【ブリジャートン家】ネタバレ解説。アジュリア・クインのベストセラー小説を原作に19世紀初頭、ロンドン上流社会のブリジャートン家の兄弟姉妹8人が、それぞれの愛を探すさまを描いた物語。謎の女性レディ・ホイッスルダウンが執筆する新聞が注目を浴びる中、ブリジャートン家の長女ダフネは、真実の愛を求めて社交界に踏み出す。
製作:2020年 アメリカ
原題:Bridgerton
原作:ジュリア・クイン「ブリジャートン シリーズ」
監督:ションダ・ライムズ
放送局:[Netflix]
キャスト:アッジョア・アンドウ、ジョナサン・ベイリー、フィービー・ディネヴァー、ルビー・バーカー、レジ・ジーン・ページ、サブリナ・バートレット、ハリエット・ケインズ、ベシー・カーター、ニコラ・コクランほか。
【ブリジャートン家】1〜4話あらすじ
19世紀のロンドンの上流社会では、日々美しいドレスを纏った良家の令嬢たちが舞踏会に明け暮れていました。
社交界を行き交う彼女、そして彼女たちの母親の目的は「結婚相手を探すこと」。
年頃の娘を抱える母親たちは、自分の娘に注目してもらうため皆必死でした。
主人公は故ブリジャートン子爵の長女である、ダフネ・ブリジャートン(フィービー・ディネヴァー)。
彼女は愛に満ちた結婚生活に憧れを抱きながらも、後に続く姉妹たちのためにもいち早く結婚をしなければいけないという焦りを感じていました。
天性の美しさと努力によって完璧なレディとなったダフネは、適齢期の美女たちが集まる社交界の中でも今季の華でした。
もちろん、そんなダフネを社交界の男たちは放っておきません。
しかし、彼らの前にブリジャートン家の長兄アンソニー(ジョナサン・ベイリー)が立ちはだかります。
求婚相手相手の男を次々と跳ね除けていくアンソニーに、ついにダフネの周りには誰も寄り付かなくなってしまいました。
そんなダフネが出会うのはアンソニーの旧友であり、ヘイスティング公爵でもある、サイモン(レジ・ジーン・ペイジ)。
公爵夫人に憧れる女性たちの熱烈な視線もものともせず、サイモンは個人的な復讐を理由に結婚はしないと心に誓っていました。
初対面の印象は最悪のダフネとサイモンでしたが、2人が交わしたある密約により関係性は一変します。
偽りばかりの社交界を生きるために、サイモンとダフネが交わした密約は「恋人のフリをしてお互いの利益だけを得る」というものでした。
ダフネは公爵に見染められた女性という虚像を、サイモンも結婚をしないことを誰にも揶揄されない束の間の自由を手に入れます。
ロンドンの社交界が注目する2人の運命はいかに!?
登場人物/キャスト
ダフネ・ブリジャートン役/フィービー・ディネヴァー
Before London’s marriage-minded misses shall face the demands of the market… pic.twitter.com/yUrTX0N2Vg
— Bridgerton (@bridgerton) November 19, 2020
ダフネは賢さと美しさを兼ね合わせた女性としてプリンセスのような存在。
天性の美貌と努力によって完璧なレディとなり、舞踏会では男性たちの目をくぎ付けにしました。
ダフネ・ブリジャートン役を演じたのは、イギリス出身の女優フィービー・ディネヴァー。
14歳の時にゲスト出演した学園ドラマをきっかけに、度々スクリーンに登場。
その後、【ハリー・ポッター】シリーズのロン役で知られるルパート・グリントが監督を務めたクライムコメディ【スナッチ・ザ・シリーズ】(2017)にメインキャストとして出演しました。
サイモン・ヘイスティング役/レジ・ジーン・ペイジ
ヘイスティングは、晩餐会では女性の目を惹きましたがパートナー選びに興味はありません。
そこでダフネと密約を交わし、偽りばかりの社交界を生きる術を得ました。
サイモン・ヘイスティング公爵役を演じたのはイギリス出身の俳優レジ・ジーン・ペイジ。
幼少期をジンバブエで過ごした後、ロンドンに戻りました。
映画【移動都市/モータル・エンジン】(2019)ではキャプテン・コーラ役、【サバイバー】(2015)ではロバート・パーベル役で出演するなどキャリアを積んでいます。
また、公式SNSによると続編には出演しないことが明らかになっています。
アンソニー・ブリジャートン役/ジョナサン・ベイリー
ブリジャートンの長男アンソニー・ブリジャートン。
妹を愛し心配するあまり晩餐会ではダフネの回りに誰も近寄らせようとしません。
アンソニー役を演じたのはイギリス出身の俳優ジョナサン・ベイリー。
ミュージカルの舞台にも立ってきた実力の持ち主で、ドラマ【レオナルド】(2011–2012)【ドクター・フー】(2014)にも出演するなど活躍の場を広げています。
