「陳情令」6話・7話・8話あらすじネタバレと感想。雲深不知処に戻った魏無羨は買って帰ってきた銘酒で江澄、聶懐柔とこっそり水の怪退治の祝杯をあげていました。その声を聞きつけた藍忘機が部屋に様子を見に来て……。
6話:冷泉の下の洞窟
温寧も目覚め、無事に雲深不知処に戻った一行。魏無羨は買って帰ってきた銘酒で江澄、聶懐柔と部屋でこっそり水の怪退治の祝杯をあげていました。飲んでいるうちについ大騒ぎしてしまう3人。
騒ぎを聞きつけて来た藍忘機に「何をしている」と問われた魏無羨は藍忘機も酒に誘います。藍忘機はここは禁酒だと言って罰を受けに行くように言いますが、魏無羨はこんなに酔ってたら歩けないと言い返しました。
藍忘機が人を呼びに行こうとして背を向けたので、魏無羨はその隙に江澄、聶懐柔を逃がします。
そして魏無羨は藍忘機の背中にお札を貼って行動を操り酒を飲ませてしまうのです。実は藍忘機は酒に弱く盃1杯で倒れてしまいました。
藍忘機を寝台に寝かせ、抹額※1が曲がっていることに気づいた魏無羨は直してやろうとしますが、藍忘機は本能的にその手を払います。藍氏の抹額は父母と妻子にしか触れさせてはいけないとのこと。
魏無羨が「お前の父親も堅物だったら母親はさぞ退屈だろうな」と茶化すと藍忘機は「母はいない」と答えました。それを聞いた魏無羨は自分も4歳の時に両親が死んだと明かすのでした……。
翌朝、聶氏のところから戻ってきた藍啓仁は、聶氏の周辺でも霊を摂られたようになった者が出ているそうだと藍曦臣に報告していました。
藍曦臣も藍啓仁の留守中に水の怪が出たこと、また魏無羨は水の怪と摂霊の件は関連があるのではないかと言っていると報告します。
藍啓仁は魏無羨の母が蔵色散人だと確認した上で「どうりで悪知恵が働くわけだ」と言うのでした。そこへ昨夜、魏無羨たちが禁を破って飲酒していたとの報告があります。
藍啓仁の前にひざまずかされる魏無羨、藍忘機、江澄、聶懐柔。魏無羨は、藍忘機には俺が無理やり飲ませたと白状しますが、藍忘機は自分の過ちなので罰を受けると言い張りました。
魏無羨の行動に呆れた藍啓仁は思わず蔵色散人のことに触れそうになります。藍啓仁が自分の母のことを知っていることに驚いた魏無羨は聞き返しますが、藍啓仁はそれ以上教えてくれないのでした。
結局、罰として魏無羨、藍忘機は300回、江澄、聶懐柔は50回、戒尺※2で打たれることになります。
その後、藍曦臣は魏無羨にこっそり罰の傷を早く治せる”ある場所”を教えに来てくれました。魏無羨がその時、母と藍啓仁の関係を聞いてみると、藍曦臣は2人は学友だったと教えてくれます。
魏無羨が”ある場所”へ行くと冷泉に浸かって傷を癒している藍忘機がいたのです。魏無羨は友達になろうと言いますが、藍忘機は拒否。その時突然、2人は泉の下の洞窟に引きずり込まれてしまいます。
洞窟の奥には1張の琴が置いてありました。2人が近づいていくと、なぜか琴は魏無羨だけを攻撃してきます。よく見ると琴には藍氏の禁紋封印が描かれていて、藍忘機のことを藍氏の者だと判別して攻撃してこないようでした。
また洞窟の中には藍氏の抹額をつけたウサギがたくさんいました。抹額で藍氏だと判別されていると気づいた魏無羨は藍忘機に「抹額を貸してくれ」と言います。
抹額を外した藍忘機は片方の端を自分の手首に巻き付け、もう片方を魏無羨の手首に巻き付けました。すると魏無羨も攻撃されなくなります。
藍忘機が琴を弾くと、「仙山を殺し 陰鉄を葬れ」という声が聞こえてきました。魏無羨と藍忘機は五大世家がどこかの門派を滅ぼそうとしていると考えます。しかし2人とも”陰鉄”という言葉は初めて聞いた様子。
その時、背後で「陰鉄は不吉よ 言及せずともよい」という声がして1人の女性が現れたのです。それは藍氏唯一の女宗主だった藍翼(リー・ルオトン)でした。
藍翼は自分が死後もこの洞窟にとどまっている理由について次のように語ります。
数百年前、陰鉄を作ったのは当時夷陵を拠点とする最強の国師だった薛重亥(ユー・ズークアン)。薛重亥はなぜか突然、陰鉄に怨念を吸わせ、古の妖獣である屠戮玄武を操って仙門の衆派を虐殺し始めた。
