ネタバレ解説
「アップルサイダービネガー」のタイトルの意味
「アップルサイダービネガー」は、ニック・トスカーノとボー・ドネリー著書のノンフィクション作品「The Woman Who Fooled the World」に着想を得たヒューマンドラマです。全6話で構成され、4人の女性の物語を通じてSNSの誕生、ウェルネス（健康）と若い女性の起業ブーム、ファクトチェックという現代ならではの問題を掘り下げます。
ニコール・キッドマン主演作「ナイン・パーフェクト・ストレンジャー」の脚本を手掛けたサマンサ・ストラウス、オーストラリア出身の女優兼脚本家のアーニャ・バイヤーズドルフ、オーストラリアの政治ドラマ「トータル・コントロール」のアンジェラ・ベジーンが脚本を執筆しました。
「アップルサイダービネガー」というタイトルについてストラウスは、「ボトルに入った希望のようなアイデアを表現できるものを求めていました。そして、主人公のベル・ギブソンにだけ関連するものではなく、より大きな概念をカバーできるものが欲しかったのです。」と説明しています。
また、アップルサイダービネガーには確かに多くの効果的な使い道があり、健康にもいいものの、それがガンを治すような医療の奇跡を起こせるわけではないとも付け加えました。
SNS上に転がる真実と嘘、グレーゾーンに存在する問題に切り込む
Instagramが誕生したばかりの時代を舞台にする「アップルサイダービネガー」は、健康とウェルネスを通じて命にかかわる病気を治そうとする2人の若い女性の姿を描きます。その過程で彼女らは世界中のオンライン・コミュニティに影響を与え、1人は末期の脳腫瘍を克服し、全ては感動の物語になるはずでした。
彼女が”1度も脳腫瘍を患ったことがない”という事実を無視するのであれば……。今や誰もが知っているように、最も深刻な問題であったとしても、SNS上では何が本当で何が嘘かを見分けるのは難しくなりました。
これに関しては脚本を手掛けたサマンサ・ストラウスも、「メディアがいかに食べ物を私たちに対する”武器”として使い、私たちがどれほど栄養を渇望しているかを探るのはとても興味深いことです。健康であることがどんなに特権であり、どれほど高価であるかという点も考えさせられます。」とNetflixに語っています。
ストラウスらが本シリーズを通じて伝えたかったのは、どの問題も完全に白黒はっきりしているわけではなく、それらが”グレーゾーン”の中に存在しているということ。この物語は、最も重い問題である生と死に向き合う若い女性たちの姿を描いているものの、同時に最も辛い瞬間の中にもユーモアを見出すことの大切さを示しているのだと付け加えました。
「アップルサイダービネガー」は、2025年2月6日より[Netflix] にて独占配信されます。
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