「長歌行」45話・46話・47話ネタバレあらすじと感想。李長歌たちは前王朝の残党のアジトを襲撃しますが、可敦の直属の配下である楊成だけが見つかりません。李長歌たちが戻ると李楽嫣の姿がなく”茶楼で待つ”という置手紙が残されていて……。
45話:盟約の妨害
李長歌は晧都に頼んで兵を動員し、買収された使者から聞き出した前王朝の残党のアジトを襲撃します。しかし、可敦の直属の配下である楊成だけがいませんでした。
李長歌たちが滞在先に戻ると、そこで待っているはずの李楽嫣の姿が見えず”茶楼で待つ”という置手紙が残されていました。
李長歌と晧都が急いで茶楼に行くと、楊成は李楽嫣の首に短剣をあて、仲間を奪還するために宮中に出入りできる魚符を要求してきたのです。李長歌が魚符を高く投げ上げ、楊成がそれを見上げた隙に李楽嫣は逃げ出し、晧都が楊成を捕らえました。
晧都は独断で兵を動員したことを杜如晦に咎められると思いますが、杜如晦は果敢な決断だと称えて祖先の位牌の前で実の息子として迎えると告げます。
その後、参内して前王朝の残党を捕らえたことを報告した晧都は、李世民から正式に駙馬都尉を任じられ、李楽嫣を託すと言われるのでした。
楊成は黙秘していましたが、李長歌は砂漠各部の使者たちの前に楊成を連れ出してこれは可敦の陰謀だと説明します。そこへ可敦が来て自分は和議のために嫁いだのに黒幕であるわけないと言いました。
その時、魏叔玉が李世民直筆の書を携えて現れます。公平な条件で盟約を結ぶという書が読み上げられると、砂漠各部の使者たちは盟約に署名する意向を示し始めました。
ところが突然、弥弥古麗が声を上げ、李長歌のことを本当は漠北王の妹ではなく、李建成の娘だと暴露したのです。また、楊成は自分の犯した罪が李長歌が計画したことだと思わせる言葉を遺して自害します。
弥弥古麗は続けて李長歌は唐への復讐の手段として前王朝の残党と手を組んだと言いました。実は弥弥古麗は可敦から砂漠各部の使者たちの前で李長歌の正体を暴露しないと歩真と穆金の命はないと脅されていたのです。
それを聞いた砂漠各部の使者たちは盟約を結ぶことを躊躇し始めました。魏叔玉は李長歌を連行し、李世民に盟約が決裂したことを報告します。李世民は可敦の要求は阿詩勒涉爾の釈放だろうと言い、交換条件として阿詩勒部の捕虜となっている砂漠各部の民を解放すれば応じると言いました。
交換条件を聞いた可敦は、阿詩勒涉爾の解放に加えて阿詩勒隼の身柄も引き渡せば砂漠各部の捕虜を解放すると言うのでした。
その頃、阿詩勒隼と阿詩勒涉爾が収容されている地下牢に黒い頭巾を被った男が配下を引き連れて来ていました。男は阿詩勒隼だけを独房から出すように指示します。阿詩勒隼の危険を察した阿詩勒涉爾が独房の中から小石を投げて男の頭巾をめくると、なんとそれは皇太子だったのです。
皇太子は晟辛の仇を取ろうと、配下に阿詩勒隼を押さえさせて短剣で刺そうとしました。そこへ魏叔玉が来て皇太子を止め、晟辛は皇太子から情報を得るために送り込まれた間者だったと説明します。
その後、魏叔玉は阿詩勒隼を李世民のところに連れて行きました。李世民は阿詩勒隼に阿詩勒部を捨てれば新しい戸籍を与え唐で李長歌とともに生きられるようにしようと提案します。阿詩勒隼がそれを拒むと、李世民はもう1つの提案をするのでした……。
46話:母の死の真相
砂漠各部の使者たちから李建成の娘が漠北の使者に扮していたのは唐の指示かと問われた李世民は、李長歌は唐に対する私怨により他国を選んだまでだと説明します。
また、阿詩勒涉爾を釈放したことについて問われた李世民は阿詩勒部の捕虜となっている砂漠各部の民の名簿を見せ、彼らの解放のためだと答えました。砂漠各部の使者たちは納得し、無事に盟約が結ばれます。
その後、このまま唐にとどまることを拒否する李長歌に、李世民は政変の時の瑾夫人との出来事を初めて話すのでした。
李建成を殺害した後、李世民は瑾夫人と李長歌を逃がそうとしていた。しかし瑾夫人は李世民から宝刀を奪い、”李長歌を一生守ると約束して”と言い遺して自害した。
