「黒豊と白夕(こくほうとはくせき)」42話・43話・44話(最終話)のあらすじとネタバレ感想。雍州からの縁談の使者として鳳棲梧が青州を訪れます。雍州で待っていた豊蘭息は、婚儀前夜に花嫁と会ってはいけないという掟を破り風惜雲を夕食に誘い……。
42話:大東国へ
1年後、雍州からの縁談の使者として鳳棲梧が青州を訪れます。雍州で待っていた豊蘭息は、婚儀前夜に花嫁と会ってはいけないという掟を破って風惜雲を夕食に誘うのでした。
翌日、婚儀が執り行われ、その席で雍州王は退位して王位を豊蘭息に譲ると宣布しました。
5年後。大東国は景炎が皇位を次いで皇帝となっていました。戦火が絶えない中、景炎帝は大東国の都に賢者を招くという詔を下します。
雍州は北州を降伏させ、冀州は商州を包囲して雍州と冀州が天下を分ける形となっていました。景炎帝は大東国に豊蘭息と皇朝を来させて2人を戦わせ、漁夫の利を得るつもりのようです。
豊蘭息はこれを景炎帝に退位させる好機ととらえ、自分が皇位を得て世の戦乱を減らそうと考えていました。そして今は姿をくらましている玉無縁が何かを企んでいるのではないかと心配します。
冀州では、皇朝が大東国に入る機会を窺っていました。皇雨は消息がわからない玉無縁のことが忘れられず、毎年清明節に大東国にお参りに行く玉無縁を捜しに行きたいと言います。
皇雨は皇朝よりも一足早く大東国に向かうことになりました。
その頃、大東国では景炎帝が政よりも絵の腕を上げることに夢中になっていました。東将軍はそれを見かねて諫めますが、景炎帝は軍務については玉無縁と相談するように言うのでした。
実は姿を消した玉無縁は大東国で景炎帝を補佐していたのです!しかし東将軍は玉無縁に二心があるのではないかと疑っていました。
玉無縁はそんな東将軍に自分が育てた軍を”神軍”だと言って見せます。神軍が使う武器や布陣は、かつて断魂門が複数の門派から秘術を奪って得たものでした。神軍の威力を見せつけられた東将軍は玉無縁と手を組むことにします。
夜になり玉無縁が断魂門の門主に皇朝の始末を指示している時、玉無縁を捜しに来た皇雨がその会話を偶然聞いてしまいます。驚いて物音を立ててしまう皇雨。皇雨は慌ててその場を離れますが、断魂門の門主がそれを追い……。
豊蘭息は雍州軍を二手に分けて冀州軍を包囲し、戦が始まった後に青州軍を率いた風惜雲が合流するという作戦を立てるのでした。
43話:東将軍の罠
任兄弟が率いる雍州軍の1つ目の部隊では、大雨で道が崩れたために兵糧の到着が遅れていました。任穿雨は待機中の青州軍から兵糧を分けてもらえるよう風惜雲に文を送ります。
文を受け取った風惜雲はすぐに青州軍の一部を兵糧の運搬と道の補修に向かわせました。その直後、今は青州軍の将軍となっている韓樸が東将軍の軍が迫っていると伝えに来ます。
風惜雲は腹心に状況を豊蘭息に知らせるように指示し、ひとまず残った兵だけで東将軍の軍と戦うことにしました。風惜雲はまず東将軍の先鋒部隊を全滅させます。
青州軍の協力のおかげで任兄弟の部隊は無事に豊蘭息率いる雍州軍のもう1つの部隊と合流し、冀州軍と対峙します。その後、雍州軍と冀州軍の対戦は決着がつかず、勝負は翌日に持ち越されることになりました。
一方、青州軍は東将軍の軍の奇襲に遭って山に逃げ込み、兵糧も尽きかけていました。その知らせを受けた豊蘭息は皇朝に停戦を申し入れ、青州軍の救援に向かうことにします。
その頃、大東国では玉無縁が景炎帝の前で本性を現し、自分が皇位に就くつもりだと明かしていました。
青州軍はとうとう兵糧が尽きます。また風惜雲は敵陣を見て天幕の灯りが半分になっていることに気づきました。風惜雲は東将軍の本当の目的は青州軍を助けに来る豊蘭息を襲うことだったと察します。
そんな時、韓樸が韓家の秘伝の処方で斬った相手をしばらく動けなくする薬を作っていました。風惜雲はその薬を剣に塗り、決死の覚悟で包囲を突破し豊蘭息のもとに向かうことに。
死闘の中、韓樸は風惜雲をかばって多数の敵の矢を受けてしまいます。その時、道中の伏兵を振り切った雍州軍が到着したため、東将軍は一旦兵を撤退させます。しかし韓樸は豊蘭息と風惜雲に看取られて息を引き取るのでした。
44話(最終話):玉無縁との対決
東将軍の軍が再び襲ってきました。風惜雲は東将軍と一騎打ちの末、韓樸の仇をとります。
その時、玉無縁が大砲を打ち込んできました。風惜雲は砲口に剣を投げ込んで暴発させ、大砲を破壊します。しかし風惜雲も爆風を受けて瀕死の状態に。
豊蘭息は玉無縁の企みを皇朝に伝えるよう任都督に指示し、風惜雲を連れて軍を離脱します。
皇朝が大東国に到着すると、玉無縁の指示を受けた断魂門の門主が民を人質に城門を封鎖していました。皇朝は一旦撤退することにします。
一方、豊蘭息は風惜雲を換命術を操る天機老人のところへ連れて行きました。豊蘭息は自分が余命10年の体となることと引き換えに風惜雲の命を助けてもらいます。
風惜雲が目覚めると豊蘭息は白髪になっていました。豊蘭息は風惜雲にあと10年共に過ごそうと言うのでした。
豊蘭息は風惜雲に玉無縁は民を人質にして皇朝を退け、大東国にとどまっていると話します。それを聞いた天機老人は大東国の歴史を語りました。
初代皇帝である威烈帝と6人の王が大東国を建てたとされているが、実は陰にもう1人の存在があった。それが玉家の祖先、玉言天だ。玉言天は威烈帝と6人の王の師で、彼がいなければ大東国は建国できなかった。
ところが玉言天の能力を恐れた威烈帝は玉家を皆殺しにした。しかし玉言天の末子だけは生き延びていた……。
その後、皇朝と合流した豊蘭息と風惜雲は大東国の封鎖を突破し、宮廷内にいた玉無縁と対峙しました。
問い詰められた玉無縁は、皇雨、白建徳風写月を殺したこと、自軍を育てるために複数の門派から秘術を奪ったことを認めます。
豊蘭息、風惜雲、皇朝の3人でかかっても玉無縁には敵いません。豊蘭息と風惜雲が天機老人に教えられたとおり力を合わせて蘭因璧月の技を使い、やっと玉無縁を倒すことができたのです!
皇帝の部屋では景炎帝が玉座には座らずに3人を待っていました。景炎帝は豊蘭息に詔を渡して去って行きます。皇朝は最初は残念そうな顔をしますが、その後で豊蘭息に向かって喜んで帰服すると言いました。
ところが豊蘭息は皇朝に詔を渡し、自分は残された時を白風夕と過ごすと言うのでした。
その後、皇朝が皇帝となり、華純然が皇后となります。
黒豊息と白風夕は山中の小屋で2人きりでひっそりと暮らすのでした。
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