そのため、五大世家は協力して薛重亥を倒すことにした。
薛重亥を討ち屠戮玄武を鎮めた後、夷陵は屍ばかりの乱葬崗となった。
陰鉄は本来、天地の気を吸う至宝だったが、薛重亥が人間の霊識を吸わせたために怨念が満ちて浄化ができなくなってしまった。五大世家は陰鉄をいくつかの欠片にして霊脈の豊かな地に隠し、後世に伝えないと決めた。
藍翼は女性唯一の宗主ということで数々の妨害に遭っていた。それでも藍氏の門派を広めるために陰鉄の欠片を自分が浄化しようと考えた。知己であった抱山散人(リウ・チンユー)には止められたが、それを聞かずにこの洞窟に隠されていた陰鉄の欠片の封印を解いた。
しかし浄化ができなかった上に二度と封印することも出来なくなり、自分も深手を負ってしまった。仕方なく自分の霊識を使って陰鉄の欠片を封じておくために死後もここにとどまっている。
※1 抹額・・・前額部を覆う布。
※2 戒尺・・・仏具の1つで、戒律を授ける時に打ち鳴らす道具。
7話:陰鉄の欠片を探しに
話を聞いた魏無羨は自分の母は抱山散人の弟子の蔵色散人だと言い、藍翼に抱山散人の消息を尋ねます。藍翼は自分が災いを起こした後、抱山散人は隠遁してしまったと答えました。
藍翼は100年間陰鉄の欠片を抑えてきたが、この10年で陰鉄の欠片に動きがみられ、自分の霊識も弱まってきたと言います。
そして、おそらく陰鉄の欠片に動きがみられたのは他の隠されていた陰鉄の欠片が世に現れたからだと言いました。封印を解かれた陰鉄の欠片同士は呼応し合うというのです。
また藍翼は陰鉄が災いを起こさないようにするには欠片を集めて鎮めるしか方法がないが、もう自分にはできないと言いました。その姿はだんだん薄くなっていき、藍翼は「後事を託す時ね」と言いました。
藍忘機と魏無羨は必ず意志を引き継ぐと誓います。藍翼の姿は完全に消え、2人の前に陰鉄の欠片だけが残るのでした。
その頃、外では2人が冷泉でいなくなったと大騒ぎになり、他の世家の弟子たちも協力して捜索していました。捜索の途中、温寧はまた(特異な体質だから?)何かに取り憑かれたようになってしまうのでした。
突然、地上に転がり出た魏無羨、藍忘機は江澄と温情に発見されます。地上ではいつの間にか一晩経っていたようでした。
一晩中どこにいたのか問い詰められ、魏無羨は咄嗟に冷泉で渦に巻き込まれ、あちこち出口を探してやっと脱出したと言ってごまかします。
藍啓仁と藍曦臣は、魏無羨と藍忘機が持ち帰った陰鉄の欠片を巾着の中に封じ込めました。そして藍氏の裏山は藍翼が禁忌を破った後に陰鉄の怨念を広めないために結界が張られたと明かします。
その時、上空を温氏の梟が飛んでいきました。藍忘機は温氏が急に座学に参加した目的は陰鉄ではないかと言います。藍曦臣は陰鉄の欠片の1つを温若寒が持っていると言いました。
また藍啓仁は、野心ある者の手に陰鉄の欠片が集まれば血の雨が降ると言い、元の場所に戻し結界を強めて誰も近づけないようにすべきだと言います。
藍忘機は温若寒が陰鉄の欠片の1つを持っていて欠片同士が呼応するのならば隠しようがないと反論しますが、藍啓仁にはこの件はもう触れるなと言われてしまうのでした。
一方、不夜天城では温晁が雲深不知処に陰鉄の欠片が現れたと報告しますが、温若寒はその欠片を手に入れてこなかったことに不満を露わにします。
また温若寒は温氏の客卿※3である薛洋(ワン・ハオシュエン)に櫟陽へ陰鉄の欠片を探しに行くように命じました。薛洋が立ち去った後、温若寒は温晁に密かに薛洋を監視するように命じます。
ある日、雲深不知処の弟子たちは天灯揚げをしました。天灯を揚げた後、魏無羨は江厭離に”良縁に巡り合えるように”と祈ったんだろと言ってからかいます。
それを聞きつけた金氏の弟子たちが”祈らなくても良縁に恵まれてるのに”と茶化して金子軒を見ました。そう言われた金子軒は不機嫌そうにその場を立ち去ってしまいます。
それを追いかけた魏無羨は金子軒が弟子たちに「私の望む婚姻ではない 二度と言うな」と言っているのを聞いてしまいました。その言葉を聞いた魏無羨が金子軒を殴ってしまいます。