それでも李長歌の阿詩勒隼を救うために定襄に行くという決意は固く、李世民は「帰りを待つ」と言って送り出しました。李長歌は宮廷から立ち去る時に宝刀を置いて行き、李世民はそれを見て涙します。
定襄に発つ前に母の墓参りに行った李長歌は、母の墓前に、阿詩勒隼の書いた縁談申し入れ書が置いてあることに気づくのでした。
一方、定襄に着いた阿詩勒涉爾が延利可汗の部屋に行くと怪しい香が充満していました。阿詩勒涉爾は香を消して部屋を換気しますが、毒に侵された延利可汗はもう阿詩勒涉爾の顔もわからないようでした。
阿詩勒涉爾は酒を持って阿詩勒隼の牢に行き、延利可汗の病状を話します。阿詩勒隼が屈強だった延利可汗が急に重篤な病気になるのはおかしいと言うと、阿詩勒涉爾は動揺して別におかしくないと否定しました。
その様子を見た阿詩勒隼はここに酒を飲みに来たことがもう可敦を疑っている証拠だと指摘するのでした。
そこへ看守が可敦が来たと知らせに来ました。阿詩勒涉爾は裏口から出ていきます。可敦は阿詩勒隼に阿詩勒部のために鷹師を動かせば命は助けてやると交渉してきました。
阿詩勒隼はもはや阿詩勒部を動かしているのは延利可汗ではなく可敦だと言い、鷹師を前王朝のために動かすのは断ると言います。
すると可敦は拷問を受けて気絶した穆金を連れてきました。阿詩勒隼は穆金と延利可汗の治療を条件に鷹師を動かすことを承諾します。
47話:定襄への潜入
阿詩勒隼は可敦に延利可汗の病気はお前の仕業かと問います。可敦はもともと延利可汗が可汗の地位に就けたのは、私が夫であった先代の可汗を殺害したからだと告白しました。
実はこの時、阿詩勒涉爾は裏口から出て行ったふりをして2人の会話を立ち聞きしていたのです。阿詩勒涉爾は急病だと言われていた父を実は母が殺害していたと知ってショックを受けるのでした。
阿詩勒涉爾は耐えられず物陰から飛び出して可敦を責めます。可敦から全ては前王朝の復興のためだと言われて泣き崩れる阿詩勒涉爾。可敦は配下に阿詩勒涉爾を部屋に連れて行くように命じました。
可敦は阿詩勒隼を延利可汗に会わせることにします。延利可汗は阿詩勒隼の顔を認識して手を握りました。可敦は阿詩勒隼に穆金に軍令を渡して鷹師を定襄の宮門前に集結させれば、延利可汗を治療すると約束します。
鷹師が宮門前に集結すると、形だけの号令をかけるために車椅子に乗せられた延利可汗が連れてこられます。穆金は盃を受けるふりをして前に出て、延利可汗を運んできた護衛を斬りました。
その隙に蘇伊舎が車椅子を押して延利可汗を鷹師の馬車に乗せて逃げます。実は阿詩勒隼が穆金に渡した軍令には炙り出しで”可汗を連れて唐軍の李靖に投降しろ”と書かれていたのです。
報告を受けた可敦は激怒し、阿詩勒隼を公開処刑にすると宣言します。
単身で定襄潜入の機会を窺っていたいた李長歌のもとに、珍珠から話を聞いた諸風、羅十八、司徒郎郎、魏叔玉が集まってきました。珍珠が阿詩勒部の麾下だった時の漠南国の令牌を持ち出してきていて、一行はそれで定襄に入り込むことにします。
晧都と李楽嫣は先の長くない杜如晦のために取り急ぎささやかな婚礼を行うことにします。婚礼の翌日、晧都も定襄へと出陣することになり、晧都は李楽嫣に李長歌を必ず守ると約束するのでした。
定襄で阿詩勒隼が公開処刑されると聞いた弥弥古麗は阿詩勒涉爾に相談に行きます。阿詩勒涉爾が可敦を説得しに行こうとした時、2人は空に季節外れの孔明灯※が飛んでいるのを見つけました。それは定襄の潜入に成功した李長歌たちからの合図だったのです。
弥弥古麗は阿詩勒涉爾が月餅が食べたいと言ってきかないと言い、門番に金を渡して外へ月餅を買いに行ってもらいます。月餅の季節ではないので門番がいぶかしがりながら門の外に出ると、売り子に扮した李長歌が月餅を売っていました。
弥弥古麗と阿詩勒涉爾が門番から受け取った月餅を割ると中には”定襄王宮の地図と処刑台の位置を知らせてほしい”という李長歌の手紙が入っていたのです。阿詩勒涉爾は弥弥古麗が止めるのも聞かずにそれを調べる役目を買って出て「母親の罪滅ぼしだ」と言うのでした。