言いに行きます。実は玉無縁は最初は豊蘭息に勝たせて油断させようとしていたのです。
しかし玉無縁は豊莒には策を見破られたお詫びに世子の地位を得る手助けをすると言ってその気にさせます。
玉無縁は豊莒に、対抗策を書いた紙を入れた3つの錦袋を渡すので豊蘭息が都を離れたら1つずつ開けるようにと言いました。また玉無縁は豊莒にこれからある”芝居”を打ってほしいと言うのでした。
その後、豊蘭息は玉無縁を訪ねた豊莒が顔色を悪くして帰って行ったので2人の密談は物別れに終わったようだとの報告を受けます。(これこそ玉無縁の言う”芝居”だったのです!)
一方、白建徳は護令者同士の面会が禁じられているにもかかわらず、3人の護令者と会っていました。そして白建徳は護令者の1人で鋳物師をしている者が姿を消したと話します。
白建徳は偽の玄極令はその鋳物師が作ったと思われ、3人に他の護令者のことも調べてほしいと言いました。
ある日、雍州に初雪が降ります。以前、鐘離から大東国の物語本の中で初雪の日に想いを伝える場面があると聞いていた豊蘭息は今日、白風夕に想いを伝えると決意します。
豊蘭息は鐘離に白風夕を呼びに行かせましたが、白風夕は鳳棲梧と青州で初雪の頃に食べるという火鍋を食べに行っていて留守とのこと……。
その頃、白風夕は青州の食について語りながら鳳棲梧に火鍋を勧めていました。鳳棲梧が「もしや青州人なの?」と尋ねると、白風夕は肯定するのでした。
初雪の日に白風夕に会えなかった豊蘭息は、翌日の夜に花火を上げてそこで想いを伝える策に変更することにします。
翌朝、鐘離が白風夕に今夜豊蘭息が夕食に招待すると伝えに行きました。白風夕はちょうど外出するところでしたが、その時刻には行くと返事して出かけて行くのでした。
25話:良城へ
その日、白風夕は鳳棲梧と男装して妓楼で遊ぶ約束をしていました。妓楼では名妓と一夜を過ごす権利を賭けた詩会が行われていて、他の客が作った詩を批評していた白風夕は詩を作ってみるように言われます。
白風夕が作った詩を名妓が気に入り、白風夕は豊蘭息との約束の時刻に帰れなくなってしまいました。
約束の時刻になっても白風夕が現れず、しかも男装して妓楼に行ったと聞いた豊蘭息は妓楼に乗り込んで強引に白風夕を連れ帰ります。
豊蘭息は何者かに狙われているのにもかかわらず妓楼に行ったことを怒って白風夕を怒鳴りつけますが、白風夕は逆ギレして1人で帰ろうとしました。
帰らせまいと豊蘭息が白風夕の手を掴んだのを遠くから見た鐘離は、豊蘭息が想いを伝えるために白風夕の手を握ったと勘違いして花火を打ち上げる合図を出します。
花火が上がり豊蘭息は白風夕の肩にぎごちなく手を回しますが、白風夕は花火をどこかの若様があげたものだと勘違いし「低俗だわ」と言ってしまうのでした。豊蘭息は怒って帰ってしまいます。
翌日、豊蘭息は鐘離に物語本を持ってこさせ、白風夕に想いを伝える新たな策を考えようとしていました。その時、茶を運んできた環娘がその話を聞いてしまいます。
その頃、白風夕は鳳棲梧と碁を打っていました。白風夕は昨日の花火は自分のためだったのではないかと今更気づいて対局が上の空になってしまいます。
そんな白風夕に鳳棲梧は、豊蘭息は初雪の日もあなたを捜していたそうだと教えるのでした。
一方、環娘は任都督に身分が釣り合わない白風夕を豊蘭息に近づかせるべきでないと進言。しかもすでに勝手に任都督の名で白建徳と会う約束を取り付けていました。
最初は環娘を叱責した任都督でしたが、やはり身分の差は見過ごせないと思い直して白建徳に会いに行きます。任都督から話を聞いた白建徳は身分が釣り合わないことなら心配無用だと意味深なことを言うのでした。
白琅華と韓樸から任都督の話を聞いた白風夕は霧山で太陰老人から得た貴重な酒を持って任都督を訪ね、3つの質問をします。
- この世に私の他に豊蘭息と霧山のような無双の地へ乗り込める者がいるか?
- 私の話に道理があると思うか?