他の弟子たちに押さえられてその場は収まったものの、雲深不知処に江氏宗主の江楓眠(ルー・ジェンミン)と金氏宗主の金光善 (シェン・シャオハイ)が呼び出される騒ぎになってしまいます。
江楓眠がこの縁談はもともと妻が決めたこと、本人たちの気が進まなければ白紙に戻そうと提案し、金光善もそれに従うと言いました。江澄から話を聞いた魏無羨は江厭離に自分のせいで破談になったことを謝りに行きます。江厭離は縁がなかっただけと答えるのでした。
また藍啓仁と藍曦臣は、江楓眠に最近の異常現象について話します。すると江楓眠は最近、温氏の客卿の薛という者が次々と仙門を襲っているらしいと話しました。そこへ魏無羨、江澄、江厭離が座学を終えて故郷に帰る挨拶に来ます。
その時、藍忘機も藍啓仁と藍曦臣に何かを話しにきます。藍忘機が藍氏だけで話がしたそうだと察した江楓眠は魏無羨たちを促して部屋を出ました。魏無羨は藍忘機に何か言いおうとしますが、江澄に引っ張られて部屋から出されてしまいます。
どうやら藍忘機は魏無羨には告げずに1人で陰鉄の欠片を持って他の欠片を探しに行くことにしたようでした……。
※3 客卿・・・他国から来て一時その国の支配者に仕える人。
8話:大梵山
魏無羨は雲深不知処を発つ前に温寧にも挨拶しようとしますが、温氏の部屋にはもう誰もいないのでした。
夜になり、藍曦臣の部屋を温晁が訪ねてきて”裏山の監視が厳しいそうだが何かお宝でも?”と皮肉を言います。藍曦臣は”祖先の遺骨が埋まる地ゆえ”と言ってごまかします。
そう言われた温晁はわざとらしく”では藍氏の先達に参拝したいので入らせてもらっても?”と言いました。しかし藍曦臣は威厳をもって”お引き取りを”と言います。
そう言われた温晁は今度は陰鉄の欠片を探しに行った藍忘機を追うつもりのようでした。藍曦臣は表情には出さないものの心の中で藍忘機を案じるのでした。
その頃、藍忘機を心配した魏無羨は江楓眠たちに置き手紙を残して姿を消していました。藍忘機に追いついた魏無羨が一緒に街を歩いていると、偶然聶懐柔にも会い行動を共にすることにします。
3人で街を歩いていると、貼り紙に人だかりがしていました。その貼り紙には次のような内容が書かれています。
”蒔花女”が花園で詩を吟じる会を開き、見事な詩を吟じた者には3年芳香が続くという”蒔花”が贈られる。
3人はその花園に行ってみますが、到着した時には花園はもう荒れ果て黒い梟の羽根が落ちていました。魏無羨は次のように考えます。
陰鉄の欠片が百花の王である牡丹を変化させて”蒔花女”を監禁し、他の欠片を探すために人を集めようとしていた。そこへ温晁が来て陰鉄の欠片を持ち帰った。
陰鉄の話を初めて聞いて怖がる聶懐柔は魏無羨たちに自分の故郷である清河までついてきてほしいと頼むのでした。
一方、温情が温晁に、早急に薛洋に手を貸しに行けという温若寒からの命令を伝えに来ます。温晁は温情が、魏無羨と藍忘機の邪魔をさせないために偽の命令で自分を遠ざけようとしているのではないかと疑いました。
そして温晁は清河に行く途中に温情の故郷の大梵山があることを指摘し、素直に従わないと一族に手を出すことをちらつかせて脅します。また温晁は大梵山の舞天女像の封印を解いてしまうのでした……。
実は、江澄も魏無羨を心配して旅に出ていました。温情が温氏の兵たちと茶を飲んでいる店に、江澄が偶然入って来ます。江澄に魏無羨たちの危機を知らせたい温情ですが、温氏の兵に見られていてはできません。
そこで温情は江澄にわざと喧嘩をふっかけ、組み合った時に大梵山に行くようにと囁くのでした。
大梵山に着いた魏無羨たちが出会った老婆に宿を尋ねると、舞天女像の祠に案内されます。また祠にいた初老の男は20年前に舞天女像が人間の霊識を吸い、ある名門の家主が鎮めたという話をしました。
魏無羨はその名門の家主は誰か尋ねますが、男は覚えてないと答えます。しかし男は温氏の位牌を大事そうにずっと抱えているのでした。
夜になり、舞天女像が突然動き出します。魏無羨と藍忘機は協力してその動きを封じますが、今度は何かに操られたような村人たちが祠に向かって集まってくるのでした。