知的で正義感の強いアンソニー役は、ジョナサンの高いパフォーマンス力が十分に生かされています。
【ブリジャートン家】見どころ
真実の愛を求めて
ダフネは母親と父親の恋愛を見ていたため、常に真実の愛を求めていました。
そしてそれは、4話を迎えた中でも 揺らぐことのないダフネの信念として語られています。
しかし、初めはお互いの利益のためだけに結んだサイモンとの密約の中で、ダフネのサイモンへの気持ちが変化してきていることもまた事実でした。
名誉やお金、そして優しさと紳士の心を持ち合わせた王子からのアプローチを素直に喜べない自分は、ダフネの心をざわつかせます。
社交界の淑女たちがこぞって憧れる王子からの恋心に、なぜか素直に答えることができないダフネ。
舞踏会に行っても目で追ってしまうのはサイモンの姿でした。
そしてまたサイモンも、王子とダフネの姿に心を もやつかせるのです。
社交界で再会を果たしたサイモンとダフネは、社交界で結婚前の2人には絶対的なタブーである夜の庭でのキスをしている姿を、アンソニーに見られてしまいます。
激昂したアンソニーはサイモンに決闘を申し込み、妹の名誉のために戦うことを誓います。
決闘ではダフネが間に入り、自分の名誉のためサイモンに結婚を迫りますが、サイモンは首を縦に振りません。
その理由は、サイモンが子どもを作ることができないからでした。
ダフネの未来を思ったが故の選択に、思わず胸が熱くなります。
自分の家庭を築き、子どもたちと暮らすことを夢見るダフネにとって、自分と一緒にいることが最善とは思えないという彼の告白に、ダフネはサイモンと生涯を共にすることを決意するのです。
レディ・ホイッスルダウンの存在
【ブリジャートン家】の魅力のひとつは、謎の語り手レディ・ホイッスルダウンの存在です。
年齢、容姿、国籍が全て伏せられた語り手がひとつだけ明かしていること。
それは、彼女が社交界の評判を左右する「新聞」の筆者であるということ。
新聞の評価は凄まじく初めは軽んじられていた新聞の存在に、いつしか女王陛下ですら興味を示すようになります。
それは新聞が的確かつ、内部の限定された者しか握り得ないような情報を有していることの証明でもありました。
そして何より、誰もが目を止めて思わず読んでしまうような圧倒的な文才。
そんなレディ・ホイッスルダウンの正体を突き止めようと躍起になっているのが、ダフネの妹のエロイーズ(クローディア・ジェシー)でした。
舞踏会にも社交界にも、ひいては女性が学を持たずに結婚する社会に疑問を抱いている彼女にとって、レディ・ホイッスルダウンの存在は興味と憧れの対象だったのです。
【ブリジャートン家】では、全話を通して各キャラクターの恋模様と同様にレディ・ホイッスルダウンの正体を追っていきます。
1〜4話ではまだその正体は明らかになっていません。
レディ・ホイッスルダウン探しはエロイーズだけでなく、観ている方もワクワクさせられます。
社会通念の外で生きるということ
厳格なルールに従って育てられた良家の乙女たちの華やかな恋が庭で咲き乱れる一方、街中には「美しいだけの愛」とは言えないような恋物語も存在していました。
たとえば、妹の結婚に口を挟み、厄介払い且つ結婚の妨げとなっていたダフネの兄アンソニーは、オペラ歌手のシエナ(サブリナ・バートレット)との身分違いの恋に身を焦がしていました。
また、フェザリントン家に身を寄せるマリーナ(ルビー・バーカー)が社交界で相手を探す理由は、愛していた人との間に身籠ってしまった子どもの父親を探すため。
つまり、異なる父親からできた子どもを、リミットまでに彼女と新しい父親の子どもであることにすり替えてしまうことがマリーナとフェザリントン家の目的でした。
フェザリントン夫人含め、愛のない結婚生活の代わりに地位と名誉と家族を得ることも、この時代ではある種の社会通念であり、愛に正直であることが必ずしも正しいとは言えないところがなんとも切ないです。
レディ・ホイッスルダウンを追うエロイーズのように、女性が学を求める時代でもなかったことからも、生きる道の選択肢としての結婚が主流だった背景かもしれません。
【ブリジャートン家】まとめ
華やかな社交界の裏側を描いたドラマ【ブリジャートン家】。
サイモンとダフネの「愛とは何か」というテーマに一歩近づいた4話までの流れに、ときめきを感じた方も多いでしょう。
後半はいよいよレディ・ホイッスルダウンの正体が明らかに!?
【ブリジャートン家】はシーズン2の製作が正式に決定しました。
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