ネタバレ解説
「バンク・アンダー・シージ」の原作情報
「バンク・アンダー・シージ」は、Netflix映画「ライジング・スカイハイ」などで有名なアクション映画監督のダニエル・カルパルソロが監督を務め、Brutal Mediaがプロデュースしたクライムドラマです。
スペイン出身のジャーナリストMar Padillaが手掛けた書籍に基づいており、大量のサスペンスと政治的緊張が詰まっています。
全5話からなる「バンク・アンダー・シージ」では、スペインを震撼させた37時間の緊張を再現しました。強盗犯たちの陰謀は強盗だけでなく、クーデターの背後にある真の動機を明らかにするためのジャーナリストと当局の競争にも焦点を当てています。
バルセロナ中央銀行事件とは
物語の中心となるバルセロナ中央銀行事件というのは、実際に起きた事件です。1981年5月23日午前9時頃、スペインのバルセロナにある中央銀行本店に11人の強盗団が現れます。
最初はただの強盗に見えた彼らですが、ホセ・フアン・マルティネス・ゴメス(通称:エル・ルビオ)を筆頭に、彼らはテヘロ大佐と兵士、23Fの他の指導者たちの釈放に加え、逃走に必要な飛行機をスペイン政府に要求しました。
エル・ルビオは72時間という期限を設け、1時間ごとに10人、1時間ごとに5人の人質を処刑すると脅迫します。しかし、政府は根強くエル・ルビオと交渉を続け、19時55分に狙撃兵が屋根の上で人質を拘束していた強盗団の1人を撃ちました。
これを機に屋根からのルートが確保され、警察の特殊部隊が銀行に侵入し、強盗団の9人を逮捕して事態は収束しました。
強盗団は11人のうち9人が逮捕され、1人は死亡、もう1人は逃走しています。逮捕された者たちは、30年から40年の禁固刑を言い渡されました。政府の公式見解は、彼らは単なる犯罪者だったというものでした。
とはいえ、主犯格のエル・ルビオは異なる供述をしており、2009年に行われたインタビューによると、2人の人物から連絡を受けたことを明らかにしています。
それは、秘密工作の責任者と治安担当副局長の2人であり、司令官アルフォンソ・アルマーダ・イ・コミンが国民集中政府を主宰すべきで、王政も同意しているといった内容でした。この文書は革製のケースに入れて取り出したと、エル・ルビオは供述しています。