- 雍州は6州の中で永遠に揺るがぬ地位を保てるか?
白風夕が帰った後、任都督は白風夕が聡明で見識が深く問いも鋭いと感じ、自分は余計なことをしたのではないかと自問しました。
その後、任都督は豊蘭息の書斎に行き、白建徳に白風夕を豊蘭息と関わらせないよう頼んだことを報告し謝罪。豊蘭息は激怒しますが、そんな軽率な行動は任都督本人の意志ではないのではと考えました。
豊蘭息は書斎で墨を磨っていた環娘が動揺しているのを見て彼女の仕業だと気づきます。豊蘭息は任都督を下がらせた後、環娘に明日の朝に屋敷を出て行くように命じました。
上元節の夜、豊蘭息は白風夕を誘って川辺に灯籠流しを見に行きます。豊蘭息は白風夕に任都督の言動を謝罪。その後、ロウソクで”一心の人を得て”という文字を形作った灯籠が川を流れてきます。
そして豊蘭息が白風夕に想いを伝えようとした時……任穿雨が来て豊蘭息に何かを耳打ちしました。豊蘭息は慌てて宮廷に帰って行きます。
実は国境に青州の世子である風写月の軍が迫っていて、国境近くの良城を治める于鳴が救援を求めてきていたのです。
宮廷に駆けつけた豊蘭息は雍州王に自分が良城へ行き堤防を築いて敵襲を防ぎ、以前から懸念されている水害も解決すると申し出ました。雍州王は豊蘭息に明朝500名の兵を率いて良城へ向かうことを許可します。
同じ頃、白風夕も”良城に危機”と書かれた文を受け取っていました。白建徳はその文を見て全てを察し白風夕を送り出すのでした。
26話:良城の悪政
雍州王が豊蘭息に与えた兵は弱そうな者ばかりでした。豊蘭息はその理由を次のように考えます。
- 弱い兵なら良城を守れず青州を攻める大義を得られる。つまり雍州王は戦を起こしたがっている。
- 雍州王は豊蘭息が軍力を蓄えることを恐れている。
そこへ白風夕が来て用があって自分も良城に行くと言いました。
その頃、豊蘭息が都を離れたと聞いた豊莒は玉無縁の1つ目の錦袋を開けます。そこには”雍州の第二王子は隠泉水榭の榭主”と書かれていたのです。
豊莒はその事実をまだ百里氏に伝えないつもりでしたが、百里氏の密偵がすでに伝えていました。百里氏は豊蘭息の秘密を暴いてやると言うのでした。
良城へ向かう途中、大雨になり兵たちはすっかり士気が下がってしまいます。豊蘭息は馬車から降りて兵たちを励まし、ぬかるんだ道を先頭に立って歩きました。
また道中、雨のせいで崖崩れが起こります。豊蘭息は白風夕と2人で落ちてくる岩から兵たちを守りました。
幽州では華純然の婿選びが行われることになります。華純然は冀州の皇朝も参加すると聞いて警戒。皇朝の婚姻の目的が幽州を取り込むためだと思ったからです。
一方、良城に向かう一行は烏の大群に遭遇していました。兵たちは口々に不吉だと言います。白風夕は豊蘭息に”劉邦は白蛇を斬り漢を興した”という話をしました。
それを聞いた豊蘭息はゲン担ぎだと言って烏の大群に向かって自分の剣を投げます。すると剣に黒い羽根が刺さって戻ってきました。
豊蘭息はこの軍を”墨羽騎”と名付けると宣言し、兵たちの士気は上がります。
一行は無事に良城に着きますが、豊蘭息は于鳴には途中で山崩れに遭って100名しか到着できなかったことにし、残りの兵は郊外に駐屯させました。
また豊蘭息は鐘離に自分の衣を着せて身代わりをさせ、白風夕を誘って近くの縁結びの寺へお参りに行きます。豊蘭息は寺に行く途中、良城の民を水害から守るために工事を完成させたいと夢を語り、白風夕にお守りを渡しました。
寺からの帰り道、豊蘭息は于鳴が水渠の工事のために朝廷から出ている工賃を民に払わずに強制労働させていることを知ります。
その頃、于鳴は豊蘭息が病弱だと言うのを怪しみ、薬を運ぶように見せかけて部屋に探りを入れに来ていました。任穿雨は制止しようとしますが、豊蘭息は間一髪で部屋に戻り肺が悪いふりをするのでした。